【寒暖の差が激しい季節は自律神経が乱れがち】食事で自律神経をケア!焼き鮭と根菜の粕汁
体の栄養だけでなく、心にも栄養を。心で味わいほっと自分に還ってこられるようなスープのレシピを、管理栄養士の高波紗希さんに連載形式で教わります。
秋を迎えたはずがすっかり冷え込み、特に夜なんかはコートなしでは凍える寒さになってきましたね。
このような気温の変化が激しい時期には自律神経が乱れがち。
気持ちの波が激しくなったり、肌トラブルなどで悩まれている方も多いのではないでしょうか?
今回はそんなあなたにぴったりの、心と身体を整えてくれるスープをご紹介いたします。
自律神経を整えるためには「腸」
近年話題となっている腸活。
ただ痩せやすい体質になったり免疫力を上げるだけではなく、「腸脳相関」といって腸と脳は互いに影響を与えあっています。
自律神経には、リラックス時に働く副交感神経と、興奮した際に働く交感神経があります。
例えば、ストレスにより交感神経が優位になると、腸の働きも低下してしまいお腹を下してしまったり便秘の原因になります。
更には腸の働きが低下することで、不安を感じやすくなったりイライラしやすくなるなど悪循環に。
また、自律神経のバランスを整える働きがある“幸せホルモン”とも呼ばれる脳内伝達物質のセロトニンは、腸から9割分泌されているため、腸を整えることで美容や健康の他、メンタルケアにも期待ができるのです。
今回のスープは、発酵食品である酒粕に食物繊維たっぷりの野菜、セロトニンの材料となるトリプトファンたっぷりの鮭!といった腸を整える食材がたっぷり含まれています!是非、リラックスして副交感神経を優位にしながら召し上がられることを意識されてみてくださいね。
酒粕はペースト状にしておくと便利
酒粕には「レジスタントプロテイン」という、食物繊維と似た作用をしてくれる成分が含まれ、便秘の改善やダイエット効果が期待できます。また、保湿や美白、シミ予防といった美肌効果も注目されています。
ただ、酒粕を料理に使うとなると固まっていて溶けにくく、扱いにくいイメージをもたれている方も多いと思います。
そんなときに是非試していただきたいのが「酒粕ペースト」です。
作り方はとても簡単で、酒粕と同量の水とともに鍋に入れて弱火で溶かしてペースト状にするだけ。
一度こちらを作ってしまえば魚やお肉を漬けるだけでうまみが増し、お肉はしっとりやわらかく、お魚の臭みも抑えてくれます。
今回の粕汁のように普段のお味噌汁や、味付けのソースの隠し味などに入れてもコクがでておすすめです!冷蔵庫で一ヶ月保存できますよ。
油揚げは油抜きが大切
油揚げを油抜きする理由は、味を染み込みやすくするためと言われていますが、それだけでなく揚げて時間が経つことで酸化が進んだ油を流してくれる効果もあります。酸化した油は、腸内環境を乱すだけでなく老化や肥満の原因にもなりますので、しっかり油抜きをすることがおすすめです!写真のようにザルの上に油揚げを置き上から両面熱湯をかける方法や、煮出すことでよりしっかり抜くころができます。
今回はそんな冷えた心身をほっこりあたため、腸を整えてくれるスープをご紹介いたします。
焼き鮭と根菜の粕汁
材料(2人分)
・酒粕...50g (ペーストにする場合は、溶かす用の水50ml)
・塩鮭(甘口)...一切れ
・大根...80g
・ごぼう...1/4本
・油揚げ...1/2枚
・長ねぎ...1/4本
・水...400ml
・昆布...5cm
・味噌...大さじ3 ※白味噌がある場合は大さじ1を白味噌に
作り方
- 昆布は水につけて、15分以上置いておく(前日からつけて冷蔵庫に入れておいても)。酒粕は同量の水で弱火にかけてペースト状にする。油揚げは油抜きをする。鮭は焼いて2等分に切る。
- 大根はいちょう切り、ごぼうは斜めいちょう切り、油揚げは短冊切り、長ねぎは斜め薄切りに切る。
- 鍋に昆布を入れた水を火にかけ、沸騰前に昆布をは取り出す。大根とごぼうを入れ中火にかけ湧いたら火を弱める。
- 油揚げを入れて更に火にかけ、ごぼうに火が通ったら火を止める。
- 酒粕と味噌を溶き、味を整えたら長ねぎを加えてさっと火を通してお椀に盛り、焼き鮭をのせる。お好みでブラックペッパーや七味唐がらしをかける。
AUTHOR
高波紗希
管理栄養士。11年間に渡る摂食障害を「食とこころ」と向き合い、整えることでありのままの自分を認め克服した経験から【 自分を大切にする、食とこころの栄養学 】をテーマにSNSで発信をしている。食べることに対する罪悪感や、生きづらさを感じている方に向けて、素材を大切にしたグルテンフリーの料理教室やレシピ提供、講座、相談室など多方面で活動している。
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