【体重管理が思い通りにいかない原因】「もっと努力したらもっと結果が出る」という“迷信”について

 【体重管理が思い通りにいかない原因】「もっと努力したらもっと結果が出る」という“迷信”について
mikiko
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2023-06-29

「毎日のように運動して健康的な食生活を心がけてるのに、努力の量と結果の量が見合わない」と感じることはありませんか?頑張り屋さんが続々と失敗するフィットネス・ダイエットの世界。「もっと努力したらもっと結果が出る」という“迷信”が仇になっている可能性があります。

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「言い訳」で片付けない

辛くても頑張る。
言い訳せずにとにかく頑張る。

こうして自分磨きのために奮起し、苦労を美徳とする考えはまだまだ根強く残っています。頑張り屋さんが得意なこの分野、健康やフィットネスに関して言えば、心と身体の『拷問』でしかありません。人間として生きている以上、必ず日々の生活や体調にアップダウンがあります。それを無視してゴール設定をしてしまうのがつまづきの始まり。「毎日運動する」「お菓子禁止」みたいな『1か100かの目標』を設定してしまうのです。

こういう目標は分かりやすい。けれど、現実的ではないのが問題です。日々の体調やスケジュールに合わせないルールが、あなたのストレスを増やす原因になってしまいます。本来なら、気持ちよく幸せな日々を過ごすためのライフスタイル。ストレスを感じたり制限やルールで固めるようなものになっていれば、元も子もありませんよね。

結果が出ないからと努力を増やして身体にムチを打つよりも、自分のストレスと向き合って対処することが優先なんです。

ストレスの影響

ストレスの影響力をよく示していれる例を紹介します。

痩せたいと毎週の運動をしている40代の母親。少しずつ体重が落ちてきたころ、年末休暇で2週間、仕事も運動も休み、旅行に出かけて好き放題食べて帰ってきました。「もうブヨブヨだよ〜」なんて言いながら体重を測ってみると、旅行前より3kg落ちていたのです。

人の身体は2週間で脂肪を3kgも燃やせるようにはできていないので、このほとんどは身体に溜まっていた水分、つまりむくみです。

ストレスが心臓発作の原因になるという話は聞いたことあるかもしれませんが、それ以外にも、血液の循環が悪くなる、血糖値が上がりやすくなる、筋肉が硬くなる、免疫が落ちる、水分の循環が悪化してむくむなど、臓器の働きによる影響は多岐に渡ります。

ストレスの内容と対処法

自分がどんなストレスを抱えているために大切なのは、自分の身の回りのストレス源』とその『対処法』を知ること。ストレスには大きく分けて2種類あります。

①身体的ストレス

身体のストレスの例は

  • 使いすぎ、休まなすぎ
  • メンテナンスが足りない
  • 栄養・睡眠・水分不足

使いすぎ、休まなすぎ

使いすぎは、例えば、スポーツ選手が怪我や疲労骨折してしまうパターン。オフィスで働く人は、座る時間が長いせいで同じ筋肉ばかり使われて肩や腰が痛くなったりします。

休まなすぎは、疲れていてもスケジュールを強行突破したり、休むことに罪悪感を感じてしまうこと。「1日休んだら取り戻すのに3日かかる」なんてことを言う人もいますが、科学的な根拠があるわけでもないので、努力の量や寝なかった自慢で美談を語ろうとしないこと。休んでください。

メンテナンスが足りない

マッサージ・ストレッチ・鍼・湯船・スパなどで回復を促す時間を取っていますか?

人の身体は、30歳あたりをピークに機能が落ち始めます。100歳まで生きるようになったのは人類史上初めてのことで、メンテナンスの時間を作ってあげないと必ずどこかで不調が出てきます。現在の最新科学技術を持ってしてでも、100年もオイルをささずに機能し続けるマシンなど存在しないように、100年生きる人間にも定期的なメンテナンスが必要なのです。

栄養・睡眠・水分不足

1日1000kcal以下にしようとしたり、普段から7-8時間の睡眠を取れていなかったり、普段から水を飲む習慣がなかったりすると、身体にとっては非常事態。水分を蓄えようとしてむくんだり、代謝を落として蓄えやすくなるようになり、臓器の働きにも悪影響が出ます。日々の生活で身体の健康の優先順位が下がってないか今一度確認してみましょう。

②精神的ストレス

精神的なストレスは、

  • 自分ではどうにもならないもの
  • 自分がコントロールできるもの

に分けられます。

自分ではどうにもならないものは、例えば、他人が放つ言葉や、世界経済や自然災害。状況を受け止めて対応を変えたり、その環境自体から抜け出すことでストレスマネジメントができます。

具体的には

・コロナ禍で「何もできない」と落胆する代わりに「この際英語を勉強して転職に役立てよう!」と考え方を転換する。

・日々の生活で肩身の狭い思いをしてるなら、外に出て自分らしくいられる環境に移る。(機能不全家族・ブラック企業・意地悪な人など)

自分にはどうにも出来ないものにエネルギーを使うよりも、コントロールできるものを変えていく方向に力を注いだ方がいいですもんね。

一方、自分がコントロールできるものは、日々のスケジュールや、物事の捉え方など。英語にはControl controllable. 「自分がコントール出来ることに集中しよう」というフレーズがあります。例えば、生活の中で優先順位の低いものは後に回したり、自分のストレスの原因になっているものは思い切って手放すようにする。「何をやっても続かない」ではなく「自分に合ったものがまだ見つかっていない」と考えて挑戦を続ける、といった行動や思考の方向転換をするのです。

努力の量に頼らない

頑張ってるのに結果につながってないのであれば、一旦止まってみてください。どれだけ頑張って前に進み続けても、西や東に走り回ったって北極点にはたどり着けません。努力の方向が大切。一旦立ち止まってコンパスを取り出して北を探すべきです。

そのためにも、ストレスマネジメントは要です。どれだけ科学的に証明されたエクササイズでも、ストレス漬けの身体を結果に導くことはできませんからね。疲れていても、嫌いでも、忙しくても、嫌々やってでも、「言い訳だ」と強行突破してきた頑張り屋さんは、努力の方向性について考え直してみてはどうでしょうか?

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パーソナルトレーナー|自身の失敗経験を元に個人差や体質を重視した『mikiko式フィットネス論』を提唱|身体と人生観が変わるフィットネス哲学で、一生ブレないための視野と学びを発信しています|流行を根拠と本質で斬る人| 筑波大学健康増進学修士|NZベストトレーナー入賞



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