体に良いイメージのあるナッツ、食べすぎても大丈夫?起こりうるリスクと対策|管理栄養士が解説
健康と美容で注目されているナッツ。種類によりますが、ナッツにはさまざまな栄養素が含まれており、私たちの体にとって嬉しい作用があるといわれています。しかし、そうはいっても食べ過ぎると体に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。 そこで今回はナッツを食べすぎることによる影響とその対策を解説します。
ナッツを食べすぎるとどうなる?考えられるリスク
ナッツの食べすぎは肥満の原因になると考えられます。
ナッツには健康に役立つ栄養素だけではなく、カロリーも多く含まれています。
100g当たりのアーモンドのカロリーは約609kcal、らっかせいのカロリーは約613kcal、くるみのカロリーは約713kcalであるとされます。
これらを味付けしたものは、さらに脂質や糖質が増えカロリーが高くなると考えられます。
エネルギー源となる代表的な食品のご飯やパンはそれぞれ100g当たり約156kcal、約248kcalであるため、ナッツはかなり高カロリー食品でしょう。
このことから、ナッツを食べ過ぎるとカロリーオーバーとなり肥満を引き起こす可能性があると考えられます。
他の食品と同じように、食べすぎは体に良くないといえますね。
しかしナッツはカロリーが高いにもかかわらず、体重増加を抑える作用があるとされています。
ナッツは体重増加を抑制する?
ナッツの摂取と体重の関連を調査した研究によると、ナッツを摂取することで体重増加が抑えられる、もしくは体重が減少する可能性があることが分かっています。
ナッツには食物繊維が多く含まれているため、満腹感を得られ腹持ちが良くなると考えられています。つまり、ナッツを食べると満腹感が得られ食べすぎを防ぐ効果が期待できるといえます。
食物繊維は体内の余分な糖や脂肪を排出する作用があるため、肥満の予防・改善にもつながります。
さらにナッツを摂取することで、病気の予防・改善につながることも示唆されています。
このようにナッツには嬉しい効果も期待できるため、食生活に取り入れていきたいですね。
次にナッツの食べすぎを避けて、上手に取り入れる方法について解説します。
ナッツを食べすぎないための対策
現在のところ、ナッツの摂取量の目安は明確に定められておらず、肥満の予防においてもどのくらいを食べれば有効なのかは明らかになっていません。
具体的な量をお伝えすることはできませんが、間食として取り入れる際は200kcal程度にすることが良いとされます。
200kcalの場合、それぞれのナッツの重量に換算すると、アーモンドは約33g、らっかせいは約33g、くるみは約28gに相当します。
最近は小袋に包装されたミックスナッツが販売されているため、つい食べ過ぎてしまう方は毎日1袋のナッツを間食に取り入れると良いでしょう。
もし間食で他の食品も合わせて食べる場合は、ナッツの摂取量を調整してくださいね。
また、砂糖や塩などの味がついているナッツは控えるようにすることもポイントです。
味がついたものは余分な糖質や脂質が含まれている場合があるため、その分カロリーを摂取することになります。
特にダイエットをしている方は、なるべく素焼きで塩分不使用なものを選ぶと良いでしょう。
ナッツを食べすぎるとカロリーオーバーになる恐れがありますが、ナッツには肥満や病気の予防に役立つ栄養素が含まれています。
普段の間食をナッツに置き換えるなどして、上手に取り入れてみてくださいね。
【参考文献】(2023年5月29日閲覧)
・文部科学省, 日本食品標準成分表2020年版(八訂)
・RGM de Souza, et al. Nuts and Human Health Outcomes: A Systematic Review. Nutrients, 2017; 9(12):1311.
・CL Jackson, et al. Long-term associations of nut consumption with body weight and obesity. The American Journal of Clinical Nutrition, 2014; 100 Suppl 1(1):408S-11S.
・厚生労働省, e-ヘルスネット|食物繊維
・厚生労働省, e-ヘルスネット|間食のエネルギー(カロリー)
AUTHOR
一ノ木菜摘
管理栄養士/ライター。短大卒業後、病院で栄養士として働きながら管理栄養士免許を取得。その後は病院の管理栄養士やコールセンターなどの経験を経てライターとして活動を始める。ダイエットや食品、メンタルなどのヘルスケアについて論文などの科学的根拠をもとにコラムを執筆している。
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