【快眠セラピストに聞く】良い睡眠に必要な「6つの要素」とマットレスの選び方


快眠に必要な要素とは…?!これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決し、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通する快眠セラピスト/睡眠環境プランナー 三橋美穂さんに、「良い睡眠」に必要な条件を伺いました。
良い睡眠は「浅いノンレム睡眠」と「レム睡眠」が良いバランスであること
睡眠は、浅いノンレム睡眠から始まり、その後深いノンレム睡眠、また浅いノンレム睡眠、レム睡眠になる、というリズムを何回か繰り返し朝を迎えます。大きく見ると、最初が深く、だんだん浅くなるのが良い睡眠のパターンです。また、それぞれの睡眠段階に役割があります。まず、寝始めに訪れる深いノンレム睡眠3段階が「大脳の休息」、睡眠の中盤から後半にかけて増える浅いノンレム睡眠が「体の休息」、明け方に増えるレム睡眠が「心の休息」に関与していると考えられています。睡眠は深いだけではなく、深いノンレム睡眠と浅いノンレム睡眠、レム睡眠をバランスよく取れているのが良い睡眠のパターンです。
朝までぐっすり眠るには、「体温調整」が重要!
また、睡眠を朝までしっかり取るためには、実は体温の調整が非常に重要です。深部体温は、体の内側(内臓)の温度を言いますが、深部体温が下がると眠くなるという仕組みがあります。寝る4~5時間前が 1番体温のピークで、そこから徐々に体温を下げ始め、眠る準備を始めます。睡眠に入ると、さらに体温が下がり、起床の2~3時間前が最低体温となり、そこから徐々に体温を上げながら目を覚まします。つまり、体温が下がると眠くなる、そして体温のメリハリがあると熟睡できる、という仕組みなので、夕方の運動や就寝1~2時間前の入浴で一旦体温を上げることが効果的です。

快眠できる寝床の中の温度は約33℃、湿度は50%前後!
寝床の中の温・湿度を適切に調整するということも非常に重要なポイントです。快眠できる寝床の中の温度は、1年を通して約33℃。湿度が50パーセント前後です。これを決めるの「温度」「湿度」「気流」「体質」「着衣の保温性」「寝具の保温性」の6つの要素がポイントになります。
寝床内を快適に保つ6つの要素とは
①温度
夏は 25~28℃、冬は18~23℃程度くらいが快適。
②湿度
1年を通して40~60%がベスト。湿度も実は重要となります。睡眠中は体温を下げるために汗をかきます。その汗が布団に溜まり、放置すると寝具はダニの温床になりやすくなります。そのダニが原因で体に痒みが出て、不快感から眠れなくなるという悪循環も起こります。
③気流
室内の気流は、秒速0.5m以下がベストです。蒸し暑くても少し風があると涼しく感じるように、同じ温湿度でも気流があることによって体感温度は変わってきます。
④体質
同じ部屋でカップルで眠るとき、一方が暑がり、もう一方が寒がりの場合があります。寒がりな人が着衣の保温性を上げ厚着し調整、暑がりの人は寝具の保温性を下げるなど、それぞれ快適な温度を整えることが重要です。
⑤着衣の保温性
冬は首元や袖口、パンツの裾がすぼまっていると、冷気が入りにくく保温性が高まります。夏は開いていると通気性が高まり涼しく眠れます。冬でも睡眠中にはコップ1杯程度の汗をかくので、肌に触れる部分は吸湿性のよい天然素材を選びしょう。
⑥寝具の保温性
寝具を工夫して、寝床の中の温度を33℃程度に保てていれば、快適な眠りにつけます。睡眠時の寝床を快適な温度に整えるために、温度と湿度を調整できる空気循環機能付きマットレスなどがおすすめです。
教えてくれたのは…三橋美穂(快眠セラピスト・睡眠環境プランナー)さん

寝具メーカーの研究開発部長を経て独立。これまでに1万人以上の眠りの悩みを解決してきており、とくに枕は頭を触っただけで、どんな枕が合うかわかるほど精通。全国での講演や執筆活動のほか、寝具や快眠グッズのプロデュース、ホテルの客室コーディネートなども手がける。著書に『『オトナ女子の不調と疲れに効く 眠りにいいこと100』(かんき出版)ほか多数。https://sleepeace.com/
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