慢性ストレスが健康に及ぼす被害|ストレスを緩和するのに効果的な6つの方法とは
ストレスが深刻化すると……
習慣的なストレスは、気づかないうちに健康に長期的影響を及ぼす深刻なものになる可能性がある。クリパルセンター・ヨガ&ヘルスの統括研究官であるジェフリー・デュゼック医学博士は、慢性的にストレスを感じている人や、睡眠、認知、消化、人間関係に問題がある人は、医師に相談するように、と勧めている。特に機能性医療や統合医療の医師であれば、甲状腺機能低下症、貧血、うつなどによく似た症状を見極めながら、視床下部—下垂体—副腎軸に異常(HPAD)(詳細は102ページを参照)があるかどうかを判断してくれるだろう。HPA-Dは唾液に含まれるコルチゾール濃度を1日に4回測定して判定する。「コルチゾールが分泌されるタイミングやリズムに加えて、コルチゾールの分泌量もわかります」と機能性医学博士のブルック・カラニックは説明する。また、医療従事者ならプレグネノロンやDHEA(デヒドロエピアンドロステロン)などの主要な副腎皮質ホルモンや、女性ホルモンであるプロゲステロンとエストロゲンなどの甲状腺ホルモンの濃度も測定してくれるはずだ。診療の際には、自分の活力やストレス状態、栄養状態、食欲、カフェイン摂取状況、過食、睡眠習慣についても報告しよう。いわゆる「燃え尽き症候群」の症状があるなら、仕事に関わる状況に目を向けるべきだろう。症状としては、皮肉な考え方、無力感、極度の疲労の3つが挙げられる。これらの症状を抱えていたヨガセラピストでソマティック運動教育者のドナ・ブルックス(58歳)は、クラスではいつも完璧なアーサナに近づけることを追求し、神秘的な雰囲気づくりを心掛けていた。「ヨガの目的はリラクセーションのはずなのに、人々が考えるヨガらしい場をつくることがストレスになっていたわ」と彼女は言う。「多くのヨガティーチャーは、最高潮の状態でい続けることにプレッシャーを感じていて、それがものすごいストレスや緊張を生み出すの。生理的にも精神的にもね」。機能性医学の医師がブルックスのコルチゾールを測定すると、高い数値が出た。だが、コルチゾール値が高いからといって副腎機能不全というわけではない。彼女の治療計画はHPA-Dの治療とよく似ていた。アダプトゲン(ストレスを軽減するハーブ)の摂取によるセルフケアや、ソマティックヨガ(ゆっくりとしたシンプルな動きで神経系を鎮静化させるヨガ)、そして完璧主義をやめる努力をすることだった。
※表示価格は記事執筆時点の価格です。現在の価格については各サイトでご確認ください。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く