更年期世代の腟、ヒリヒリしたり臭いが強くなるのはなぜ?婦人科形成医が教える原因と対処法
セックス中に痛みを感じ始めたら、腟の潤いが減少してきているサインです。そのまま放置しておくと、座っているだけでヒリヒリ痛みが出たり、イヤな臭いが出てくることも。詳しく解説します。
潤い不足は、オリモノ不足
更年期以降、女性ホルモンと同じように、オリモノの分泌量も減少します。もともとオリモノには、その潤いで腟の粘膜を保護する役割がありました。そのオリモノが減ると粘膜が乾いてくるので、ヒリヒリした痛みが出てくるんです。
喉の渇きと同じ、と言えばわかりやすいでしょうか。喉が乾くとヒリヒリしますよね? それと同じことが、腟で起きています。
腟内をキレイに保つお掃除機能
さらに、オリモノには分泌液の排出により、腟内を清浄に保つ役割もあります。ですが更年期以降になるとその分泌液が減り、雑菌が腟内に溜まってしまうため、嫌な臭いが発生してしまうのです。
これが、大人女性における腟の臭いの原因です。
ただ、いつもと違うキツい臭いの場合は、感染症の場合があるので、専門医に診てもらいましょう。
腟に潤いを届けるセルフケア!
腟の乾燥がひどくなり、ヒリヒリした痛みで日常生活に支障が出る前に、簡単にできる対処療法があります。お顔と同じように、腟も保湿してあげましょう。
今は、腟専用の潤滑ジェルが市販されていますが、おすすめは乳酸菌入りのもの。健康的な腟内は酸性ですが、更年期以降は自力で酸性を保ちにくいのです。乳酸菌で殺菌作用を取り戻し、バイ菌から体を守りましょう。
根本的に治したいという場合は、医療機関で膣レーザーという方法もあります。腟壁自体を治療できるので、自然に分泌液が出る状態になり、痛みや乾燥を軽減できます。
腟は体の一部なので、残念なことに老化していきます。大事なのは、そのまま機能が落ちていくのを放置するのか、適切なお手入れを施して快適な状態をキープしていくのか。自分らしくご機嫌に生きるためには、当然、後者を選びたいものです。
*更年期の潤い不足によって生じる性交痛については、以下の記事も参考にしてください。
AUTHOR
喜田直江
婦人科形成医。京都府立医科大学卒業後、産婦人科医として多数の分娩・手術症例を経験。平成15年より形成外科医として、形成外科の基本から縫合の技術まで幅広く習得。平成18年には大手美容外科にて美容外科・美容皮膚科全般を習得。とくに婦人科系の美容手術は、日本でも有数の症例数を誇る。平成23年10月、東京・銀座で「なおえビューティークリニック」を開院。
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