疲れた胃腸と冷えた心身に染みる「セリとブリの粕汁」【管理栄養士のスープレシピ】

 疲れた胃腸と冷えた心身に染みる「セリとブリの粕汁」【管理栄養士のスープレシピ】
Saki Takanami
高波紗希
高波紗希
2023-01-23

体の栄養だけでなく、心にも栄養を。心で味わいほっと自分に還ってこられるようなスープのレシピを、管理栄養士の高波紗希さんに連載形式で教わります。

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今回は、年末年始で疲れた胃腸を、優しく労ってくれる腸活スープをご紹介いたします。具材の味が染みてよりまろやかになり、翌日でも美味しくいただけますよ。

兵庫県の郷土料理「粕汁」

東京出身の私は、数年前まで粕汁と縁がなかったため、はじめて口にした時はとても衝撃でした。

白味噌と酒粕による、まろやかで優しいおだしが心身に染み渡り、ホッと肩の力を抜いてくれれような安心感。

乳製品を使っていないから、シチューではないのだけど、和風のシチューを食べているような、新しいけど懐かしい味です。

粕汁の発祥は、酒蔵メーカーが数多く集まる兵庫県神戸市と言われていて、現在では関西地方を中心に親しまれています。

大根や人参などの根菜類と、魚類の組み合わせで作られることが多く、油揚げやこんにゃく、つまいもやお餅を加えたりと、地域によって自由自在だそうです。皆さんも、お好みの具材でアレンジして楽しんでくださいね。

「粕汁」の効能

酒粕には「レジスタントプロテイン」という、たんぱく質なのにも関わらず、食物繊維と似た作用をしてくれる成分が含まれています。

食物繊維と同じように、胃腸で分解されないため、コレステロールを吸着して体外へ出してくれることで、コレステロールを低下させ、肥満を抑制してくれます。

他にも、発酵による効果として、免疫力の向上や美肌効果など、カスと呼ぶには申し分ないほどの嬉しい効果が期待できます。

今回は、今が旬の個人的に大好きなセリと、ブリを合わせてみました。

セリ独自の爽やかな香りと歯応え、ブリの旨味に癒されます。

胃腸が弱っていたり、芯から冷える日にこそ、是非お試しいただき、心身をやさしい栄養で満たしてあげてくださいね。

疲れた胃腸と冷えた心身に染みる【セリとブリの粕汁】の作り方

粕汁
Saki Takanami

材料(2人分)

・大根...60g
・人参...40g
・せり...4束
・ブリの切り身...一切れ 
・白味噌...大さじ2 
・味噌...大さじ1
・酒粕...大さじ2
・昆布...4cm
・水...400ml

作り方

下準備:昆布は水につけて、15分以上置いておく(前日からつけて冷蔵庫に入れておいても)。鍋に昆布を入れた水を火にかけ、沸騰前に昆布をは取り出す。

1. ブリに塩をひとつまみ(分量外)をふりかけ、グリルで7分焼く。大根と人参は、いちょう切りに。せりは、根元を切り落として3cm幅に切る。

2.昆布だしを鍋に入れ、大根と人参を入れ強火にかける。沸騰したら弱火に落とし、焼いたブリとセリを入れてひと煮立ちさせる。

3.ほぐした酒粕と味噌を、こし器を使って溶き入れる。火を弱め、さらに3分ほど煮て全体をなじませる。器に盛り、お好みで黒胡椒をかける。

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高波紗希

高波紗希

管理栄養士。11年間に渡る摂食障害を「食とこころ」と向き合い、整えることでありのままの自分を認め克服した経験から【 自分を大切にする、食とこころの栄養学 】をテーマにSNSで発信をしている。食べることに対する罪悪感や、生きづらさを感じている方に向けて、素材を大切にしたグルテンフリーの料理教室やレシピ提供、講座、相談室など多方面で活動している。



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