美味しいものを食べると幸せになれるって、本当?|せきねめぐみの、肩の力を抜くごはん
SNSで見かける、彩り豊かな食事の写真。見るからに栄養がありそうで、こんな食生活を送ってみたいと思う人は多いでしょう。でも「そんなに頑張れない…」という人も少なくないはずです。時間もない、料理が得意じゃない、不器用なあなたに伝えたい「頑張らないごはん」。意識すべきポイントは、とってもシンプルです。今日からできる「簡単な食養生」、教えてくれるのはマクロビオティックマイスターの関根愛さんです。
先週、ついに「寒の入り」しましたね。一週間後には一年でもっとも寒い「大寒」を迎えます。冬、ここに極まれり。寒中お見舞いを出すのもこの時期です。それぞれの場所で、それぞれの毎日をどうにか繰り広げていかなければならない私たちですが、皆さん温かくして過ごしていらっしゃいますか。
さて、たいへん唐突ですが、皆さんは一体どんな時に幸せを感じますか?
実は、一時的な快楽としての幸せより、社会的に意味のある幸福の方が、遺伝子を刺激し免疫細胞を活性化させる、というアメリカでの研究結果があるんだそう。遺伝子に届く幸せとは、なんだか興味深いですよね。
一時的な快楽とは、たとえば「海外旅行に行けてたのしい」「憧れのブランドの服が買えて嬉しい」など、今目の前にある自分の欲求が満たされる幸せのこと。そうそう、「美味しい物がたらふく食べられて幸せ!」は、まさにその代表格と言えそうですよね。美味しいものを食べて幸せじゃない人なんておそらくいないでしょう。
いっぽうで社会的に意味のある幸福とは、たとえば「ちょっとしたことでも誰かの役に立つことができた」「社会が少しでも良くなるように、困難に思えることに挑戦した」というようなときに感じる、誰かを幸せにする幸せ、誰かの幸せのお手伝いをする幸せ、でしょうか。
その行動の結果として、他者や社会との深い繋がりを感じることができて幸せ、といった独りじゃない幸せ、または未来をつくっていく末永い幸せ、とも言えるかもしれません。
同じ幸せでも、まったく違いますね。以前聞いた話ですが、前者のような単なる自分のために得るいっときの快楽は”Pleasure”、後者のような他者や世の中と繋がった深い幸福は”Joy”と表現されるのだとか。どちらも日本語で「幸せ」といった意味の英語ですが、まったく別物なことが分かります。
幸せにも色々あり、何が大切かは人それぞれです。都会に代表されるようなストレスフルな現代社会をなんとか渡って生きていくには、気持ちの切り替えやリラックスにもなってくれる快楽も時に必要ですし、皆が皆、社会的に意味のある幸せをつねに追究するために生きている訳でもないと思います。両方を天秤にかけることはむずかしい。大事なのはふたつの幸せのバランスなのかもしれません。
もし、どんな幸せで自分の人生を満たしていくかが自分で選べるとしたら、あなたはどんな幸せを選びたいと思いますか?その幸せで、体じゅうの細胞が活性化し、命が奥深くから輝いて、身も心も真の意味で健康に生きていけるとしたら。
もうちょっと誰かのための幸せを創っていける人になりたいな、とふと心をよぎった2021年の始まりでした。
ライター/関根愛
「アートが社会とどう関われるか」と「じぶんらしく生きるための食養生」が活動のテーマ。座右の銘は「山動く」。俳優歴10年、アトピーなどさまざまな不調をきっかけに自然食を始めて3年。マクロビオティックマイスター。
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