夏を乗り切る、干しごぼうと夏野菜のノンオイルドライカレー|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 夏を乗り切る、干しごぼうと夏野菜のノンオイルドライカレー|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2022-08-20

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

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みなさん、おはようございます。夏の盛りを過ぎ、二十四節気は処暑を迎えようとしています。昼間はまだ暑く、威勢のよい蝉たちもここぞとばかり命を炸裂させていますが、朝夕に吹く風はどことなく涼しくて秋の匂いを感じ始める頃。暑さと涼しさの落差から、ちょっとした隙に風邪を引きやすくなるのでケアが必要な時期でもあります。多少汗ばんでも靴下を履いて足首を冷やさないとか、夕方の海や川のそば、電車や建物の中に行く時は一枚羽織ものを用意するなどして、できる範囲で体温調節を丁寧に行います。気温から人体が受ける影響はとても大きく、思っているより繊細な私たちの体は揺らぎやすいもの。やがて来る秋本番、そして長い冬へ向けて今からしっかり冷えない体づくりを意識していくと、寒い時期のコンディションが心地良いものに変わっていきます。

さて、今日取り上げる食材は「ごぼう」。この暑い時期に中々手にとって食べようという人も少なそうな根の野菜の野菜のひとつですが…地中にしっかり根を張る野菜は、体を芯から温め冷えにくい体を作るのにうってつけなんです。中でもごぼうといえば、その食物繊維の多さが顕著です。便秘を解消したり、腸の環境をととのえてくれます。水溶性、不溶性ともに豊富なのが嬉しいところ。またミネラルも多く、カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄などをバランスよく含みます。

ごぼうは「皮を剥かない」「アク抜きをしない」

ごぼうを調理するときに心がけたいことが二つ。ひとつは、皮を剥かないこと。根菜類の皮には私たちの皮膚を潤す成分のほか、栄養素が沢山含まれています。また独特の香りや旨味がつまっているのも皮なので、なくしてしまうのはもったいないのです。できるだけ無農薬のものを選ぶと安心ですね。ふたつめは、アク抜きをしない、もしくは出来上がりの見た目の色味などの関係でどうしてもしたい場合はしすぎないこと。そもそもアクは野菜の持つ個性なので必要ない、とする人もいます。私もどちらかといえばそうで、なぜアク抜きをするのか?と自然と習慣化していたことを問い直してみたところ、あまり必要性を感じませんでした。ごぼうのアクはポリフェノールの一種といわれ、これには抗酸化作用があります。体の老化を防ぐ大事な作用ですので、アク抜きをしてしまってはたいへんもったいないのです。またアク抜きをしすぎると風味も損なわれてしまうので、5〜10分程度のほどほどにするか、しなくても良いと考えます。

干しごぼうと夏野菜のノンオイルカレー

そんなごぼうを使ったおすすめの一品、干しごぼうと夏野菜のノンオイルドライカレーを作ります。干したごぼうがなければそのままのものでOKですが、干すことで旨味がぎゅっと凝縮されるので、せっかくの夏の元気な太陽が出ているうちに時間がある時にぜひやってみてください。セミドライでもいいですね。ごぼうの豊かな風味は、さっぱりとした夏野菜との相性もよいのです。香りや旨味を残すために皮は剥かずに、食べやすいサイズに刻みます。ミニトマト、なす、オクラなど旬の夏野菜も同様に。良い出汁がでるので椎茸(きのこ類)も入れていきます。今日はオイルを使いませんので、刻んだ野菜とごぼうをフライパンやお鍋に入れたら少量のだし汁(もしくはお水)を張り、ウォーターソテーしていきます。具材が馴染んだら、塩、お好みのカレースパイス、醤油を適量入れ水分がなくなるまでさらに馴染ませます。これで、できあがり。野菜の風味がそのまま生きたシンプルな味は、ライスやハード系のパンともよく合います。ごぼうのシャクシャクした歯応えとトロトロ夏野菜のハーモニーが薫る夏のカレー。ぜひ、お楽しみください。

干しごぼうと夏野菜のノンオイルドライカレー
photo by Megumi Sekine

 

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関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



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