おうちで簡単!冬は太陽パワーのつまった干し野菜を活用しよう|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん

 おうちで簡単!冬は太陽パワーのつまった干し野菜を活用しよう|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
Megumi Sekine
関根愛 
関根愛
2021-11-13

SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。

広告

みなさん、おはようございます。立冬を迎え、暦の上では冬となりました。まださほど寒さは厳しくはありませんが、暖かくして過ごしていますか?「今年は暖冬だな〜」なんて思っているうちに体はうっかり冷えていたりするので、ふだんから一枚多く着るなどして気をつけていきたいものです。足首や手首、そして首など体の中の「首」のつく部分を重点的に暖かくするだけでも体感温度が変わってきますね。

さてハロウィンがあっというまに終わり、クリスマスの音楽がちらほら聴こえはじめました。今日はおうちで簡単にできる「干し野菜」の魅力をお話したいと思います。干し野菜というと、何を思い浮かべるでしょう。干し椎茸あたりが主かもしれません。干し椎茸で丁寧にとった出汁の香り、味、どちらも本当に美味しいこと。体の奥深くまでゆっくり滲み入るやさしさがありますよ。

干し野菜にすると美味しいのは、椎茸だけではありません。今日は私が自宅でよくやるオススメの干し野菜をご紹介。椎茸もそうですが、まず秋の味覚の代表格きのこ類。これが干すことで抜群に美味しくなるんです。この時期は沢山食べたくなりますね。エリンギ、しめじ、まいたけなどを私はよく干しますが、干すと十倍は美味しくなるんです!お日様の力できのこ本来の旨味がぎゅっと凝縮されるため、驚くほど深い味が出ますし、食感も微妙に変化してコリコリとした歯応えが楽しくなります。干しきのこと自然塩でコトコト煮て作るスープは絶品。他に何も足さずとも野生の味わいが生きていて全身が喜びます。まさに旬の滋養の味。

それから白菜。そのままだと割と淡白な野菜ですが、こちらも干すことで意外にぐっと旨味が出ます。この時期は温かいお鍋やみそ汁の具材として白菜を重宝しますが、太陽を浴びた白菜は「あれ、別の野菜かな?」と感じることも。大きな白菜をまるごと買った時はぜひ試してみてほしいです。

干し野菜
photo by Megumi Sekine

手に入れば是非トライしたいのが、大根の葉っぱ。この連載では以前にも大根の干葉について詳しく書きました。大根葉は生だと割と青くささがあり、苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、干すと味はやや変化するように思います。生のまま炒めてごはんにふりかけても滋養たっぷりで最高のおかずなのですが、干した大根葉で作るともっと、ずっと美味しい。体の奥に届く、これだ!という懐かしさ、ほっとさせてくれる大きな力があります。

さらに常備食材として何かと役立つのが、干し生姜と長ネギ。生姜を好みの大きさに薄くスライスしてお日様にあてます。天気の良い日であれば半日も経たないくらいでカラカラに乾くはず。あとは保存瓶に入れて保存です。スープや炒め物などお料理のアクセントに入れるのもよし、お好きなお茶を淹れる時にひとつまみ入れるのもまたよし。干さずとも元々食べれば体がじんわり温まる生姜。そこへポカポカの太陽エネルギーが加わるので、さらに温める力が増してくれます。また干した長ネギですが、これがまた体によく効く。風邪を引いたときに焼きネギを布にくるんだものをのど元に巻いたりしますが、やっぱりネギにはぐらついてしまった体を整えてくれる力が宿っていると思います。お味噌汁に入れても深い味が出て体に染み渡ります。

干し野菜
photo by Megumi Sekine

コツというほどのものはありませんが、まず干したい野菜を洗ったらちゃんと水気をきること。そして天気の良い日に風通しの良い場所に干してくださいね。庭でもベランダでも、日当たりのよい隅を見つけて置いておけばOK。干し時間はお好みですが、長期保存ができるようにカラカラに乾かすのがおすすめ。風通しや天気の微細によってやや変わりますが、おおよそ二、三日も干せばカラカラになります。そうしておけば、たとえば冷蔵庫に野菜がない時なんか、いつでも使いたいときにサッと使えるのが良いんです。少しの量でもぐっと味を深くしてくれるから大助かり。もし少しだけ水分を残す程度にしんなり干す場合は、できるだけ早めに使い切ってくださいね。

お買い物へ行って元気な良いお野菜に出会えたら、干し野菜用にまとめて買うのもよし。また野菜を余してしまいそうなときは捨てずに干してみるのもよし。野菜の旨味がぎゅっと凝縮された味を楽しめるのが、干し野菜の醍醐味です。ぜひご自身のタイミングで試してみてくださいね。

広告

AUTHOR

関根愛 

関根愛

俳優を始めた十数年前よりアトピーなどさまざまな心身の不調を感じてきたことで、薬に頼るのをやめて自分の体の声を聴きながら養生していくために自然食を始める。「じぶんらしく生きるための食養生」をテーマにInstagramやnote、Youtubeで日々発信をつづける。マクロビオティックマイスター。映画制作者、ライター、翻訳者としても活動。座右の銘は「山動く」。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

干し野菜
干し野菜