春にふさわしい!ホクホク食感が楽しい豆の重ね煮|レシピと美味しく食べきるためのアイデア
野菜中心の、健康的な食生活を送りたい。そう思う人は少なくないでしょう。だけど実際は、忙しくて自炊もままならない、あるいは、自炊しようと野菜を買ったのにうまく使い切れずダメにしてしまう...そんな経験をした方も少なくないのでは?今回ご紹介するのは、野菜本来の美味しさを引き出しそのパワーを取り入れられる「重ね煮」という調理法です。決して難しくない、だから続けられる、そんな素敵な調理法を連載形式でご紹介します。
春にふさわしい、豆の重ね煮
立春を過ぎ、開かれた季節が始まりました。冷たい冬の陰のエネルギーが温かな陽へと転じ、硬く閉じていた私たちの身体もまた緩み始めていきます。この流れに乗って、冬にため込んだ要らない物を外へとデトックスする時期でもありますね。食物繊維をたっぷり取り、排泄を促したいです。五目豆はそれにぴったりの料理。さらに重ね煮で作ることで、旨味を逃さず、出汁を使わず簡単に、野菜そのものの栄養と味わいが引き出されます。素朴な根菜の香りは、シンプルな調理が一番分かりますね。
また、節分で余った大豆があれば、重ね煮に入れて香ばしい五目豆にすることも出来ます。いつもと一味違う五目豆もいいですね。まだ寒さ残る季節に、程よい緩みを与えてくれる重ね煮です。
【材料】
塩‥‥‥‥‥‥‥ 少々
ごぼう‥‥‥‥ 100g 1cm 角切り
にんじん‥‥‥ 100g 7〜8mm 角切り
きのこ‥‥‥‥ 150g 1cm 角切り※
こんにゃく‥‥‥ 150g 1cm 角切り (もしくは手ちぎり)
昆布‥‥‥‥‥‥ 10cm位 1cm 角切り
塩‥‥‥‥‥‥‥ 少々
差水‥‥‥‥‥‥ 50cc
水煮の大豆‥‥‥ 150〜200g(節分の豆でも可)※
※しいたけ・エリンギ・しめじなど、肉厚なきのこを何種類か混ぜると味わいが増します。
※水煮の大豆のときはもうすでに柔らかいので、重ね煮が完成する少し前のタイミングで鍋に入れます。節分の豆の場合、重ね煮をつくる最初の段階で、きのこの上にいれて重ね煮してください。
【作り方】
3本指で塩をひとつまみ鍋底に振り、昆布→こんにゃく→きのこ→(節分の豆)→にんじん→ごぼうの順に重ねてから、上にもひとつまみ塩を振る。
差水をしてから蓋を閉め、極弱火にかける。
10分〜15分ほどして良い香りが立ってきてら、水煮の大豆を人参の上に乗せます。
にんじんがある程度柔らかくなったら、そっとかき混ぜて出来上がり。
タッパーなどに移して冷まし、冷蔵庫で保存する。
※3~5日くらい保存可能です。
※使い切れない時は小分け冷凍し、そのまま味噌汁などに使えます。
(冷凍の場合1ヵ月程度保存可能)
☆重ね煮の詳細は、基本の重ね煮をご参照ください。
美味しいワンポイント
野菜は大豆に合わせるくらいの大きさでカットすると、食感が整い火も均等に入っていきます。にんじんだけ硬いので、気持ち小さめに。
そのまま食べても美味しい重ね煮、アイデア次第でメインおかずに
出来上がった重ね煮を使って、簡単時短のアレンジを作っていきましょう。
重ね煮アレンジ① 五目煮
重ね煮の旨味とゆで大豆の甘さがよくからんだ五目煮です。
【材料2人分】
五目豆の重ね煮‥‥‥‥‥‥300g(調味料)
しょうゆ‥‥‥‥‥小さじ2
みりん‥‥‥‥‥‥小さじ1
酒‥‥‥‥‥‥‥‥小さじ2
水‥‥‥‥‥‥‥‥100cc
【作り方】
鍋に五目豆の重ね煮と合わせた調味料を入れ、火にかけます。
沸騰したら中火で、時々かき混ぜながら煮込みます。
煮汁が少なくなり、全体に味がしみてきたら出来上がり。
一度冷ますと、味が更に染み込んで美味しいです。
五目煮を使った「混ぜご飯」
1で作った五目煮をご飯と合わせるだけで栄養満点の混ぜご飯に。おにぎりにもいけます。
【材料2人分】
五目豆‥‥‥‥‥‥100g
ご飯‥‥‥‥‥‥‥200g
ごま、紅生姜‥‥‥適量
【作り方】
ご飯にアレンジ1で作った五目豆を入れて、よく混ぜ合わせます。
お好みでごまを振り、紅生姜をのせて出来上がり。
重ね煮アレンジ②チリビーンズ
和の食材がたっぷり入ったチリビーンズは、多彩な食感が楽しめます。
【材料2人分】
五目豆の重ね煮‥‥300g
にんにく‥‥‥‥‥ひとかけ みじん切り
しょうが‥‥‥‥‥同量 みじん切り
オリーブオイル‥‥大さじ1
酒‥‥‥‥‥‥‥‥大さじ1
トマトペースト‥‥150g
塩‥‥‥‥‥‥‥‥小さじ1
チリパウダー‥‥‥大さじ1(無ければカレーパウダー)
【作り方】
フライパンにオリーブオイルを引き、にんにく・しょうがを弱火で炒め、香りが立ってきたら酒を入れます。
五目豆の重ね煮を入れ、強火で軽く炒めます。
トマトペースト、塩、チリパウダーを加え、弱火で混ぜながら1〜2分煮込み出来上がり。
ご飯やパン、パスタ、白身魚などにかけていただきます。お好みでチーズを入れて焼きドリア風も。
まとめ
重ね煮は、食材の持つそれぞれの性質を重ね合わせることで、お互いの良さを引き出していきます。畑の大豆には海の昆布の水の性質を重ねることで柔らかさを与え、上に伸びるきのこと下へ根を張るごぼうが、互いの香りをより引き立てあいます。重ね煮をするときは、こういう違いを意識して食材を選んでみると面白いです。相反するもの同士が集まることで、より深い味わいが生まれる。人間の社会も一緒ですね。おんなじもの同士が集まっても単調な味わいになってしまう。一つの価値観に留まらず、他を批判することもなく、あるがまま他を受け入れる練習。重ね煮は良いマインドフルネスの練習にもなりますね。是非美味しい実践、試してみてください。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
AUTHOR
山田直
ヨガ講師・自然食料理人。福岡県出身。写真学校卒業後、作家活動をしながら横浜でホテルサービス勤務。3.11の地震を契機に仕事を辞め、ヨガとマクロビオテックを学ぶ。後に、湘南のオーガニックレストランにてキッチンに入り、重ね煮と出会う。その野菜の美味しさ、味わいの違いに深く感動。学びを深める。現在は、東京、横浜、湘南エリアにてヨガ講師の仕事ヨガをメインに活動し、イベント、ワークショップにて、重ね煮やオーガニックの料理を伝えている。全米ヨガアライアンスRYT200認定ヨガ教師/クシマクロビオティックLevel2修了/ヒツジナヨガ主宰
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