「どうして私はストレスに弱いの?」ストレスに強い人、弱い人の決定的な違いとは?臨床心理士が解説

 「どうして私はストレスに弱いの?」ストレスに強い人、弱い人の決定的な違いとは?臨床心理士が解説
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佐藤セイ
佐藤セイ
2024-11-25

「どうして私はストレスに弱いのかな」「なんであの人はストレスに強いんだろう?」そんな風に悩んでいませんか?実は、ストレスに強い人と弱い人には決定的な違いがあります。その違いとは、ストレスに直面したときに「対処できる!」と感じられるかどうか。では、なぜこのような違いが生まれるのでしょうか?今回は、ストレスに強い人と弱い人が持つ特徴を5つのポイントに分けて解説し、その違いと対処法を探ります。

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ストレスに強い人と弱い人の違い

ストレスに強い人とは、ストレスに出会ったときに「自分なら対処できる!」と確信できる人のこと。一方で、ストレスに弱い人は「もう無理だ」「どうしたらいいかわからない」と感じやすい人を指します。
この違いの背景には、「対処法をどれだけ多く持っているか」という要素が深く関係しています。ここからは、ストレスに強い人と弱い人の特徴を5つの観点から見ていきましょう。

自分の「強み」と「弱み」を理解している

ストレスに強い人は、自分の「強み」と「弱み」をよく理解しています。「強み」とは得意なことや好きなことであり、「弱み」とは苦手なことや嫌いなことを指します。この自己理解が、ストレスへの対処力を大きく左右します。

■強みを活かした対処法
自分の得意な分野を生かして問題を解決しようとするため、ストレスを感じることなく積極的に挑戦できます。

■弱みを考慮した対処法
「弱み」が絡む問題については、以下のような工夫をしてみます。

・距離を置く:無理に取り組まず、一度冷静になる。

・他者に任せる:その分野が得意な人に頼む。

・成長を待つ:スキルや知識を蓄えた後で改めて挑戦する。

「弱み」が関わった場合でも、適切な対処法が頭に浮かぶため、「もう無理だ」と感じることがありません。

一方、ストレスに弱い人は、自分の強みが認識できず、本来なら強みを活かして乗り越えられる問題も「無理だ」と諦めてしまいます。また、弱みが関わる問題への対処法は何も浮かばず圧倒されます。その結果、ストレスを感じてしまいます。

他者に頼れる

ストレスに弱い人は、「自分でやらなければ無責任だ」「自分の情けない姿を知られたくない」などの思いから、他者に頼ることができず、自分の手に余るような問題でさえ、自分で何とかしようと頑張り、疲れ切ってしまいます。

一方で、ストレスに強い人は他者に頼る」ことをポジティブに捉えています。

「苦手な部分を他者に助けてもらい、自分は得意な部分で貢献すれば良い」

「頼ることは弱さではなく、効率的な方法である」

と理解しているからです。

このような考え方が、上手にストレスを乗り越える力となっています。

多様な捉え方ができる

ストレスに強い人は、1つの出来事に対し、多様な考え方ができます。

例えば、「財布を落とした」という出来事に対して、

・「財布を落とすなんて最悪だ!」というネガティブな考え方

・「とにかく交番に行こう」というニュートラルな考え方

・「今日は千円札しか入れてなかったからまだマシだった」というポジティブな考え方

など、色々な考えが思い浮かびます。

「最悪だ」というネガティブな考え方しかできなければ、クヨクヨと思い悩み身動きがとれません。しかし、ニュートラルな考え方やポジティブな考え方も浮かべば、冷静さを取り戻しやすく、ストレスにも対処できる可能性が高まります。

問題を小さく分解できる

ストレスに強い人は、目の前の大きな問題を小さなステップに分解して取り組むことが得意です。

例えば、「2ヶ月で資格試験の準備をする」という課題がある場合は、

・月単位で必要な学習量を決める

・週単位、日単位にまで細分化し、毎日のタスクを明確にする

というように問題を整理し、少しずつ進めることで、大きな問題も乗り越えられます。

一方、ストレスに弱い人は、大きな問題に圧倒されてしまい、「どこから手をつければいいかわからない」と感じやすい傾向があります。

ストレス対処法をたくさん持っている

ストレスへの対処法を「コーピング」といいます。コーピングには主に次の2種類があります。

■問題焦点型コーピング

問題そのものを解決するためのコーピング。

(例)財布を落とした→道路を探す、交番に行く、新しい財布を買うなど

■情動焦点型コーピング

問題によるイライラモヤモヤなどネガティブな気持ちを紛らわすための気晴らしとなるコーピング。

(例)財布を落とした→友達に愚痴を言う、ゲームをする、お菓子を食べるなど

ストレスに強い人は、ストレスコーピングの方法をたくさん持っています。そのため、ストレスを溜め込む前に発散できているのです。

まとめ

ストレスに強い人になるためには、次の5つを意識することが大切です。

・自分の「強み」と「弱み」を理解する

・他者に頼ることを恐れない

・多様な視点で物事を捉える

・問題を小さく分解する

・コーピングの方法を増やす

これらを意識することで、「ストレスに対処できるかも」と思える自分に変われます。できることから少しずつ取り入れてみてくださいね。

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