「たかが便秘」と放置するのはNG!便秘の奥に病気発生リスクが潜んでいる場合も…専門医が解説
あまりにも日常すぎて、便秘が体からの不調サインだということ、忘れていませんか? 便秘はときに、命に関わる病気の早期シグナル。たかが便秘、と放置している間に、深刻な症状が進んでしまう場合があるんです。そうなる前に、便秘について正しい知識を身につけましょう。
便秘は、2種類に分けられる
実は便秘は、機能性便秘と器質性便秘の2種類に分けられます。一般的な便秘と言われているのが、機能性便秘。食生活や生活習慣が原因となり、排便のリズムが崩れている状態のことを言います。一方、器質性便秘とは、消化器官になんらかの疾患があり、それらが原因で便秘を起こしている状態のこと。
器質性便秘の場合、セルフケアでは改善されないため、消化器内科へ受診することをおすすめします。ですが、症状が進行しないと、機能性便秘との違いを区別することは難しいもの。
そんな器質性便秘を見逃さないためのポイントを紹介します。
すぐに病院に行ったほうがいい例
便秘の症状は多岐にわたりますが、下記のような症状が出ているなら、すぐに病院を受診しましょう。
□便に血がついていた
□下剤の服用や浣腸をしないと排便できない
□薬が効かなくなってきた
また、食事や運動改善をしても、こんな症状が長く続いている場合も受診がおすすめです。
□便が硬くて出しにくい
□残便感がある
□いきんでも少量しか出ない
□コロコロの便
□2日以上排便がない
□下痢にならないと便秘が解消しない
□はっきりとした便意がない
□お腹が張る
便秘の原因は、食事や生活習慣だけでなく、薬の副作用や病気の症状など多岐に渡ります。そのため「体質的なものだから」と放置したり、手軽に買える市販薬で誤魔化している人も。便秘は慢性的なものはもちろん、急性、繰り返すのもも、実はとても危険です。その後ろでは、病気が着々と進行している場合があります。
便秘ぐらいで病院に行ってもいいの?
いいに決まっています!40歳をすぎたら、一度は大腸カメラ検査を受診してリスク診断を。最新の内視鏡システムなら、大腸内がクリアに見え病気の早期発見も可能です。
また、鎮静剤を使えば眠っている間に検査が終わるので、楽に検査を受けることができます。最近では、女性の専門医も多く、受診のハードルがどんどん低くなっているものうれしいポイントです。
まとめ
まさに餅は餅屋。専門医に便秘について相談すると、その解決方法の多さに驚きます。漢方はもちろん、最近では善玉菌を活用したプロバイオティクスなどの選択肢も。驚くべきことに、検査用の下剤まで美味しくなっているので、不調を治すのに、もう苦痛は必要ありません!
教えてくれたのは…船越真木子(ふなこし・まきこ)先生
京都にある「まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック」院長。2005年神戸大学医学部卒。その後、基幹病院や京都大学医学部附属病院の勤務を経て、2021年に「まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニック」(京都市伏見区)を開院。がん死の第一位である大腸がん、第二位である胃がんを早期発見するため、苦痛の少ない高精度な内視鏡検査を提供している。ミッションは『人生を最高に楽しめる体と心を支える』。総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医。
AUTHOR
ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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