シナモントーストもいいけれど…管理栄養士が強くお勧めしたい「ポスト・シナモントースト」とは?
薬膳でも、たびたび使用されるシナモン。シンナムアルデヒドには毛細血管を強くし、末梢血流を促して、代謝を高める働きがあります。また、オイゲノールには精神不安の緩和が期待できるため、ストレス喰いの回避にも繋がるでしょう。ここでは、すぐに作りたくなる「シナモンの代替トースト」を2点紹介します。
食パンにバターを塗り、シナモンと砂糖をふりかけて焼くだけの「シナモントースト」。忙しい朝でも簡単に作れるうれしい朝食です。
甘い香りのするシナモンは、薬膳では生薬として扱われています。シナモンに含まれるシンナムアルデヒドには毛細血管を強くし、末梢血流を促して、代謝を高める働きがあります。また、オイゲノールには精神不安の緩和が期待できるため、ストレスによる過食も回避できるでしょう。
ここでは、NEXTシナモントーストとしておすすめしたい「〇〇トースト」を2点と、その期待できる効果について解説します。
きな粉
きな粉は炒った大豆を挽いて、粉状にしたものです。シナモンをそのまま、きな粉に置き換えれば、香ばしい「きな粉トースト」になります。
畑の肉とも呼ばれる大豆には、筋肉の材料となり基礎代謝を高めるタンパク質、食べたものをエネルギーに変えるビタミンB群、さまざまな代謝に関わるマグネシウム、血液の材料となる鉄、腸内環境を整える食物繊維などが豊富に含まれています。
また機能性成分として、抗酸化作用の高い大豆サポニンには脂肪の蓄積を防ぐ作用があったり、やさしい甘味を持つオリゴ糖には整腸作用があったり、大豆レシチンにはコレステロールを下げる作用があったり… と、つねに注目が集まります。
きな粉は、そんな大豆を手軽に摂取できる食品です。
カルダモン(パウダー)
スパイスの女王とも言われるカルダモンは、高貴で爽やかな香りがします。チャイやカレーなどに、たびたび用いられているスパイスです。ここでは、シナモン代わりに使って「カルダモントースト」をつくってみましょう!
じつはカルダモンも薬膳で使われます。体内に滞る気血水を巡らせることで、ストレス発散や血行促進、消化促進などの作用が期待できるのです。
カルダモンの香り成分であるリモネンは、レモンなどの柑橘類に含まれています。爽やかな香りは、リラックスに働く副交感神経も、活動モードを支える交感神経も刺激します。朝、ぼやーっとやる気が出ない人にも、イライラしがちな人にもどちらにもおすすめできるスパイスなのです。朝食で心身ともにリセットできれば、きっと痩せ習慣に繋がっていきます。
いかがでしたか。砂糖は血糖値を急上昇させてしまうため、できるだけ使用量は減らしたいものです。市販のシナモンシュガー(あらかじめ、シナモンと砂糖がミックスされているもの)ではなく、シナモンと砂糖をそれぞれふりかけることで、甘味を自分好みの量に調整できます。砂糖を白砂糖ではなく、ミネラル分豊富なものなどに変えるのもおすすめです。
カルダモンもきな粉もスーパーで購入できるものですので、ぜひ、一度、お試しください。
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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