子育てや介護、仕事や夫婦の悩み…更年期に様々なストレスが重なる人にまずやって欲しいこと

更年期はご自身の体だけではなく、仕事・家族・人間関係など様々なストレスが重なる時期になります。これまで300件ほどのご相談にのっているのですが、ご相談者の中で共通する課題が見受けられたので今日は更年期とストレスが重なる方にまずやって欲しいことをお伝えしたいと思います。

まずは自分の体を整える

更年期で不調を抱えているときに子育てや介護、仕事や夫婦の悩みなどが重なるこの時期。皆さんとにかく短期間に全て解決したいと思われます。

しかし、自分の体以外のことは子供や親、パートナーや職場の人間など「自分とは違う人間」が介在するため、短時間での解決はとても難しいのが現実です。嫌味な上司を変えること等ほぼ不可能に近いでしょう。

確かにストレスが更年期症状を悪化させている場合も事実。だからこそこういったときは「まず自分でできること」＝「自分の体を整える」から対処することが必要となります。人によっては「休職する」という選択肢があるかもしれません。

不眠が出ているのであれば不眠を解消する。まだ受診をしていないのであれば受診をすることから始めましょう。

私自身不調になり家庭や仕事で色々問題を抱えた時に最初に着手したのは「自分の体を整える」ことでした。結果それが一番近道でした。

なぜならストレスフルな状況に対応できるだけの「健康な体と心」が必要になってくるからです。

受診し生活を整える

「自分は更年期だ」という思い込みも時に恐ろしい事態を招くことがあります。不正出血で更年期だと思っていたら子宮がんだったという人も知っているからです。とにかく不調が出ているところについて受診してみましょう。

「既に受診をしている」「更年期障害と診断を受けている」という人は、生活を整えていきましょう。むしろガンなど命を脅かす病気でなかったというプラスの面に目を向けましょう。

きちんと睡眠はとれていますか？理想は睡眠薬などの力を借りなくてもぐっすり眠れることです。初期は薬に頼ったとしても、少しずつ薬なしでも大丈夫にしていくのは生活習慣になります。朝決まった時間に起きて朝の日光を浴びての通勤や散歩はおススメです。

理由は更年期になると女性ホルモン（エストロゲンの低下）に伴うセロトニンの低下が指摘されているからです。セロトニンというのは脳で言うと指揮者のような役割で、興奮や不安を感じる様々な脳ホルモンを調整する役目があるからです。

セロトニンの量が減ってくると不眠にも影響します。しかし、朝起きて15分～30分ほど外を歩けばセロトニンが分泌されて夜眠りやすくなると言われています。

また定期的に体を動かすことも大切です。最初は辛くてなかなかできなくても窓から太陽の光を朝5分浴びることから始めてみる、とかエスカレーターの代わりに階段を使う、など「これならできそう」なことを取り入れてください。最初からの無理は禁物です。

自分の体が整うとストレス源にも対処できるように

自分の体が整うと、少しポジティブになれます。完全に良くなっていなくても「前より眠れるようになれたな」とか「マッサージして楽になってきたな」という実感だけでも大丈夫です。そうするとストレス源に対しても違った見方ができるようになってくるので「違う視点からみる」練習が始められます。

またそんな時はカウンセリングなども有益でしょう。体調が回復していると考え方も柔軟になっていますから、「今後どうストレス源に対処していくか」をカウンセラーと整理していく事もできます。

ですからどうぞ「ストレスで更年期の不調がひどくなっている！」という方はまず自分の体を整えることに集中しましょう。体を整えながら不安になるときは早くからカウンセリングなどご利用になられても良いかもしれません。