夏野菜、上手に食べていますか?|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
夏のおやつは夏野菜!
みなさん、こんにちは。もうすぐ七月も終わりますね。八月に入るとまもなく立秋がやってきて、暦の上では秋が始まります。毎年そうなのですが、真夏だと思っていたらふいに秋らしい風が吹いてきて、「おや?」と少しおどろくんですよね。移ろう季節の中を生きているというのはいつも不思議です。
さて、今日のトピックは「夏野菜」。きゅうり、ゴーヤ、ズッキーニなどウリ科の野菜や、トマト、ナス、ピーマン、モロヘイヤ、つるむらさき、オクラ、枝豆、とうもろこしなどなど…書き連ねてみるだけで太陽をいっぱい浴びたカラフルな色が浮かんできて元気をもらえます。
冬にはぜんぜん食べたいと思わないのに、暑い夏が始まるととたんに食べたい!と体が欲するのが夏野菜。これもまたふしぎと自然の摂理ですね。ほとんどがスーパーマーケットに行けば年中並んでいる野菜なのであまり意識しにくいのですが、野菜にはちゃんと旬があります。
夏の野菜はみずみずしくて生でも美味しいだけでなく、暑い夏に体にこもりがちな熱を外へ逃がしてくれる役割があるのが重要なところ。よく夏野菜は夏バテ防止に効くよ~なんて言うのはこのためです。まるごと一本のきゅうりをボリボリ食べたり、トマトを何もつけずにガブっとかじってみたり。
ああ、やっぱり想像するだけで心が躍りますね!私は「夏のおやつは夏野菜!」という感じで手軽にいただいています。夏は甘ったるいものをあまり欲しないという方も多いと思いますが、夏野菜には自然そのものの甘さや味わい深さがあり、おまけにとびっきりジューシーなので、夏のおやつにちょうど良いんですよね。しかも体の熱をうまく外へ逃がして体温の調節をしてくれるので、一石二鳥のおやつなんです。
さて、味付けしないでものを食べるということがほとんどない私たちですが、フレッシュな生が美味しい夏野菜はそのままをぜひ味わってほしいところ。きゅうりならお味噌をちょこっとつけたり、トマトにかるくお好みの塩をふったりして食べるのもオススメです。
お味噌や塩で「軽めの味付け」が効果的なわけは、夏野菜が体をクールダウンさせてくれる「陰性」エネルギーの食材なのに対し、お味噌や塩は体を温めてくれる「陽性」エネルギーの食材だからです。陰性と陽性のものをかけ合わせて食べることで食べものの陰陽エネルギーの調和が取れ、私たちの体にとって優しい食べ方となります。いくら暑い夏とはいっても張り切って夏野菜ばかり食べ過ぎていると、今度は気づかないうちに体が陰性に傾いてしまう=冷えてしまいます。体の声に耳を傾けて、陰陽のバランスを意識した食べ方をつねに心がけてみてくださいね。
ゴーヤやピーマンなど独特の苦味が特徴の夏野菜は火を通せば苦味が和らぎますが、苦みが好きな方は生でもいけちゃいます。私は生ピーマンのサラダにが好きで、夏はたねごとまるごといただいています。シャキシャキの食感と今だから感じられるほんのりとした苦みが絶妙で、梅和えや胡麻和えにするとお箸が進みますよ。
体の温度調節は、自然の力を借りることでとても楽になります。みなさんも夏の野菜を上手に取り入れて、暑い夏も気力あふれる毎日にしていきましょう。
AUTHOR
関根愛
俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。
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