世界の研究者が警鐘!長時間の座りっぱなし習慣が招く恐るべき「健康リスク」とは?
最近の研究で、長時間の座りっぱなしがもたらすリスクについて、より詳細な情報が明らかになりました。
長時間座っていることが健康に害を及ぼすことは、新しい情報ではありませんし、皆さんすでにご存知のことと思います。スマホやフィットネス腕時計から、1日中立ち続けるようにとのリマインダーを受けとっているかもしれませんね。そしてこの度、1日の中で立っている時間がいかに必要で、長時間座っていることがいかに危険であるかを示す研究が発表されました。
学術誌JAMA Cardiology(ジャーマ・カーディオロジー)に掲載された今回の研究は、サイモン・フレーザー大学と中国医学科学院の研究者が主導し、長時間座ることに関連する健康リスクについて調査したものです。研究者らは、長時間の座り仕事(1日のうち座っている時間が長くなること)の割合が高いと、参加者は心血管疾患と早期死亡のリスクが高くなることを発見しました。さらに、座っている時間の長さに関連するリスクは、低所得国や低中所得国においてより一般的であることがわかりました。
この研究では、1日8時間以上座っている参加者は、1日4時間未満の参加者に比べて、関連する健康リスク(心臓血管疾患と早期死亡)を経験する確率が17~50%高くなりました。
なぜ、この研究に注目すべきなのか
今回は、21カ国の35〜70歳までの10万人以上の人々が研究に参加し、このテーマに関する最大規模の調査のひとつとなりました。また、この研究のタイムラインは広範囲で、長時間の座りっぱなしがもたらす将来の影響について、さらなる本質を見抜いています。この研究の研究者は、2003年から2021年まで参加者を追跡し、およそ18年分のデータをまとめました。(参加者の平均追跡期間は11.1年でした)。
長時間の座りっぱなしがもたらす健康リスクに関するこれまでの研究は、より少人数の参加者を対象としていましたが、今回の包括的な調査は、そうした以前の結果を反映するものでした。2017年には、約8,000人の成人を対象とした研究でも、1日を通して長時間座っている量が多いと、早期死亡やさらなる健康リスクと関連する可能性があると結論づけています。
では、一体なぜ座ることが体に悪いのか
座り方(もちろんここでは姿勢のことを指します)や座る時間によって、健康への影響は異なります。しかし、長時間座っていると、下肢にむくみや痛みを生じることがあると医師は指摘しています。まれに、この部分に血液が溜まって血栓ができる可能性もあります。また、長時間座っていると背中が痛くなるという人は、猫背が原因で背骨に負担がかかっている可能性があります。つまり、長期的な健康リスクだけではありません。長時間の座りっぱなしは、日常的にイライラするような痛みにつながるのです。
この結果を受けて、研究者は身体活動を増やし、座りっぱなしの時間を減らすことの必要性を指摘しています。ソファはとても快適でしょうが、健康のためには立ち上がることに勝るものはないのです。立って休憩したいとき、ちょっとした練習をしたいとき、数分でもいいから椅子から立ち上がるサインです。やはり、健康のためですから。
教えてくれたのは・・・エレン・オブライアンさん
エレン・オブライアンはヨガジャーナル のスタッフライター。
ヨガジャーナルアメリカ版/「These Researchers Are Telling You to Stand Up (Yes, Like Right Now)」
AUTHOR
ヨガジャーナルアメリカ版
全米で発行部数35万部を超える世界No.1のヨガ&ライフスタイル誌。「ヨガの歴史と伝統に敬意を払い、最新の科学的知識に基づいた上質な記事を提供する」という理念のもと、1975年にサンフランシスコで創刊。以来一貫してヨガによる心身の健康と幸せな生き方を提案し続けている。
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