【肉を食べないと認知症のリスクが上がる?】管理栄養士に学ぶ、60歳からの食事内容と食べ方のコツ

 【肉を食べないと認知症のリスクが上がる?】管理栄養士に学ぶ、60歳からの食事内容と食べ方のコツ
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60歳を過ぎても元気な人の秘訣って何でしょうか? 美容や運動など、自分を若々しく保つ方法を知りたいですよね。まずは食事に意識を向けてみてはいかがでしょう。今回は、『ずっと元気でいたければ 60歳から食事を変えなさい』(森由香子 著、青春出版社)から、からだの変化に合わせた食事についてヒントをいただきました。60歳を超えたら粗食にしなきゃ、と思っていた人は目からウロコかもしれませんよ。

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お肉を食べないと認知症のリスクが上がる!

健康診断の結果から認知症になる可能性を予測するには、「アルブミン値」に注目してみてください。アルブミンは、血液中で二番目に多いたんぱく質で、肝臓で合成される成分です。管理栄養士で『ずっと元気でいたければ 60歳から食事を変えなさい』の著者である森由香子さんによると、血液中のアルブミン値が低い人は、認知機能の低下を引き起こすリスクが高いそう。アルブミンの基準値は4.1~5.1g/dLで、この基準値より低いと認知症のリスクが上がってしまいます。

では、アルブミン値はどのような食生活で改善できるのでしょうか? アルブミンは、肉・魚などの良質なたんぱく質をもとにわれわれのからだの中で作られます。加齢とともにたんぱく質の分解・吸収力が衰えるため、意識してたんぱく質をとる必要があります。

60歳を機に食生活を意識して粗食にシフトしようとする人も多いはず。しかし、認知症予防の近道は、実はもっと積極的に肉を食べることと本書では示されています。年齢が上がると、お肉が苦手になる人もいますが、そんな方は赤身の部分など脂身の少ないところを選んでみてはいかがでしょうか。

これまで意識していなかったアルブミン値。一度、健康診断の結果を見直してみると新たな発見があるかもしれません。

早食いは認知症のリスクを上げる!

お肉を食べないことがアルブミン値を下げ、認知症のリスクを高めることがわかりました。本書ではもう一つ、認知症のリスクを上げてしまう食事方法について書かれています。それは、「早食い」。年齢が上がってくると歯や歯ぐきの健康状態が悪化し、ついよく噛まずに食べたり、やわらかい食事を選んだりしてしまいます。

森さんによると、噛むという行為で脳の感覚・運動・記憶・思考・意欲を司っている部分が刺激されるそう。そのため、よく噛まないと脳の活性化が抑えられ、認知症のリスクが上がることにつながります。

咀嚼回数の目安はひと口30回。噛む回数を多くするためにも噛みごたえのある食材を積極的に食事にとりいれましょう。大きめのお肉や、こんにゃく、ごぼう、れんこん、フランスパンなど、煮るよりも焼いたり炒めたりして噛みごたえを残す工夫を。本書では、特に、大きく切ったお肉を食べる習慣が認知症予防に良いと示しています。60歳からは、からだの変化に合わせて「良質なたんぱく質」と「よく噛む」ことで認知症のリスクを抑えましょう!

食事方法で毎日の健康をキープするには

誰もが認知症になる可能性のあるなかで、リスクが予測でき予防できるとしたらどうでしょうか。森さんの書籍『ずっと元気でいたければ 60歳から食事を変えなさい』(森由香子 著、青春出版社)では、脳の健康を守って認知症のリスクを減らす食べ方など、今日から実践できる食事方法が書かれています。健康的な食事方法を学んで、毎日の元気に役立ててくださいね。

食事を変えなさい
『ずっと元気でいたければ 60歳から食事を変えなさい』(森由香子 著、青春出版社)

教えてくれたのは…森由香子さん
管理栄養士。日本抗加齢医学会指導士。
東京農業大学農学部栄養学科卒業。大妻女子大学大学院(人間文化研究科 人間生活科学専攻)修士課程修了。2005年より、東京・千代田区のクリニックにて、入院・外来患者の血液検査値の改善にともなう栄養指導、食事記録の栄養分析、ダイエット指導などに従事している。また、フランス料理の三國清三シェフとともに、病院食や院内レストラン「ミクニマンスール」のメニュー開発、料理本の制作などを行う。抗加齢指導士の立場からは、〈食事からのアンチエイジング〉を提唱している。

参考文献:社会参加と地域保健研究チーム 谷口優.食生活に要注意 -高齢者の低栄養はキケンー地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター研究所.(2022年9月2日閲覧)

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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