「いただきます」その前に!朝食前に絶対すべきこととその理由は【アスリート専属管理栄養士が提唱】
コロナ禍でもうくたくた…今こそ、頑張らない食トレを始めてみませんか? 私は幼い頃から朝ごはんが大好きでした。味噌汁をすすった時のホッとゆるむ感覚は誰もが経験したことがあるものではないでしょうか。トントンと野菜を切る音や、トーストが焼ける香ばしいにおい、元気色の彩りフルーツ…朝ごはんは1日の始まりを五感で感じられる幸せな食事です。「ゆるく豊かな朝時間 × ずるい栄養学」で始まる「キレイが目覚める朝ごはん」の連載です。
朝食前に、歯と舌を磨く!
腸活ダイエットにおいて、シンバイオティクス(発酵食品で菌をとりこみ、食物繊維で育てること)と同じように重要なのが、腸に悪い菌を取り込まないことです。では、具体的にどうすればいいのでしょうか?
腸には100兆個もの菌が存在していますが、じつは口にも1000億個以上の菌がいます。さらに加齢や服薬などが原因で唾液の分泌量が減ると自浄作用が落ちて菌が定着しやすくなると、口の中の菌数は増えます。口は、消化管の入口…つまり腸の入り口といっても過言ではありません。そのため、口の中をキレイにしておかないと、腸に悪い菌を届けることになってしまうのです。
特に朝起きたばかりの口の中は菌だらけです。これは寝ている間に、唾液の分泌量が減って口の中が乾燥するためです。そのまま朝食を食べてしまうと、口腔内にいるカンジダ菌、黄色ブドウ球菌、肺炎菌などの病原菌を食べ物とともに飲み込むことになってしまいます。
そこでおすすめしたいプチ習慣が「朝起きたら、なによりも先に歯と舌を磨く!」ことです。
もちろん朝食を食べない人や、朝起きてすぐに白湯を飲む人も同じです。唾液や白湯をごっくんと飲み込む前に歯と舌の菌を取り除きましょう。ハードルが高い方はうがいから始めてみましょう。
では、ここでもう一つ!
口の中をキレイに保ってくれる「唾液」の分泌を促してくれるプチ習慣もご紹介します。
「よく噛んで食べる!」なぜ大事?
歯と舌を磨いて、スッキリした口で朝食を食べると気持ちがいいですよね。
せっかくなので、朝食はいつもよりよく噛んでゆっくり食べましょう。よく噛むと唾液がたくさん出ます。唾液には様々な働きがありますが、ここでは3つの働きをお話しします。
① 自浄作用や殺菌作用
→加齢とともに低下する唾液分泌を促すのも口の中をキレイに保つポイントです!
② 食べ物の味成分を溶かして、味を感じやすくする作用
→つまり、食事がおいしくなります!
③ デンプンの消化作用
→消化酵素がデンプンを分解して、腸で吸収しやすい形にしてくれます。近年、唾液の消化酵素が口の中だけでなく、腸に入った後も働くことがわかっています!
このように、よく噛んで食べることはおいしさだけでなく、腸をととのえることにも繋がっていきます。
いかがでしたか? 今週は、朝食がおいしくなるだけでなく、しっかりダイエット効果も期待できるプチ習慣を2つご紹介しました。簡単にできることからぜひ取り入れてみてください。今日もいい1日になりますように!
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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