スイングに欠かせない「後屈の可動性」がアップするヨガ&トレーニング【連載・ゴルフが上達するヨガ】
渋野日向子さん専属トレーナーである斎藤大介さんに、ヨガやゴルフを上達する上で欠かせない「体の動き」について解説していただく連載。今回は「後屈」の理論編の続きです。「後屈の可動性」のエクササイズについて説明していきます。「後屈の安定性」と合わせて取り組んでみてください。
関節には2つの役割があります。1つは動きを作る関節です。これを可動性関節(モビリティジョイント)と言います。もう1つは安定させるための関節です。これを安定性関節(スタビリティジョイント)と言います。
ゴルフスイングはそれぞれの関節が役割分担しながらゴルフクラブを振る複雑な動作です。その動作の再現性を高めるためには「可動性」と「安定性」を両方とも鍛える必要があります。ここでは「後屈の可動性」を鍛えるエクササイズをいくつかご紹介します。
【チェック】胸を開いて腰と背中を反らせるポーズで「後屈の可動性」を確認しよう
コブラのポーズは「後屈の可動性」をチェックするのに最適。腰だけで体を反らせるのではなく、胸を開いて背中を反らせるのがポイントです。
ベイビーコブラ
肘を床について90度の角度をキープし、腰と背中を反らせることができるかどうかで後屈の可動性をチェックすることができる。女性は腰椎だけで反りすぎる人が多いので注意。胸を開いて背中を反らせるイメージ。そうすると背中の筋肉が締まる感覚が出る。
このポーズを取ってリラックスするだけでも十分だが、あえて背中に力を入れて刺激を加えると、さらに効果的。
後屈の可動性を高める4つのメソッド
チェックポーズで後屈の可動性についてチェックをしたら、今度は後屈の可動性を高めるメソッドにトライ!
アップドッグ
こちらも腰だけで反らずに、肩甲骨をしっかり寄せて肩を下げた状態で胸を開き、背中を反らせる。その上で目線を天井に向け、股関節の前側と首までしっかり伸ばしてあげる。
通常のアップドッグであれば骨盤を浮かせるが、骨盤を床につけたほうがラクなので、初心者はそのやり方でもOK。自分の体の状態に応じて難易度を調整する。
バランスボールブリッジ
バランスボールに背中を当て、両手と両足を床についてブリッジする。自力でも軽く反っている状態になるので難易度は高いが、胸が開いていろいろなところが伸びる。ボールを当てる位置を変えることによって伸びる場所が変わる。
ブリッジするのが難しい人は、てのひらを床につけるのではなく、脱力した状態で下に伸ばすだけでもOK。深呼吸しながら1分くらい継続すると、胸がしっかり開く。
手を床につけるのも難しい人は、バンザイするだけでもOK。そうすると手のラインが耳を越えない状態になるが、体が硬い人は無理をする必要はないので問題なし。とにかく手を脱力するのがポイント。
ボール位置を少しずつ変えることで、肩や背中を伸ばすことができる。ただし、ボール位置を下げすぎると腰を反ってしまうので、胸の開きを感じる範囲で調整する。
Cストレッチ
Cストレッチと言われるストレッチは、ヨガでいうところの三日月のポーズ(アンジャネアーサナ)と半分の猿王のポーズ(ハーフスプリット)を交互に5回ずつ繰り返す動き。1回1呼吸くらいのペースで行なう。
右足を前に出して行なうと左足の股関節の前側が伸びる状態になり、右ひざを伸ばすと右のももの裏側のストレッチになる。筋肉の緊張と弛緩が繰り返される。
体が硬い人は三日月のポーズがCの形にならず、Lに近い形になってしまうが、それは仕方がない。そのポーズで構わないのでとにかく股関節を前に出し、股関節のつけ根を前側に伸ばしてあげる。脇が硬いと手が後ろに行かないが、何とか耳のラインまで、できれば耳の少し後ろまで行くのを目標にすると、次第に胸が開いてくる。
半分の猿王のポーズも、ひざが伸びない人は無理に伸ばさなくてOK。ひざを少し曲げてあげると難易度が下がる。
前方リーチストレッチ
バランスボールの上に両腕を乗せ、てのひらを上に向ける。脇が硬い人向けのストレッチで、広背筋に刺激が入って脇が伸びる。手の位置をできるだけ遠くにすると背中が下がり、脇と肩がさらに伸びる。
ただし、脇があまりにも硬くてキツイと感じる人は、肘に近い位置をバランスボールの上に乗せてあげると体への負担が軽くなる。この状態からスタートし、手の位置を少しずつ遠ざけていくと脇の柔軟性が高まってくる。
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