【低容量ピル】「うっかりして飲み忘れた…」どうすれば?状況に応じた対処法を薬剤師が解説

 【低容量ピル】「うっかりして飲み忘れた…」どうすれば?状況に応じた対処法を薬剤師が解説
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低用量ピルを飲み忘れた時の対応策を薬剤師が解説します。

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月経周期をコントロールすることができる低用量ピル。

低用量ピルは避妊だけではなく、月経困難症による生理痛や月経前症候群(PMS)を改善させ、女性の体調管理に大きく貢献している薬のひとつです。

この記事では、低用量ピルを飲み忘れた時の対応、注意事項について解説します。

ピル
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飲み忘れが1日の場合(最後に薬を飲んでから48時間未満)

いつも低用量ピルを飲んでいる時間から24時間以内であれば、気付いた時点ですぐに1錠飲んでください。

残りの低用量ピルは、いつも飲んでいる時間に飲むようにしましょう。

気付いた時点でいつも飲んでいる時間が近い場合は、2錠まとめて飲んで構いません。

例:
・朝に飲んでいるのに外出から帰ってきてから気付いた
・寝る前に飲んでいるのに翌朝に気付いた
・薬を飲もうとしたら前日分を飲み忘れていることに気付いた

飲み忘れが2日以上の場合(最後に薬を飲んでから48時間以上経過)

気付いた時点で前日分の1錠を飲み、残りの低用量ピルは予定通りに飲むようにしてください。

2日以上飲み忘れていても、上限は1日2錠までです。

また、服用できていない期間が7日を超える場合は治療効果に支障をきたすおそれがあるため、医師の診察を受けてください。

プラセボ(偽薬)を飲み忘れた場合

低用量ピルの種類によっては休薬期間を分かりやすくするために、シートにプラセボ(偽薬)が含まれているタイプがあります。

プラセボに関しては有効成分が含まれないため飲み忘れても問題ありません。

そのまま破棄し、定められた休薬期間を守ってください。

休薬明けに飲み忘れた場合

自分で休薬期間をカウントするタイプの低用量ピルもありますが、うっかり再開するのを忘れてしまうケースの相談も少なくありません。

この場合も飲み忘れが1日であれば上記の「飲み忘れが1日の場合」、2日以上であれば「2日以上の場合」と同様に対応します。

飲み忘れて生理がきてしまったら?

低用量ピルを3日以上飲み忘れると排卵が起こり、生理がきてしまうことがあります。

一般的に、生理開始日5日目までであれば、その日のうちに新しいシートの1錠目から開始、6日目以降の場合は、いったん休薬して次回の生理が開始した日から再開する、とされています。

その方の状態や今までの薬の使用状況によっても変わるため、不安な場合は医師の診察を受けることをおすすめします。

また、飲み忘れによって身体の中のホルモン量が減り不正出血が起きることがあります。

不正出血は低用量ピルを再開すると落ち着いてくるとされています。

効果はどうなるの?

月経困難症やPMSの改善を目的として服用している場合、上記の対応で服用していれば治療効果は問題ないと考えられます。

しかし、避妊効果を目的としている場合は避妊対策についても検討が必要です。

飲み忘れた場合に妊娠確率を最小化するための対応方法を説明します。

飲み忘れが1日の場合

一般的に、妊娠の可能性はほとんどないとされています。

しかし、飲み忘れが第1週目のはじめのあたり、あるいは第3週目の終わりのあたりの場合は注意が必要です。

実質的に休薬期間が長くなるため排卵が起こり、妊娠リスクが上がります。

コンドームを使用するか、妊娠の可能性がある性交渉があった場合は緊急避妊薬(アフターピル)を使用するケースもあるため、医師に相談しましょう。

飲み忘れが2日以上の場合

7日以上連続して服用するまでコンドームを使用するか、性交渉自体を避けてください。

一般的には、低用量ピルの実薬を7日連続で飲むと、その周期には正常な排卵が起きず、避妊効果が得られるとされています。

このケースでは第1週から第3週のどの週で飲み忘れたかによって対応が変わります。

・第1週の場合

休薬期間中、あるいは第1週に妊娠の可能性がある性交渉があった場合には緊急避妊薬を検討します。

・第2週の場合

直近の7日間で、連続して正しく服用できていた場合、緊急避妊薬は必要ありません。

連続して飲めていなかった場合は緊急避妊薬を検討します。

・第3週の場合

第1~2週で連続して服用できているため、緊急避妊薬は必要ないといえます。

現在飲んでいるシートの実薬を飲み終わったら、休薬期間を設けずにすぐに次のシートを開始してください。

まとめ

この記事では、低用量ピルを飲み忘れた時の対応、注意事項について解説しました。

飲み忘れを防ぐためにも、いつも低用量ピルを飲む時間をざっくりとでもいいので決めておくことが大切です。

飲み忘れてしまい、体調変化があった場合や、避妊について不安な場合は無理せず受診して医師に相談するようにしましょう。

<参考資料>
日本産婦人科学会編 OC・LEPガイドライン 2015年度版
日本新薬 ルナベルⓇ配合錠LD/ULDのよくあるご質問
バイエル ファーマ ナビ ヤーズⓇ配合錠服用ハンドブック
バイエルベターライフナビ ヤーズフレックスⓇ配合錠 服用中のみなさまへ
ノーベルファーマ ジェミーナⓇ配合錠の服用方法について

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AUTHOR

桜井あかね

桜井あかね

調剤薬局で働く薬剤師。大手調剤薬局で管理薬剤師として勤務した経験を活かし、スキルアップのために中小調剤薬局に転職。 転職後は処方箋調剤のみならず在宅医療、漢方相談、市販薬を用いたセルフケア支援など、薬剤師として幅広く活躍。 薬剤師ライターとして知識と経験を活かして専門的かつ分かりやすい医療情報を提供している。



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