生野菜サラダに食中毒リスクが?食中毒を防ぐためにすべきこととは|管理栄養士が解説
健康維持のために毎食のサラダが欠かせないという方も多いでしょう。また、暑い時期はさっぱりとした生野菜サラダが美味しいですよね。しかし、生野菜を使用したサラダが食中毒の原因となることも。特に抵抗力の弱い小さな子どもや高齢者がいる家庭では、食中毒を起こさないための十分な対策を施さなければいけません。この記事では、サラダによる食中毒を予防するためのポイントについて解説します。
サラダで食中毒を起こさないためのポイント
野菜に食中毒菌が付着していることは稀であり、付着していたとしても多くの食中毒菌は75℃1分以上の加熱で死滅します。しかし、サラダの野菜は加熱せずに使用することも多いため、適切に取り扱わなければいけません。
栄養たっぷりの新鮮な生野菜を安全に味わうためには、しっかりとポイントを押さえておきましょう。
食材を購入・保存するときのポイント
新鮮な野菜を選び、適切に保存することがポイントです。保存方法は野菜によって異なりますが、葉物野菜やトマトなど冷蔵保存が適したものは速やかに冷蔵庫に入れます。じゃがいもや玉ねぎなどは直射日光を避け、冷暗所に保存しましょう。
また、肉や魚介類から出た汁が野菜につかないようにすることも、食中毒予防対策の一つです。野菜と一緒に購入した肉や魚は、ビニール袋に入れて持ち帰りましょう。
サラダを作る際のポイント
サラダを作る前に、しっかり行うべきことが手洗いです。手にはさまざまな細菌が付着しています。手指についた菌の多くは人に害を及ぼしませんが、食中毒につながる菌がついている恐れもあります。必ずきれいに手を洗いましょう。
手を洗ったら、野菜を流水でしっかり洗います。水道水もしくは飲み水に適した水を使用しましょう。
包丁やまな板などの調理器具も清潔なものを使用します。洗って保管してある包丁やまな板でも、熱湯をかけてから使用するとより安全です。
切った野菜は細菌が繁殖しやすくなるため、作ったサラダは早めに食べることもポイントです。すぐ食べない場合は、清潔な容器で冷蔵保存しましょう。
お弁当として持ち歩く場合のポイント
生野菜を使用したサラダは水が出やすく傷みやすいため、お弁当には不向きです。夏場や長期間持ち歩く場合はなおさらおすすめできません。
もしサラダをお弁当として持っていきたい場合は、保冷剤を使用しましょう。
それでも持ち歩き時間や保存状態、野菜の鮮度によっては食べるまでに傷んでしまうケースもあります。食べるときに嫌なにおいがしたり味がおかしかったりした場合は、思い切って処分してくださいね。
手作りマヨネーズは注意が必要
サラダに使用するマヨネーズを、家庭で手作りする方もいらっしゃるでしょう。この手作りマヨネーズが食中毒の原因になることもあります。
一般的な市販のマヨネーズに使用する卵は加熱処理されている一方で、家庭で作るマヨネーズに使用されるのは生卵。そのため、サルモネラ菌による食中毒には注意が必要です。
マヨネーズを作る際は卵の衛生的な取り扱いを意識し、作ったマヨネーズはなるべく当日中に食べ切りましょう。
まとめ
サラダによる食中毒は、食材の選び方や保存方法など、少しの注意と工夫で予防可能です。新鮮な野菜で作るサラダは、健康や美容に欠かせない栄養素がたっぷり。食中毒のリスクを回避して、安全で美味しいサラダを楽しみましょう。
【参考文献】
AUTHOR
鈴木亜子
管理栄養士/ライター。大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。
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