【医師監修】肌は心を映す鏡?美肌を育み「揺るがない肌」を作る心のケア2週間実践レポート
本当の意味での美肌とは、飾らない自分らしい素肌を生かすこと、そのためには「無駄なケアをやめる」ことから始める。看護師、助産師を経て、形成外科医として10年以上の経験を持つ西嶌順子先生は、たくさんの患者さんの肌や傷と向き合ってきた経験から、そう考えるようになりました。美肌を育むためには外側からのケアはもちろんですが、内側からのケアはもっと大切。西嶌先生に教わる心のケアを2週間実践しました!
ストレスケアなどで心身を整える心のアプローチで、ゆらがない美肌を育もう
本当の意味での美肌は、表面的なケアだけでは叶いません。美肌のための土台を作るには、スキンケアによる外側からのアプローチはもちろん、食事などでデトックスや腸内環境の改善を意識した内側からのアプローチ、ストレスケアなどで心身を整える心のアプローチが必要です。外側が3割、内側と心のケアが7割と言われるほど、内側からのケアは肌や細胞に大きな影響を与えています。
ストレスは肌への悪影響も!?リラックスすれば、心の健康と美肌を叶えられる?
ストレスと無縁ではいられない現代社会。ストレスが溜まると、体内に活性酸素が発生して肌老化が促進されたり、免疫力が低下したり、交感神経優位になってイライラしやすくホルモンバランスが乱れたりして、ニキビや肌荒れを引き起こす要因になるなど、肌にも悪影響を及ぼします。
意識してリラックスした状態を作ることで、副交感神経が優位になり、血液やリンパの循環も良好に。そうすると皮膚に酸素や栄養が届きやすくなり、肌細胞も元気になります。1日の中でできるだけリラックスできる時間を持ち、がんばりすぎずにストレスを解消することが、結果的に健やかな心と美肌に繋がります。
ストレスケアのポイント・・・
<緊張をほぐしてリラックス状態を作る>
体も心もこわばって緊張状態が続くと、交感神経が優位になってリラックスできません。意識的にリラックスできるアクションを取り入れて、ストレスケアをしましょう。温めると血流が良くなりリラックス効果も。特に目元を温めると副交感神経が優位になりやすいので、寝る前におすすめです。また、爪を揉んだり、肩甲骨を動かしたりして、血流を巡らせると体の緊張もほぐれます。
<香りの力を取り入れる>
嗅覚は、人間の情緒行動をコントロールする大脳辺縁系に直結しているため、香りを嗅ぐことで緊張がほぐれてリラックスできたり、自律神経のバランスが整えられたりします。
植物性のオイルに垂らして作ったマッサージオイルで、ボディケアをしたり、アロマポットやアロマキャンドルで焚いたりするのもおすすめです。
おすすめの精油
ゼラニウム:PMS、更年期の不定愁訴の緩和、不安の軽減
ラベンダー:鎮静、血行促進効果。肩こり、腰痛、生理痛の緩和
イランイラン:ホルモンバランスを整える。性欲を高める
など。
<睡眠の質をアップ>
スマホやパソコンから出るブルーライトを浴びると、メラトニンの分泌が減り、眠りの質を低下させるため、就寝前2〜3時間は浴びないように。どうしても見る場合は、ブルーライトカットメガネをかけたり、画面の明るさを落としたりして工夫しましょう。また、睡眠中は電磁波の影響を受けやすいので、寝室にはスマホや電化製品を持ち込まないことがおすすめです。
<PMS症状に対する心の持ち方>
ホルモンバランスの乱れが原因のPMS。まず自分にPMSの症状があること認識し、生理周期を把握して不調が起きやすい時期を把握しておくことが大切です。その期間は、仕事の量を減らしたり、休息がとりやすい状況にしておいたりするなど、調整できるとベストです。
イライラや気分の落ち込みがある時、「今は生理前だからPMSのせいだ」「生理が始まればよくなる」と考えて、自分を責めないこと。自分でコントロールが難しいそういう時期なんだと割り切って対処することも重要。可能であれば、職場の人やパートナーに、イライラしてしまったり、集中力が続かなくなったりする可能性があることを、できるだけ理解してもらえるよう伝えておくのもいいかもしれません。
イライラや情緒不安定を抑えるためにも、血糖値を意識するのも効果的。高血糖の後に低血糖になり、イライラしやすくなるので、普段から砂糖やケーキ、ジュースなど血糖値を急激に上げる食べ物、カフェインは避けましょう。
<上手にストレスを発散>
1人で抱え込むとマイナスの方向に考えがちなので、誰かに話を聞いてもらうこともストレスケアになります。また、涙を流すのも有効です。副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)、副腎皮質ホルモン(コルチゾール)などのストレス物質は、涙と一緒に排泄されるので、泣くと気持ちもすっきり。感動する映画や悲しい映画などを鑑賞するのもおすすめです。CBDオイルの摂取も、リラックス効果があるので取り入れてみても。
心のケア、2週間実践したらどうなった?
