ヒトが「動く」とはどういうことか|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと

 ヒトが「動く」とはどういうことか|理学療法士がヨギに知ってほしい体のこと
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得原藍
得原藍 2018-10-08
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大きな病院に勤務していたころ、いろんな患者さんに出会いました。長期のリハビリを必要とする患者さんの中には、脳梗塞で身体の左右どちらかの半分が動かなくなった人、脊髄損傷で下半身の運動を失ってしまった人、難病と呼ばれる疾患に出会って徐々に身体が動かなくなってしまう人、心臓の病気で運動ができない人、肺の機能が落ちて運動すると苦しくて立っていられなくなってしまう人…いろいろな原因で運動を制限された方がいました。そして、様々な原因で「動き」を制限された方たちが望むのはいつも「以前のように動きたい」ということでした。
頭脳の働きを残したまま、身体だけ動かなくなってしまった方を担当したことがあります。彼女の望みは、早く死ぬことでした。トイレまでの5mを歩くのに、心臓と肺の機能がついてこなくなってしまった人を担当したことがあります。彼はなにをするにも、死ぬ思いをしていると言っていました。
ヒトにとって「動くこと」は、生活の楽しみであると同時に、生死に関わる、生きる実感を伴う大事な機能なのだと思います。では、身体が動く仕組みというのはどのようなものなのでしょうか。
ヨガのポーズひとつでも、ヒトは様々な動きをしています。呼吸をし、もちろん心臓を動かし、指先を意識して、目線を固定し、関節を思い通りの位置に調整します。その全てを司るのが脳ですが、脳がどのように機能して身体を動かすのか、また身体からどのように情報を受け取って動きをコントロールいるのか、このコラムではそういったことに触れていきたいと思います。

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