理学療法士が解説!コロナに負けない体づくり【下半身の筋肉を鍛え「熱産生」を促す】体温アップヨガ

 理学療法士が解説!コロナに負けない体づくり【下半身の筋肉を鍛え「熱産生」を促す】体温アップヨガ
大腿四頭筋

体温を測る機会が増えた今、改めて自分の平熱を知り「低体温かも!?」と感じた人も多いのでは?そこで、医師・理学療法士・マッサージセラピスト・ヨガインストラクターが実践している免疫力を落とさないための体温上げヨガを紹介。インフルエンザやウイルスに負けない体づくりの参考にしてみて!

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体温アップヨガで熱を生み出す体に

自ら熱を生み出し、体温をキープするには、筋肉を鍛えて血流を促し自律神経を整えることが大切。その具体的なヨガワークを、理学療法士であり、ヨガ講師の堀川ゆき先生が伝授。毎日の日課にして発熱ボディを手に入れて!

注目物質サルコリピンを活性化させて体温上げ ! 

「体の熱をつくる物質として最近、注目を集めているのが〝サルコリピン〞です。サルコリピンは、筋肉に多く含まれるタンパク質の一種で、筋肉を動かすことで活性化すると考えられています」と堀川ゆき先生。
人間の体には、内臓を含めて約600の筋肉があり、その約70%が下半身に集中しています。 
「そのため、効率よく熱を生み出すには、下半身の筋肉を使うポーズが効果的です。筋肉量は20歳をピークに1年で1%ずつ減少するといわれています。体をまったく動かさずに過ごすと1日で筋肉量の0 . 5 %が減少、2日で1年分の筋肉を失うことになるんです」
さらに自律神経を整え、体温を調整するためにも背骨や、血流を促すふくらはぎを刺激することも、体温を上げるヒケツ。年齢を重ねるほど筋肉を動かすことが大事と心得、ワークにトライ!

加齢とともに低下するから反復ワークで下半身の筋力アップ!

筋肉を増やし、熱を生み出すには収縮・弛緩を繰り返す反復ワークが効果的。下半身の筋肉は、加齢による減少率が高い部分なのでしっかり鍛えて。

大腿四頭筋・臀筋を鍛える

前腿とお尻の大きな筋肉を優先的に鍛え、熱産生を促す
前腿部分の大腿四頭筋とお尻の大臀筋は下半身の中でも、特に大きな筋肉。ここを鍛えることで小さな筋肉に熱エネルギーを波及。全身の筋肉が活性化し、筋トレ効果を高めます。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
大腿四頭筋
免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
臀筋

・ハイランジスクワット
右脚を前に、両脚を前後に1.2mほど開く。両手を頭上に上げ、息を吸いながら左足のかかとを床から上げる。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

息を吐きながら腰を下ろし、右膝を90度に曲げ、左膝を床の直前まで下げる。これをくり返し、反対側も同様に。各10回

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

・ヴィーラバドッラーサナⅢ アレンジ
壁の前に立ち、肘を伸ばして両手を壁につく。左足を床から浮かせ、息を吐きながら両膝を軽く曲げる。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

息を吸い、膝頭を股関節の高さに引き上げる意識で両膝を伸ばし、上半身を前傾、左脚を床と平行に。これを繰り返し、反対側も。各10回

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

腸腰筋を鍛える

上半身と下半身をつなぐ要の筋肉を刺激し、全身の代謝UP
肋骨の下から脚の付け根の奥に位置する腸腰筋は、上半身と下半身をつなぐキーマッスル。姿勢を保持するために重要な筋肉なので、ここを鍛えると日常動作が活発になり、基礎代謝量が上がります。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
腸腰筋

・ウッティターハスタパーダングシュターサナ アレンジ
両脚を揃えて立ち、両手を腰にあて、おへそを引き入れる。息を吸いながら右膝を曲げ、できる範囲で胸に近づける。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

息を吐きながら右膝をゆっくり胸から離し、右足を床の直前まで下ろす。これを繰り返し、反対側も同様に行う。各10回

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

NG:ワーク中、上半身が前に倒れて背中が丸くなると腸腰筋に効かせられないので注意。お腹を引き上げ、背筋を伸ばすことを意識。

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グラつく人は…
姿勢が不安定になる人は壁に片手をつけてトライ。安定した姿勢で行うことでけがを防ぎ、腸腰筋をしっかり鍛えられる。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
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腹筋を鍛える

腹部のインナーマッスルを強化して発熱効果を上げる
両脚を45度の角度に上げ、左右交互に動かすことでお腹のコアの腹横筋、両サイドの内・外腹斜筋にアプローチ。下半身の筋肉とともに腹筋を強化することで、より熱を発しやすい体になります。

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内・外腹斜筋

・ナーヴァーサナ アレンジ
膝を立てて座り、上半身を後ろに倒して肘をつく。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
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下腹部に力を入れ、両膝を45度の角度に上げて膝を伸ばす。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
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息を吐きながら4カウントで左脚を床上10㎝まで下げ、吸いながら4カウントで元に戻す。これを左右交互に。各10回

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

NG:両脚を45度以上に上げるとワークの効果を得られない。特に90度まで上げると休憩のポジションになり腹筋の力が抜ける。

免疫力を落とさない!体温1℃上げヨガ②
photo by  Kenji Yamada

お話を伺ったのは…堀川ゆき先生
理学療法士。ヨガ・ピラティス講師。モデルとして活動中にヨガと出会い、2006年にRYT200取得。その後、理学療法士国家資格を取得し、慶應義塾大学大学院医学部に進学。現在、大学病院等でリハビリ治療に携わる。 

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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photos by Kenji Yamada
hair&make-up by Manami Yaginuma(Linx)
text by Minako Noguchi
yoga Journal日本版 Vol.72掲載



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