「しっかり焼いたはずの鶏肉が生焼けだった…うっかり食べてしまったけど大丈夫?」管理栄養士が解説
唐揚げ、照り焼き、親子丼…。鶏肉はおいしいメニューが豊富で、日頃からよく食べる食材ですよね。使い慣れた食材ということもあり、気がゆるんで生焼けになってしまった経験はありませんか?実は、鶏肉の生焼けは大変危険。対処方法や注意点をお伝えします。
生の鶏肉は食中毒の危険性が
「表面はしっかり焼けているから、中身が少しくらい生焼けでも大丈夫?」と思うかもしれません。しかし、鶏肉の生焼けは大変危険。
生の鶏肉は、カンピロバクターやサルモネラなどの食中毒菌に汚染されているため、生焼けで食べてしまうと食中毒になることがあるのです。
カンピロバクターやサルモネラの食中毒は下痢、吐き気、嘔吐、腹痛、発熱などの症状があらわれます。
乳幼児や高齢者のほか免疫力が下がっている方は重症化するおそれもあるため、鶏肉の加熱には注意しなければなりません。
食べてしまったときはどうすればいい?
「生焼けの鶏肉は食べない!」ということが必須ですが、誤って食べてしまうことがあるかもしれません。
そのようなときは、食中毒の症状がでないかどうか、体調に気をつけて過ごしましょう。
症状が出たら病院へ
生焼けの鶏肉を食べた方全員に食中毒の症状がでるわけではありません。体調の変化に気をつけて、症状がでたら病院で診察を受けるようにしましょう。
数日間は体調チェックを
食中毒は「食べた直後すぐ」に症状がでるわけではないので注意が必要です。サルモネラの場合はおよそ6〜72時間後に発症し、カンピロバクターならおよそ2〜5日後に発症します。
食べたその日に症状がなくとも、数日間は気をつけて過ごしましょう。
自己判断で薬を飲まない
症状がでたときは、自己判断で市販の薬や以前処方された薬を飲まないようにしましょう。下痢止めなどの薬を飲むことで、症状が悪化してしまうこともあります。
鶏肉にしっかり火を通して食べるには?
「鶏肉を食べるのがなんだかこわくなってしまった…」と思われるかもしれませんが、鶏肉による食中毒はしっかり焼くことで予防できます。
カンピロバクターやサルモネラは熱に弱く、中心部を75度で1分以上加熱することで死滅します。しっかり加熱すると、安全ということですね。
安心して食べられるように、以下のことに注意してみてくださいね。
薄く、小さく均等に切る
火の通りがよくなるように、分厚い部分を薄くしたり、小さく切ったりしてみましょう。厚さや大きさを均等に切ることも、鶏肉全体をまんべんなく加熱できるポイントです。
解凍してから調理する
鶏肉を凍ったまま調理すると、外側だけ焼き色がしっかりつき、中は生という状態になるかもしれません。冷凍の鶏肉は解凍してから調理することで火が通りやすくなります。
加熱後、試しに少し切ってみる
心配なときは、加熱後、少し切って中の色を確認しておきましょう。生のときの鶏肉の色(桃色)から、白に変わっていれば火が通ったしるしです。
また、生の鶏肉を触ったあとしっかり手を洗う、生の鶏肉を扱う調理器具(まな板や包丁、菜箸など)を加熱後に使用するものとわける、など、手洗いや調理器具についても注意しておきましょう。
鶏肉には食中毒菌がついている危険性が高く、生で食べるのは大変危険です。しっかりと加熱することで食中毒を防げるので、気をつけて調理してみてくださいね。
参照
農林水産省|カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)
東京都保健医療局|生焼けの豚肉、鶏肉を食べてしまった場合は、どうしたらよいでしょうか?【食品安全FAQ】
AUTHOR
なつめももこ
管理栄養士/Webライター/イラストレーター。管理栄養士として病院に7年間勤務。出産を機に「子どもとの時間を大切にしながら働くこと」を目標にフリーランスのWebライター&イラストレーターとして活動開始。現在は栄養に関する記事を執筆するほか、未経験からイラストレーターになる方法について発信している。
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