健康診断で「関節リウマチかも」と言われたら?放置したらどうなる?リウマチの疑問を専門医に聞いた
疑問その③関節リウマチと誤解されやすい痛みとは?
手の指のこわばりや痛みがあるからといって、すべてが関節リウマチではないことはわかります。しかし、別の病気との違いは私たちでは判断できません。そこで湯川先生に関節リウマチと誤解されやすい病気について伺いました。
「そうですね、関節が痛いからといってすべてが関節リウマチではありません。たとえば、関節リウマチは手の指の第2関節に痛みを伴いますが、第1関節に痛みがある場合は、『へバーデン結節』という指が変形し曲がってしまう病気が考えられます。また、女性の場合は更年期症状のひとつに関節の痛みやこわばりが症状として出る方もいます。この場合は関節リウマチとは違い、破壊や変形することもありません。このあたりの違いは自己判断できないので病院で判別してもらいましょう」(湯川先生)
疑問その④関節リウマチを予防するためには?
関節リウマチの症状があるにも関わらず、治療をしないと思いのほか早い期間で進行し、関節が破壊され、日常生活における動作や能力に支障をきたすことがわかりました。そして、放置すると危険な状態になるということも理解できました。
次に関節リウマチを予防できるならば予防したいという方も多いはず。そこで湯川先生に関節リウマチの予防法について伺いました。
「関節リウマチは、遺伝的素因と環境因子が複雑に絡み合った病ということはわかっていますが、いまだに原因ははっきりしていません。原因が『これだ』と明確になっていないためにはっきりとした予防法は、存在しません。しかし、予防法が確立していないからといって過度に心配する必要もありません。『発症したらどうしよう』と案ずるのではなく、普段から規則正しい生活を送ることがもっとも大事なことです」(湯川先生)
湯川流健康法
- バランスの良い食事を3食きちんと摂る
- 適度な運動
- 良質な睡眠を心がける
- 思い悩まない
- ストレスが発散できるときは発散する
私たちは普段から、規則正しい生活を送りたいとは思ってはいるものの、なかなか意識がそこへ向かず、つい暴飲暴食、睡眠不足、ストレス生活を送りがちです。
今回の湯川先生が提案してくださった健康法を常に頭に置いて、関節リウマチだけではなく、病を寄せ付けない体作りをしたいですね。
お話を伺ったのは…湯川宗之助先生
湯川リウマチ内科クリニック院長。研修医時代にリウマチにより手が変形した20代女性の姿を見たのがきっかけとなり、リウマチ・膠原病の専門医を志す。東京医科大学病院第三内科(リウマチ・膠原病科)、産業医科大学医学部第一内科学講座を経て、2015年に湯川リウマチ内科クリニック院長に就任。親子2代で50年以上にわたりリウマチの研究を続けており、この5年間ではのべ10万人超の患者さんと接し、患者数や症例数は日本一を誇る。
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ヨガジャーナルオンライン編集部
ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。
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