中性脂肪がどんどん増えてしまう「NG食習慣」とは?管理栄養士が解説
健康診断で「中性脂肪の値が高い」と指摘されたことはありませんか。今回は、中性脂肪が増える原因となるNG食習慣について解説します。
中性脂肪とは?
中性脂肪は、トリグリセライドとも呼ばれます。体に蓄積されている脂肪の大半を占めている物質で、人間にとって重要なエネルギー源です。一方で、基準値以上体に蓄積されている場合には注意する必要があります[1]。
なぜ注意する必要があるの?
空腹時の中性脂肪の値が150mg/dl以上の状態を“高トリグリセライド血症”と言い、動脈硬化を引き起こす原因となるため注意が必要です。この状態を放置していると、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気が引き起こされることがあります[2]。そのため、中性脂肪の値が高い場合には、なるべく早く改善に努めることが大切です。
中性脂肪が増える原因となる「NG食習慣」とは
中性脂肪の値を改善させるために、中性脂肪が増える原因を知ることは重要です。ここでは、中性脂肪が増える原因となるNG食習慣について解説します。
食べすぎ
食べすぎにより、摂取エネルギー(摂取カロリー)が消費エネルギー(消費カロリー)を上回る状態が続くことで、中性脂肪が増えるといわれています。そのため、適切な量の食事を摂取することが大切です[2]。
適切な量を摂取しているかどうかを確認するために、体格指数Body Mass Index(BMI)(※)を確認した上で、体重の増減を注目してみるとよいでしょう[3]。
(※)BMI=[体重(kg)]÷[身長(m2)]
身長はcmではなくmで計算
BMI18.5未満が低体重、BMI18.5以上25未満が普通体重、BMI25以上が肥満です[4]。
例えば、現在肥満で、体重の増減がない、あるいは体重が増えている場合には、食事量が多いといえるでしょう。現在の体格と体重の増減から、適切な量を摂取しているかどうか確認し、食事量が多い場合には、調整することが大切です。
お酒の飲みすぎ
過剰なアルコール摂取は中性脂肪の合成を高めることが考えられています[2]。そのため、日ごろからお酒をたくさん飲む方は、一度お酒との付き合い方を見直してみるとよいでしょう。一度に飲む量を減らす、飲む頻度を減らす、など調整できそうなことを見つけて、ぜひ挑戦してみてください。
糖質多く含む食品の摂りすぎ
果糖などの糖類をはじめ、糖質の過剰摂取は中性脂肪の値を上昇させることが懸念されています[2]。糖質を多く含む食品のとりすぎに気をつけましょう。
まずはセルフチェックから
日ごろの食習慣を見直すことから始めてみましょう。あてはまるNG食習慣があれば、できることから改善することが大切です。また、中性脂肪の値を改善させるためには、食習慣の改善だけでなく、適度な運動も取りいれられるとよいでしょう。
【参考文献】(すべて2024年12月11日閲覧)
[1] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 中性脂肪/トリグリセリド
AUTHOR
なかでかおる
一人でも多くの方の心身の調子を整えるため、食と心の領域で活動中。学術修士では、食行動と動機づけに関する研究を実施。栄養疫学と健康心理学を軸に、食の領域では、特定保健指導やジムでの栄養指導、コラム執筆、研究補助等、心の領域では、コーチングセッションやコラム執筆、研究補助等を行う。
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