ヨガクラスでもよく出るキャット&カウを例にして説明します。
キャット&カウは背骨を丸める、反らす動きを行うものですが、胸(胸椎)が硬いとで背骨を丸める時は首だけを強く巻きこんだり、反らすときには腰だけを落としたりしやすくなります。動かしたい部分ではなく他の部分が動いてしまうことを代償動作と呼びます。
自分ではなかなか気づきにくいのですが、キャット&カウポーズを行った時に首や腰に詰まるような痛みが出たら、代償動作が起こっていると考えられます。
人間の背骨(脊柱)は、首の骨である頚椎7個、胸の骨である胸椎12個、腰の骨である腰椎5個、骨盤の中心部である仙骨と尾骨で構成されています。そして背骨はゆるやかにS字カーブを描いています。この中で上位頚椎・胸椎は可動性(動きを担当)、下位頚椎・腰椎は安定性(安定を担当)の部分だと言われています。
しかし、猫背など普段の姿勢の癖により本来のカーブより強くなったり、崩れたりすることがあります。それにより胸椎の可動域が小さくなる、つまりは胸が硬くなってしまうことで、胸椎の代わりに頚椎や腰椎が過剰に動いて痛みを引き起こす原因になる可能性があります。
どこかに痛みや不調を感じると、その部分を直接ストレッチしたりほぐしたりして改善しようとしがちですが、今回説明した通り他の部分の可動域が狭いことや柔軟性がないことが原因であるケースもあります。
今回は硬くなった胸をほぐし、胸だけを動かす練習をしていきましょう。
<やり方>
1)テニスボールやグーを作った手を鎖骨端の下部分に当て、円を描くように転がす
2)そこから真横→ななめ下→真下の順に転がす
3)反対側も同じように行う。
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<やり方>
1)横座りになって片方の膝は脚の付け根の正面、反対の膝は後ろに引いて肩の延長線にセットする。膝の角度は90度
2)前に出した方と同じ側の肘を肩の真下について、肘で床を押し続ける
3)息を吸いながら反対の手を上げて、吐きながら上げた手を頭の向こう側へ。呼吸に合わせて同じ動きを3回繰り返す
4)今度は上げた手を、息を吐くタイミングで脇の下にくぐらせる。同じ動きを繰り返し、4回くぐらせたところでキープ
5)余裕があれば手くぐらせたまま、肩を床に近づける
6)肘で床を押して手を引き抜き、起き上がる
7)反対側も同様に行う。
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<やり方>
1)正座で座り、上体を傾けながら肘が伸び切らないところに手をつく
2)そのまま息を吸って、吐きながら手で床を押して胸を丸める
3)次の吸う息で、手で床を自分の方に引き寄せるイメージをしながら胸を正面に開く
4)肩がすくまないように気を付けながら繰り返す
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