医師監修【実年齢よりも若く見える・老けない体を作る食事法】老化の原因「糖化」「酸化」を防ぐ食べ方

 医師監修【実年齢よりも若く見える・老けない体を作る食事法】老化の原因「糖化」「酸化」を防ぐ食べ方
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半田葉子
半田葉子
2021-08-03
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糖化とは

【からだのコゲ】と言われている糖化
昨今「酸化」よりも老化を招いてしまうのが「糖化」と言われています。「糖化」は「酸化」の症状に加え、糖尿病や腎機能障害につながり動脈硬化、生活習慣病以外にも老眼や白内障、アルツハイマー、骨粗鬆症などの症状としても現れてきます。

老化
イラストAC

原因

糖化とは、身体の中でタンパク質や脂質と血液中にある余分な糖分が結びつき、劣化して「AGEs(糖化最終生成物)」という老化物質が生まれる反応(メイラード反応)を起こします。つまり、AGEsが体内に増えメイラード反応を起こすことにより、私たちのかだらでは「糖化」が進み、からだが老化する速度を早めてしまうのです。
タンパク質や脂質、糖分は私たちのからだには必要な栄養素ですが、現代の「食」には自然の甘みを超えた大量の「砂糖」を使用した食品が増えています。からだの素になる大切なタンパク質や脂質と糖のバランスが崩れることにより、老いだけでなく様々な病気を招くことにも繋がります。

AGEs(糖化最終生成物)を多く含む食品や調理法

AGEsは体外・体内ともに発生しますが、特にタンパク質と脂質が多い動物由来の食品は一般的にAGEsが豊富で、調理中にさらに増える傾向があります。タンパク質や脂質を多く含む肉やバター、一部の野菜に多く含まれ、それらを「揚げる」「ローストする」「焼く」などの水を使用しない高温調理で大きく増加することがわかっています。逆に水を使用する「茹でる」「煮る」「蒸す」、火を使用しない「生」の調理法の場合は比較的増えない傾向があります。 この焼き色がつくことを「メイラード反応」と言い、例えばフライドポテト、とんかつや唐揚げなど揚げ物が最も多く、カリカリのベーコンや焼き肉、コゲにも多く含まれています。そしてAGEsは血管壁の内部にも侵入し炎症を引き起こすとこにより動脈硬化の進行に拍車をかけることも分かっています。

このようにAGEsと糖分が結びつくことにより、からだの「糖化」が進み、私たちのからだは「老化」し、さらには別の病気を引き起こす要因となってしまうのです。

甘いものが好きな人、食後に動きたくなくなる人、いつも眠い人、血糖値が高い人は要注意

「糖化」はからだの「老い」だけでなく、血糖値のコントロールも狂わせます。
健康診断では通常の血糖値なのに、食後の短時間だけ血糖値が急上昇する「血糖値スパイク(食後高血糖)」に陥っていませんか。

血糖値スパイク
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血糖値スパイク(食後高血糖)とは

私たちのからだは、食事をすると誰でも血糖値が上昇します。食べ物の中に含まれている「ブドウ糖」が体内で血液中に吸収され血糖値があがるのです。しかし、ブドウ糖が処理しきれない場合は血糖値の急上昇へとつながり食後に急に眠たくなったり、その後の急降下で頭痛が起きたり、酷い場合はめまいや気絶へとつながります。

そしてこの「(食事をすると血糖値が急上昇する)血糖値スパイク」が繰り返されることにより、血管内の細胞には大量の「活性酸素」が発生することが分かっています。「酸化」でお伝えしたように活性酸素は細胞を強力に酸化させます。血管が傷つき、その傷ついた血管が修復される…。この繰り返しで血管内の壁は徐々に分厚さを増し、動脈硬化の原因となっていきます。

普段は正常な血糖値なのに、食後の短時間だけ血糖値が急上昇する方は「血糖値スパイク」である場合が多くあります。「血糖値スパイク」は自覚している人の少ない症状です。甘いものが好きな人、食後に動きたくなくなる人、いつも眠い人、お腹が空くと体調が悪くなる人は、血糖値スパイクを疑ってみましょう。そして食事の際は、血糖値の上昇が緩やかな糖質の少ない野菜やお味噌汁などの食べ物をまずは体内に入れ、肉や魚、そして糖質の多い炭水化物を摂るように心掛けましょう。

糖化を防ぐには

①まずは糖質の高い食品を控えることが先決です。

糖の種類
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お砂糖たっぷりのクリームやアイスやジュース・お菓子は言わずもがな、果物や炭水化物にも意外と多く含まれています。和食にも意外とお砂糖が使われている場合も多いです。血糖値スパイクが急上昇するとその分急下降し、急下降した際は、また急上昇させるために必要以上の血糖値が高くなる糖分をかだらは求めてしまいがちです。空腹時に急に甘いものを摂らない、白砂糖のような血糖値が急上昇する糖質の高い物は避ける、血糖値があがる回数を減らす(甘いものをちょこちょこ食べない)などの食習慣を身につけましょう。

②AGEsの高い食品や調理法を避ける、減らす食品を一緒に食べる

酸
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AGEsの高い食品はタンパク質や脂質の高い食品、水を使用しない高温調理を控えましょう。その他AGEsを減らす食品は、「お酢」「レモン」「梅干し」などクエン酸を含む食品です。揚げ物にレモンをかける、焼き魚のマリネ、お肉にバルサミコ酢などの調理法でAGEsを減らすことができます。お肉を焼くならしゃぶしゃぶにする、焼き魚をお刺身に変えてみる、目玉焼きを茹で卵に、肉の焼き加減を変えてみる、などの調理法も工夫してみましょう。

肌のためにとコラーゲンを摂っている人は要注意

コラーゲンとは、肉や魚から抽出したコラーゲン由来のタンパク質を高度に精製した商品です。お肌のためにとコラーゲンを摂って「糖質の多い食生活」をしている場合、タンパク質と糖質が結びつき、肌が「硬化」、逆に老いの原因となる場合がありますのでご注意ください。

「酸化」と「糖化」、それぞれ「老い」が進んでしまう原因と対策がお分かりいただけましたでしょうか。特に「糖化」は食生活や嗜好が大きく影響し、そのライフスタイルが当たり前になってしまっている人は気づきにくい症状です。
「酸化ストレス」と「AGEs」を避け、それに伴う栄養バランスを意識しいつまでも若々しく疲れ知らずなからだ作りをしたいものですね。

医師監修/佐藤瑠美先生
内科医として朝倉医師会病院に勤務。医学博士、内科認定医、総合内科専門医、感染症専門医、感染症指導医、呼吸器専門医、呼吸器指導医、アレルギー専門医、化学療法認定医、化学療法指導医、抗酸菌症認定医、抗酸菌症指導医、インフェクションコントロールドクター、肺がんCT検診認定医

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半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



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