30歳代以降の女性の4割弱に見られる【子宮筋腫】なりやすい人の特徴とは?治療法は?医師が解説

 30歳代以降の女性の4割弱に見られる【子宮筋腫】なりやすい人の特徴とは?治療法は?医師が解説
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甲斐沼 孟
甲斐沼 孟
2023-06-06

知っているようで知らない子宮筋腫について、医師が解説します。

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子宮筋腫とはどのような病気か

子宮筋腫とは、子宮の壁にできる良性の腫瘍のことを指しており、子宮筋腫に伴って月経量が多くなり、生理痛が増強するのに伴って、貧血になりやすいと指摘されています。

子宮筋腫では、一度発症すると徐々に筋腫そのものが大きくなって下腹部痛や貧血などの原因になることも想定されます。

腹部に形成された良性である子宮筋腫の腫瘍が大きくなることで、腹部が全体的に出ているように感じられることもあります。

基本的には、悪性腫瘍のように周囲の組織を破壊しながら急激に病変部のサイズが大きくなる、あるいは他の生体部位や臓器に転移することはありません。

子宮筋腫
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子宮筋腫になりやすい人とは

子宮筋腫は30歳代以降の女性であれば4割弱に見られる身近な病気です。

子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて大きくなることが知られており、女性ホルモンの分泌が盛んになる20歳代頃から発症しやすくなることが知られています。

その一方で、閉経を迎えて女性ホルモンの分泌量が激減すると徐々に小さくなります。

子宮筋腫が発生するメカニズムは正確に全貌が解明されていませんが、その発症には遺伝子の発現異常が関係すると考えられていて、母親が子宮筋腫を罹患しているケースでは、その子どもである娘が子宮筋腫を発症する危険率は通常の2倍~3倍高いと言われています。

子宮筋腫はエストロゲンと呼ばれる女性ホルモンの影響を受けて大きくなることが分かっているので、妊娠中やエストロゲン投与で筋腫が大きくなることは論理的に正しいと考えられます。

反面、エストロゲンの分泌がない初潮を迎える前の小学生などにおいては認められない疾患であり、エストロゲンを下げる治療を受けている場合や閉経によって子宮筋腫そのものがサイズダウンして縮小化すると考えられています。

子宮筋腫の治療予防策は?

子宮筋腫は発見されたらすぐに全例で治療をするわけではなく、症状が乏しいケースでは、特別な治療をしません。

ただし、何らかの症状が認められる際には、薬物を用いた保存的治療や子宮筋腫の摘出術など手術的な治療が実践されることもあります。

具体的には、子宮筋腫が巨大化すると日常生活に支障をきたすような強い腹部症状が現れる、あるいは不妊症の原因になることもあるため、薬物療法や手術が必要になる場合もあります。

腹部が膨大して違和感がある、あるいは生理前や生理時に貧血症状に悩まされている場合や不妊状態が長引いている際には、子宮筋腫などを疑って産婦人科を受診しましょう。

まとめ

これまで、子宮筋腫とはどのような病気か、子宮筋腫になりやすい人の特徴や治療予防策などを中心に解説してきました。

女性ホルモンや遺伝などの影響で、子宮筋腫を発症して、病変の大きさが巨大化すると月経時以外にも下腹部痛、腹部膨満感、不正出血、腰痛、頻尿などの症状を引き起こすことも考えられます。

日常的にふらつきなど貧血症状が認められて、腹部が張り出す所見がある際には、子宮筋腫を疑って産婦人科など専門医療機関を受診しましょう。

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甲斐沼 孟

甲斐沼 孟

大阪市立大学(現:大阪公立大学)医学部を卒業後、大阪急性期総合医療センターや大阪労災病院、国立病院機構大阪医療センターなどで消化器外科医・心臓血管外科医として修練を積み、その後国家公務員共済組合連合会大手前病院救急科医長として地域医療に尽力。2023年4月より上場企業 産業医として勤務。これまでに数々の医学論文執筆や医療記事監修など多角的な視点で医療活動を積極的に実践している。



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