歯周病を治すと糖尿病が改善する?糖尿病と歯周病の意外な関係について糖尿病専門医が解説

 歯周病を治すと糖尿病が改善する?糖尿病と歯周病の意外な関係について糖尿病専門医が解説
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糖尿病は尿検査で糖が多く出る、そんな認識の方もいるのではないでしょうか?けれど、放っておくと身体全体をボロボロにしてしまいます。今回は、自身も1型糖尿病歴30年という内科医・糖尿病専門医の市原由美江さんの著書『血糖値を自力で下げるやり方大全』(フォレスト出版)より、糖尿病の基礎知識と意外なアプローチをご紹介します。

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糖尿病になるとどうなるの?

糖尿病になると、血中の糖が多すぎる高血糖の状態になります。その糖によって血管が傷つき、ボロボロの状態になってしまいます。血管がダメージを受けると、その先にある臓器や眼、皮膚の組織に栄養など必要な成分が届かなくなります。まずは細い血管が集中する眼や腎臓、神経に影響が出てきます。さらに進むと、その影響は太い動脈にも及び動脈硬化が進行します。その結果、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患、心筋梗塞や狭心症などの虚血性、心疾患のリスクが高まってしまいます。

糖尿病を改善、予防するには

糖尿病において血糖値をコントロールすることが何よりも大切です。

糖尿病になると膵臓が上手くインスリンを扱えず、血糖値を抑えることが難しくなります。インスリンの効きが悪いので、高血糖の状態になるとなかなか数値が下がりません。そのために血糖値の上昇を防がないといけないのです。

血糖値コントロールのために出来ることは沢山あります。よく「野菜からご飯を食べ、白米は最後に食べましょう」なんてことも言われますが、それも有効な対策の一つ。他にも食後の運動の有効ですが、今回は口腔内の意外なアプローチ方法をご紹介します。

歯周病
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歯周病を治すと意外な効果がある

糖尿病で高血糖の状態が続くと、歯茎の毛細血管がもろくなり、歯周病を悪化させます。その反対に「歯周病になると糖尿病にかかりやすい」という説もあります。そのメカニズムは、歯周病が進行すると、歯周病菌や炎症を起こす物質が全身の血液中をめぐり、インスリンの作用を十分に発揮できない状態にしてしまうから。このように、歯周病と糖尿病は実は密接に関わり合っています。

実際に血糖コントロールがうまくいっていない糖尿病患者さんのグループに積極的な歯周病治療を行うと、効果を認められるほどヘモグロビンA1c※が下がったという複数の報告がされているのです(※ヘモグロビンA1cは過去1〜2ヶ月の血糖値の平均を反映したもの)。一見あまり関係のないように思われる歯周病と糖尿病ですが、お互いに影響を与えあっているのです。近年、歯周病菌は糖尿病をはじめ様々な病気を引き起こすことが解明されつつあります。糖尿病治療中の方はぜひ歯科にも通うようにしてみましょう。

血糖値
『血糖値を自力で下げるやり方大全』市原由美江・著(フォレスト出版)

『血糖値を自力で下げるやり方大全』著者/市原由美江(いちはら・ゆみえ)
医師(内科・糖尿病専門医)・医学博士。1982年生まれ。自身が11歳の時に1型糖尿病(年間10万人に約2人が発症)を発症したことをきっかけに糖尿病専門医になる。病気のことを周囲に理解してもらえず苦しんだ子ども時代の経験から、1型糖尿病の正しい理解の普及・啓発のため患者会や企業での講演活動を行っている。2009年山口大学医学部医学科卒。独立行政法人国立病院機構関門医療センターにて初期研修を経て、2011年東京女子医科大学糖尿病センター糖尿病代謝内科勤務、2016年横浜鶴ヶ峰病院付属予防医療クリニック入所、2018年同クリニック副院長に就任。医師と患者の両方の立場から、患者様の気持ちに寄り添い、「病気を個性として前向きに付き合ってほしい」との思いで日々診療している。

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構成/桑澤仁美

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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