幼い頃、強迫性障害(OCD)を患っていたアマンダ・サイフリッドが子育てで最も気をつけていること
女優のアマンダ・サイフリッド(37歳)は、夫で俳優のトーマス・サドスキーとの間に娘ニナ(6歳)、息子トーマス(4歳)のふたりの子どもを育てるママだ。アマンダは子どもの頃、強迫性障害(OCD)を患い、自分の心の葛藤を打ち明けられずにいたという。その辛い経験から、自分の子どもたちには、「何を言ったとしても、決して自分と夫から評価されたり、批判されたりすることはないから安心していい」ということを伝える努力をしているという。
アマンダ・サイフリッドも苦しんだ強迫性障害(OCD)とは?
強迫性障害(OCD)は、コントロールができずに繰り返される思考と、その思考に基づく繰り返し行動が特徴的な精神疾患である。男性より女性でわずかに多くみられ、日本では人口の約1~2%が発症すると言われている。強迫性障害の具体的な原因は現在のところ、分かっていないが、遺伝、環境、神経生物学的要因が組み合わさったものだと考えられている。強迫性障害を抱える人々は、自分の思考や行動について恥ずかしさや不安を感じ、その状態は日常生活や人間関係に大きな影響を与えると言われている。
理由なき不安で苦しんでいる子どもたちがいるということを知ってほしい
先日、朝の情報・ニュース番組「トゥデイ」とのインタビューで、女優アマンダ・サイフリッドが、知らず知らずのうちに強迫性障害や不安感を抱えていた子ども時代の難しさについて打ち明けた。
(米トークショー「トゥデイ・ウィズ・ホーダ&ジェナ」に出演したアマンダ・サイフリッド。初のブロードウェイミュージカルとなる「テルマ&ルイーズ」での役柄、そして母親業について語った。)
10代の頃、心の中に溜め込んだ不安のせいで、夏の間ずっと眠れなかったことを思い出し、「(心の内を)話してはいけないと思っていた」と告白した。「当時、自分が強迫性障害を患っていたことに気づいていたら、もっと何かできたかもしれない。たとえ苦しんだとしても強迫性障害だと認識していれば、違う選択をしたり、違う方法で対処したりすることができたかもしれない」とこの疾患の啓発の重要性についても触れた。
子どもたちに“親は何があっても味方”だということを伝える
アマンダ・サイフリッドは、「子どもたちには、何があっても親の元に来れば大丈夫、ということを知ってほしい。恥ずかしいこと、怖いこと、不安なこと、ワクワクすること、どんな気持ちでも、ちょっと吐き出せば解放されるから。評価したり、批判したりすることのない親子関係が、自身のメンタルヘルスにも役立っている」とも語った。また育児を“鳥がカゴから解放されるような感覚”と例えており、「子どもたちを育てながら、自分自身も育てていると感じている。さらにセラピーに通うようになったことが自己の成長にもつながっている」と述べた。
自分を大切にし、子育て以外に趣味や優先事項をもつ
子育てで忙しい今、アマンダは“自分”という存在を大切にしている。「母親となると、自分自身を見失ってしまいやすいと思う。(育児は)素晴らしい経験を人生にもたらしてくれるけれど、それは多くの労働を伴い、(子どもをもつ)以前の人生のようにはいかない」と言う。そこで彼女は、主体性を持ち、自己受容することを重要視している。現在、2児の母親となった彼女は、子育て以外に趣味や優先事項を持つことは決して自分勝手なことではなく、むしろ大切であり、自分自身が充実していないと、子育てにも支障が出てしまうと考えている。「子どもたちは、自分たちの成長やニーズに全力で関わることができる親を必要としている」と主張する。
出典:
Amanda Seyfried says childhood with OCD and anxiety changed how she parents
Amanda Seyfried Encourages Her Kids to ‘Say Anything They Want With No Judgment’
AUTHOR
山口華恵
翻訳者・ライター。大学卒業後、製薬会社やPR代理店勤務を経て10年間海外(ベルギー・ドイツ・アメリカ)で暮らす。現在は翻訳(仏英日)、ライフスタイルや海外セレブリティに関する記事を執筆するなど、フリーランスとして活動。趣味はヨガとインテリア。
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