【れんこん豆知識】 赤や黒に変色したれんこんは食べられる?シャキシャキとホクホクの見分け方は?

 【れんこん豆知識】 赤や黒に変色したれんこんは食べられる?シャキシャキとホクホクの見分け方は?
AdobeStock
半田葉子
半田葉子
2024-01-16

秋から冬にかけて旬の蓮根(れんこん)。皮を剥かずに食べられ、あく抜きも必要がないことをご存知でしょうか。蓮根は風邪予防や健康維持として漢方にも使用される万能食材です。 今回はそんな蓮根の栄養や見分け方についてお伝えします。

広告

蓮根はおせち料理でも「先の見通しが良くなる」食べ物として縁起の良い食材のひとつ。仏教では蓮華(ハスの花)はお釈迦様が座っている花として、またヨガでも「蓮(ハス)のポーズ」や「ロータス」など身近な植物なのではないでしょうか。「蓮(ハス)」は植物名、「蓮根(れんこん)」は字のごとく「蓮の根」、地下肥大茎の部分を指します。

れんこん
photoAC

そんな蓮根ですが、皮を剥かずに食べられることをご存知でしょうか。
皮には実よりも多く栄養素が含まれており、中でも蓮根と蓮根のつなぎ目である「節(ふし)」はより栄養価が高く、節を粉末にした「節蓮根粉末」が販売されているほど。
実ではなく皮の部分にも、冬の私たちの身体にはとても嬉しい効能がたくさんあります。
 

皮つき蓮根の効能

蓮根の皮は薄く食感にもあまり大きく影響しないため、皮付きのままの調理が可能な食材です。
蓮根の実の多くは炭水化物(でんぷん)で、その他「ビタミンC」「食物繊維」「ポリフェノール」「カリウム」「タンニン」などが多く含まれており、抗酸化作用のある食材として知られていますが、それらの栄養素は皮の方に多く含まれています。
また中医学や薬膳などでは、蓮根は身体にこもった余分な熱を逃がし「肺」を潤す作用があると言われています。喉の渇きや痛み、咳や痰などの症状を和らげ、胃腸の不調にも役立ちます。

renkon
photoAC

中でも蓮根と蓮根のつなぎ目である「節(ふし)」は藕節(ぐうせつ)と呼ばれ漢方薬としても使用されており、肺や胃腸の不調に加え、喀血(かっけつ)* や鼻血、女性の不正出血の緩和としても使われています。

*咳と共に出血があること
 

蓮根を皮のまま食べるには

蓮根は泥の中で育ちます。

renkon
photoAC

泥のついた状態で購入した際は、しばらく水を張った容器に入れ泥を浮かせ、その後野菜ブラシやスポンジなどで優しくこすりましょう。土や泥のついた野菜は乾いた状態で無理にこするのではなく、しばらく浸水させておくと落ちやすくなりますので、ぜひ試してみてください。
節が付いている場合は端の部分をほんの少しカットし、できるだけ使うように意識してみましょう。
 

黒く(赤く)変色した蓮根は食べられる?

どちらも食べても問題はないと言われています。
黒く変色している蓮根は、蓮根に含まれるポリフェノールの一種である「タンニン」が空気で酸化した化学反応によるもの。タンニンは鉄に触れた場合も酸化の反応が起こるため、蓮根を鉄鍋などで調理した際も黒く変色します。赤味がかった蓮根もたまにみかけますが、これは土の中の鉄分に反応し生じるもので、黒色同様食べても問題はありません。
両者ともポリフェノールが多い箇所の色が変色しているだけとも言えます。
ただし、酸化はどんどん進みますので、保存する際は断面や穴の中に空気が触れぬよう、断面をラップで密閉することをお勧めします。

また、蓮根は素材の色を保つために酢水につけることで知られていますが、意外にも「灰汁(あく)」が少なく、あく抜きしなくても良い食材のひとつです。色を白く保つために酢水に浸ける場合は、浸ける時間が長すぎると風味が抜けてしまいますので、5分から長くても10分くらいにとどめておきましょう。
 

栄養素と「ホクホク」「シャキシャキ」の見分け方

実は生でも食べられる蓮根。れんこんは本来節同士が繋がっており、3~4節くらいまで育つと出荷されます。
 

蓮根
AdobeStock

1節目
写真一番手前の「芽」がついた蓮根。
一番若く比較的丸く小さな形状で、「シャキシャキ」とした食感。
抗酸化作用のあるポリフェノール(タンニン)やビタミンCも一番多く含まれています。実が柔らかく熱に弱いビタミンCが豊富な1節目は、生のサラダなどがおすすめ。

2~3節目
丸みを帯びてふっくらした形状で1節目同様「シャキシャキ」とした食感。
栄養素と食感のバランスも良く、天麩羅やきんぴら、さまざまな調理に向いています。


4節目
一番最初にできる蓮根。
肥大し一辺が長く、たんぱく質(デンプン)が多いため、火を通すと「ホクホク」とした食感。大きめにカットした煮物やすりおろして調理すると「もちもち」食感が楽しめます。

太く立派な蓮根が栄養豊富なイメージがありますが、実は小さく芽に近い「1節目」に栄養がギュッと詰まっています。
 

他にも、蓮根の花が咲いた後に収穫できる「蓮の実」も中華食材として多く利用されており、ご飯と一緒に炊くとホクホクしてとても美味しいだけでなく、精神を安定させる作用があるとも言われています。

自然食を取り扱っているお店などには、練り切り飴のような「蓮根生姜飴」や調理のつなぎや風邪予防としてお湯に溶かして飲める「蓮根パウダー」なども販売しています。空気が乾燥し、喉が渇きやすい冬に、蓮根を取り入れてみてはいかがでしょうか。

広告

AUTHOR

半田葉子

半田葉子

バウエル腸セラピスト/vegan菓子 [ 素果子|sugashi ] 店主 幼い頃から環境問題に興味を持つ。20代に心身のバランスを崩したことをきっかけに「からだに入れる選択」「免疫力」「心と身体のバランス」「出す力」の大切さに気づき、自然生活に活かせる食や腸を学びはじめる。会社員、自身のカフェでの菜食調理、地方veganカフェの立ち上げやメニュー提供、海外のオーガニック事情調査、腸講師などを経て、「からだ想いのお菓子を」とオンラインストア [ 素果子|sugashi ] を始動。お菓子作りを続ける傍ら、 長年のマクロビオティック生活と自身の経験や知識を活かし、個人の体質改善カウンセリング・腸マッサージの施術を行っている。InstagramID:kurashinotane_



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

れんこん
renkon
renkon
蓮根