【医師監修】乾燥の季節…手湿疹(主婦湿疹)や乾燥肌を根本から治す17のヒント
9.ハンドクリームだけの油分では不十分?「保湿」の前に「保水」を
手には汗腺が多く手汗はかきますが、毛穴からの皮脂はあまりでません。私たちの手のケアは外から保湿をしてあげる必要があります。そこで気を付けたいのが「保湿」と「保水」。多くの方は、お風呂上りにクリームで保湿をする前に、化粧水で保水をしますよね。ハンドケアも同じです。ハンドクリームの油分でフタをする前に手に水分の潤いを与えてあげましょう。刺激のない化粧水を塗ってからハンドクリームを塗ってみる、水分補給を謳ったハンドクリームを使用してみる、など油分の保湿の前に水分の保水を心掛けてみましょう。少し面倒かもしれませんが、乾燥の辛い方にはお勧めです。
また、ハンドクリームの成分にも気を付けましょう。香料が多く入った刺激の強いものも多くあります。人間の皮脂に近いシアバター入りや天然成分のクリーム配合もお勧めです。ヘアワックスの中には髪の毛以外もリップや肌にも使えるシアバターを使ったオーガニック製品なども多く販売されています。
10.ガーデニングや家庭菜園の植物、土いじりにも注意
「植物かぶれ」も気づかないことが多いですが、よくある肌荒れの原因のひとつです。
植物の棘や刺毛、針状結晶などによる物理的な刺激による「刺激性接触皮膚炎」。身近な植物でも触れるだけでかぶれるものは意外と多くあります。秋は山登りの時期ですよね。野草は特にその力が強いですので山登りをする方は注意しましょう。また、土は手の水分を奪います。土に交じっている肥料や農薬に反応してしまうことも。今は植え替えの時期でもありますので、土いじりをされる場合はゴム手袋をするなど気を付けてくださいね。
11.マニキュアが原因になることも
マニキュアやジェルネイルは爪の表面の呼吸の妨げになります。マニキュアを塗るとあっという間に乾くのは、においの元でもある揮発性溶剤のせい。爪に塗っているとはいえ、指先にも刺激があります。手湿疹がひどい時期はマニキュアやジェルネイルは避けることをお勧めします。
12.肌に触れる衣服の素材にも気を配りましょう
肌に直接触れるもの、例えば下着や腹巻などのインナーは、冬になると静電気を起こすことがあります。静電気の原因に肌の乾燥がありますが、その肌の乾燥を引き起こしているのは「衣服の素材」です。特に吸湿発熱素材を使用したインナーは、体から発する水蒸気を繊維が吸着して素材自体が発熱しています。体の水分を繊維が吸い取ってしまうため、乾燥の原因に繋がってしまうのです。
図のように静電気は擦り合わせる物体(素材)がこすれることで発生し、プラスとマイナスの位置が離れているほど強くなります。(東京都クリーニング生活衛生共同組合HPより)衣類だけでなく寝具など、できるだけ自然に近い素材を身に着けてみましょう。また、程よい湿度も静電気を予防してくれます。加湿器やお肌の保湿も心がけ静電気を寄せ付けないように工夫してみましょう。
13.末端冷え性ではありませんか
末端冷え性とは、字のごとく血の巡りが悪く、身体の末端(足先・指先)が冷えやすいことを言います。それとは逆に足先・指先の循環がうっ滞して熱がこもり、火照っている場合もあります。末端は冷たすぎても暖かすぎてもいけません。そういった場合は、ゴム手袋をして39℃くらいのお湯での手浴軽い運動をしたり、末端を意識的に動かすようにして手や指先の血の巡りを改善してあげましょう。(腸を温めると身体の循環がよくなります。寒い時期の腹巻もお勧めです)
14.ペットにも注意
ペットの毛は人の髪の毛と同じく撫ですぎると接触皮膚炎になる可能性があります。ペットの毛は硬い毛、抜けやすい毛など様々です。硬い毛が人の肌へ刺激になったり、抜け毛が付着してかゆみや湿疹になったりなどが考えられます。
15.コーヒーやお酒の飲み過ぎに注意
コーヒーやお酒などの利尿効果の高い飲み物は、身体の水分が外に出てしまいがちです。身体の60%以上は水分でできています。身体を内側から潤いを与えるには体内水分も意識してみましょう。
※身体と水分の関係については||体がだるい・疲れ・倦怠感…「湿邪体質」が原因かも?【東洋医学】に学ぶ梅雨時期の過ごし方||でも解説しています。
16.素手で食べ物を触る
ポテトチップスを手でさわる、パンを手でちぎって食べる…。塩気のあるものは傷口の刺激になったり、手指から水分が奪われたり。料理でお野菜の塩もみなども傷が浅い場合はつい素手でしてしまいがちです。料理の際も少し注意してみましょう。
17.小麦粉アレルギー予備軍かもしれません
「小麦アレルギー」「セリアック病」「グルテン不耐性」どれも小麦に由来する病気です。症状はさまざまですが、アレルギーとして蕁麻疹やかゆみなどの皮膚疾患として表れることもあります。また、小麦粉の中に含まれる「タンパク質」と「砂糖」を「ベイク」したものは身体の炎症や老化【糖化】を起こしやすいです。※糖化については||医師監修【実年齢よりも若く見える・老けない体を作る食事法】老化の原因「糖化」「酸化」を防ぐ食べ方||でも解説していますが、「焼く」「揚げる」「炒める」よりも「煮る」「蒸す」調理がお勧めです。
小麦粉の消費量が米の消費量を上回っている現代、例えば「朝や昼がいつもパン」「お菓子は焼き菓子が中心」という方は小麦粉の摂取も意識してみましょう。
いかがでしたでしょうか。いくつか思い当たること、改善できることは見つかりましたか?できることから是非チャレンジしてみてくださいね。
医師監修/吉岡容子先生
医療法人容紘会高梨医院副院長 皮膚科・美容皮膚科医師。東京医科大学医学部医学科を卒業後、麻酔科学講座入局。麻酔科退局後、明治通りクリニック皮膚科・美容皮膚科勤務。院長を務め、平成24年より医療法人容紘会高梨医院皮膚科・美容皮膚科を開設。副院長として勤務している。
AUTHOR
半田葉子
バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_
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