筆者が実践したこと、実践してみて感じた変化をレポートします!
<緊張をほぐす>
✔︎就寝前や日中、爪の横をほぐしたり、肩甲骨を動かしたりして体をほぐす
✔︎寝る前に、目元を温める
<睡眠の質をアップ>
✔︎枕元で携帯の充電をしない。寝室になるべく持ち込まない。
✔︎就寝時は携帯を機内モードにする。
✔︎寝る2時間前から、ブルーライトを浴びない。
✔︎寝る数時間前から、部屋の照明を間接照明などに切り替え暗めにし、メラトニンの分泌を促す。
<PMS症状の緩和>
✔︎イソフラボンの含有量の多い、納豆や豆乳、豆腐を1日1回以上摂取する
✔︎冷たい飲み物やカフェインを控えて、ハーブティーなどノンカフェインの飲み物を楽しむ
✔︎甘いものが食べたくなった時は、ビターチョコレートなどを少量食べる
<香りの力を取り入れる>
✔︎ベッドサイドや日中、自分の好きな香りを嗅いでリラックスする
<上手にストレスを発散>
✔︎心のもやもやは、ため込まず誰かに聞いてもらう。
✔︎週末は、リラックスした環境で泣ける映画観賞
✔︎CBDオイルの舌下内服
2週間後
目に見える効果がわかりづらいものですが、心も体も日々少しずつ緊張をほぐしてリラックスすることを意識しました。緊張状態で呼吸が浅くなっていることも多く、好きな香りのルームスプレーをベッドサイドに置いたり、日中アロマオイルを持ち歩いたりして嗅ぐことで深呼吸する機会を作ると、リラックスやリフレッシュにもなる気がします。
「1日の疲れはその日のうちに」と思い、寝る前にストレッチや香りで体と心の緊張をほぐしたり、目元を温めたりすることで熟睡できているのか、日中眠くなることも減りました。また、寝ている間に奥歯を食いしばることが多かったのですが、それも解消できたように思います。
2週間では、PMS症状の緩和や美肌への効果までは実感できませんでしたが、気づかないうちに日々体も心も緊張してストレスを感じていることを痛感。できることを日々続けて自分を大切にケアしたいと思えました。
いかがでしたでしょうか? 現代社会でますます重要になっているストレスケア。肌だけでなく、健康にも影響を与えていることがわかりました。できるケアから取り入れて、心地よい毎日を送ることで、内面から輝く美肌を手に入れられるのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。
教えてくれたのは…西嶌 順子医師
形成外科専門医、助産師、保健師、看護師。「医療法人道心会 恵比寿形成外科・美容クリニック」院長。聖路加国際大学看護学部看護学科卒。 新生児特定集中治療室(NICU)、産婦人科などで新生児医療に従事したのち、北里大学医学部医学科に学士編入学。 形成外科医として、がん研有明病院、筑波大学附属病院、新東京病院に勤務したのち現職。 多くの女性が抱える特有の悩みについて、専門医の立場、そして自身の経験に基づく等身大の視点で情報を発信している。プライベートでは2児の母。『「無駄なケアをやめる」から始める 美肌スキンケアの新常識大全』(宝島社)好評発売中。
AUTHOR
高野瞳
編集・ライター。出版社や編集プロダクションを経て、独立。学生時代にオーガニックコスメに出合い、アロマテラピーや漢方、サスティナブルなライフスタイルなどにも関心を持つようになる。現在は、ライフスタイルや美容など幅広い分野の雑誌やwebメディアで執筆中。アロマテラピー検定1級、ルボア認定フィトアドバイザー取得。趣味は、旅行と散歩。
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