「やることではなく在り方を考えるようになった」ナン・パーカーさんのお話 #OVER70の人生哲学

ナン・パーカーさん

「やることではなく在り方を考えるようになった」ナン・パーカーさんのお話 #OVER70の人生哲学

松尾奈美
松尾奈美
2022-10-20

ニュージーランド在住のウェルビーイングコンサルタント松尾奈美さんが、シニア女性たちにお話しを伺うインタビュー連載「#OVER70の人生哲学」。決して特別じゃない、"普通のおばあちゃん"である彼女たちの人生はパワフルかつ自然体。そんな「人生の先輩たち」が教えてくれることとは。

「年齢を重ねるのは素敵なこと」ーーそう信じたくても、数年前の私は、素直にそう考えることができませんでした。なぜなら、自分の心を置き去りにして生活していたから。けれど、ニュージーランドに3年近く住み、地元に住む多くの60〜70歳代の女性と関わる中で、彼女たちの生き方を側で聴いたり目にするうちに、私の中にあった“年齢に縛られる“考えが大きく揺らいで変化したことに気づきました。年齢に縛られるのをやめて自由になってみたら、年齢を重ねるほど、人生は充実するということが実感できるようになったのです。

私が出会った女性たちの多くは、普通の近所のおばあちゃん達。けれども、歳だから何かを諦めるとか、老いや年齢を重ねることをそこまでネガティブにとらえず、いつも自由で寛容で、完璧である必要がないと思わせるその姿勢や行動から、元気とパワーを与えられ、前に進む勇気を得ることができました。そんな私が出会った女性達のメッセージが、日本の女性たちがこれから自分の人生をどう生きるかを考える際の支えや励みになればと思い、インタビューをさせてもらうことにしました。

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今回、お話を伺ったのは、ケリケリ在住のフルート演奏とガーデニングが趣味のアーティスト、Nan Parker(ナン・パーカー)さんです。彼女は、幼少期から異文化や多文化に惹かれていました。今でも記憶にあるのが5歳の少女だった頃、放課後に3人の友達を連れて一緒に遊ぶために家に帰ったそうですが、3人の少女達は、それぞれインド、中国、ポリネシア諸国出身で、その多様性に当時同居していた祖母が目を丸くして驚いてたそうです。

彼女は、12年前の60歳の時に、美術の専門講師としての仕事の機会を得て、海を渡って蘇州シンガポールインターナショナルスクールで4年働きました。その後、マレーシアのクアラルンプールのIGBインターナショナルスクールで同様に2年働いた経験があります。彼女の生き方は、まさに何歳からでも夢と憧れを実現できることを物語っています。

普段の彼女の生活は、質素で素朴です。庭で採れた果物や野菜使って、シンプルに料理するのが気に入っているそうです。

ナン・パーカー
ニュージーランド在住のナン・パーカーさん

60歳で転職、移住を経験。"成功"の捉え方が変わった今が一番、幸せ

ーー自分の中に、一番力強さを感じるのはどんな時ですか?

ナンさん:私は、今この瞬間を生きている時に、最も力強さを感じます。言い換えれば、私は作品を通じて、世界に意識の光をもたらすことを目指しているのです。絵を描くという行為は、それ自身の本質や状態を作り出します。完璧であることや、正解を導き出す必要もありません。大切なのは、自分の中にある“今の答え“を追求して、楽しむことだと思っています。

ーーあなたにとっての成功や幸福は、年齢を重ねると共にどのように変化してきましたか?

ナンさん:若い頃の私は、生きるためにお金を稼ぐ必要があり、そのためにエネルギーの最後の一滴まで搾り取るような仕事のやり方をしていました。けれども、有名になるために努力する必要もなければ、“私は成功した!“と言う必要もありません。今は、人生を現実的な“やること“の視点から見るのではなく、自分がどう感じるのかという“在り方“に重きを置くようになりました。自分の夢中になれるガーデニングや音楽、絵を描いたり創造的なことをしている時に、細やかな成功や幸せを感じます。

ナン・パーカー

ーー「年齢を重ねること」に対するネガティブな誤解がまだまだあるように思います。その誤解を解くために、あなたはどう考えていますか?

ナンさん:年齢は、単なる数字に過ぎません。私は、生き生きとした若い心を失うことはありません。私の芸術に対する情熱と音楽を作る楽しみは、私のコミュニティの他の人々にも、ポジティブな影響をもたらしています。ありのままの自分を受け入れることで、私は自分に自信を持つことができるようになりました。毎日を自分らしく過ごせることに、心地よさを感じています。誰もが、きっと自分の経験を通して人生の経験を誰かに伝えることができます。そのためには、年齢を重ねても冒険をするために、立ち止まることをやめずに自分の中にある“今の答え“を探求しながら、いつでもスタート地点に立って、新しいことにチャレンジして自分の世界を拡げることが大切なのかもしれません。尊敬の念を持って、前向きに年齢を重ねることができれば、私たちの人生はもっと楽に、もっと明るくなるのではないでしょうか。

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松尾奈美

松尾奈美

ウェルビーイングコンサルタント。ニュージーランド在住。Hale Puleマイラ・リューインのもと、アーユルヴェーダとヨガの指導に携わり10年。アーユルヴェーダとヨガを通して、「女性の幸福度を高める」ための鍵となるWell-beingの4つの柱:食生活、ライフスタイル、睡眠とホルモン、エネルギーワークに基づくコンサルタント、情報を発信。

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