外側で起こることは変えられない。大事なことは自分の中に|野沢和香さんがヨガを通して見つけたもの

 外側で起こることは変えられない。大事なことは自分の中に|野沢和香さんがヨガを通して見つけたもの
Satoshi Kuronuma(aosora)

どんなときも、心と体をたくましくしなやかに...そんな揺るぎない精神美がアーサナに宿る野沢和香さん。ヨガを道しるべとして、プロアクティブ(積極的)に自分らしい毎日へとみんなを導いてくれる彼女の想いをシェアします!

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“失敗してもいい!それを受け止めてチャレンジして”

心身を整えながら、新しい自分にも出会えるヨガ。転びそうな恐怖に挑戦するサーランバシールシャーサナは、「失敗=悪い」の概念を超えて、グラつくなかでどうバランスをとるか、失敗をどう受け止めるか、との対峙。人生に起きるさまざまなことへ踏み出す勇気や強さも学べます。

SIRSASANA

WAKA NOZAWA|今できることを探してPROACTIVEに行こう!
photo by Satoshi Kuronuma(aosora)

離れていてもつながれる。新たな挑戦で感じたこと

「人が人に与えられるものは希望だけである」とは、有名な仏哲学者アラン(エミール=オーギュスト・シャルティエ)の名言。コロナ禍による緊急事態宣言が解除された晴れやかな初夏、以前にも増して朗らかな笑顔で撮影現場に登場した野沢和香さん。ますます凛とした佇まいでアーサナを次々と披露してくれました。数カ月の自粛期間中、や動画配信を通じて精力的にヨガを伝え、多くの人たちを癒し励ましていた和香さん。その原動力はの問いに、冒頭の言葉を語り始めたとき、彼女の美しい心の源泉に触れた気がしました。「私はこの言葉が大好きで、いつも心に留めています。落ち込んだとき、まわりの友人たちに希望をもらって立ち直れることが多くて、自分も人に対してそうありたい、みんなを少しでも元気にできたら、と常々思っています。今回の事態でもその思いがいっそう強くなって、大変な状況だからこそ人の役に立てたらなって」
動画制作は、撮影や編集作業もわからず、いちから模索していったそう。「STOPコロナデブ!」などキャッチーな企画で、毎日5分からできるパーツ痩せシークエンスや朝ヨガ、夜のリラクセーションヨガなど、目的別に紹介した動画の数々に、感謝の声があふれています。
「みんなの『ありがとう』がすごくうれしいし力になりました。家でマット分のスペースがあれば心と体を整えてくれるヨガは『おうち時間』にピッタリとあらためて思いました。気分が滅入ったときも、胸を開くポーズで呼吸を深めるだけでリフレッシュできるし、心と体はつながっているから、アーサナで体を動かすだけで心が前向きに動く。そんなことをたくさんの人と共有できたと思います。オンラインだからこそできたこともあって、海外のヨガティーチャーたちとのコラボやライブ配信も日本全国、海外からもたくさんの方が参加してくれて。離れていてもみんなとつながれることに感動しました!ヨガを習慣にしていると、外側の事象に振り回されず、前向きにシフトできる客観性が育まれると思うんです。だからまわりのヨガ仲間たちも切り替えが早かった。明るく過ごしながら誰かの役に立とうと頑張っていましたね。みんなリアクションや動きが爽やかで、私もすごく励みになったし、インスピレーションをたくさん受けて、ヨガをする人たちのことをより大好きに、そして誇らしくも感じました」

SALAMBA

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photo by Satoshi Kuronuma(aosora)

外側で起こることは変えられない。大事なことは自分の内側に

先の読めない不安や恐怖に振り回されそうでも、自分の内側を整え、しなやかに立ち上がる力...それはヨガのプラクティスとともに、瞑想でもより実感できたそう。「数年前までは瞑想が苦手で毎日できていなかったけど、自粛中は毎朝の日課に。そうしたら瞑想がご褒美に感じられるくらい至福の時間になったんです。まだ頭が働かない、朝起きたての状態のままベランダに座って15分間、朝の太陽や空気、鳥の声を感じたり、自分の手脚、呼吸が動く感覚を味わったりしていました。『考える』ではなく、ただ『感じる』だけ。忙しい日中はずっと頭を使って考えごとをして、意識が外側に向かうことが多いけど、『考える』をオフにして、内側を感じる習慣が持てると、今ここの幸せ、たとえば美味しいご飯の味や大好きなことができる喜びに感謝があふれてくる。そうなると、同じ日常でも幸せを感じ取るセンサーが繊細になって、10パーセントの小さな幸せも30パーセントくらいに感じられるんですよね」
68号のインタビューでも「ヨガは日常にあふれる小さな幸せに気づくプラクティス」と語ってくれた和香さん。コロナ禍ではさらに当たり 前の瞬間をありがたく感じ、ヨガの叡智を享受したそう。
「外側で起こった出来事は変えられないけど、それに対する自分の態度は自分自身で選べる。大事なことは外側ではなく自分の内側にあるということも今回ますます感じました。不安や恐怖、焦り、ストレスを感じてもいい。無理やりポジティブになる必要は全然なくて、まずは落ち込む自分にも気づいてあげること。でもずっとその起こることや、心の動きにただ翻弄されて受動的に過ごすより、今自分にできることを探してプロアクティブ(積極的)に過ごす選択も私たちにはできるんです。ヨガで習得できたそんな視点があると、どんなときも気持ちの切り替えを上手にいつでも心をハッピーに導けるから、何があっても怖くないって思えるんです。これからも真っすぐ、ヨガとともに生きる素晴らしさをシェアしていきたいと思っています」

トップス¥6,900/alo yoga(カルフォルニアベイブ 092-715-1810)、レギンス¥12,900/alo yoga(BREATH TAKING)、ヨガマット¥11,500/Manduka(アイロックス 03-6821-3503)

野沢和香さん
モデルとして、雑誌『STORY』(光文社)やTV番組・CMなどで活躍する。メーカーやファッションブランドとのコラボアイテムも大好評。2007年よりヨガインストラクターとしても活躍し、2018年にはRYT500を取得。

※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。

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photos by Satoshi Kuronuma(aosora)
styling by JURIKA.A
hair&make-up by Harumi Kanbe
text by Ayako Minato
yoga journal vol.70



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