朝食が食欲に大きく影響?止まらない食欲を抑えるバクダン丼とは|管理栄養士が教えるダイエット朝食
近年、タンパク質で食欲がコントロールできることがわかっています。米やパン、グラノーラなどの糖質単品で済ませようとしても、炭水化物ばかりが満たされてタンパク質が満たされないため、食欲は延々と続くことになります。 また、胃から脳の満腹中枢に信号が伝わるまで20分ほどの時間がかかると言われているため、食事時間は30分ぐらいかけて、ゆっくり楽しむことも重要です。食物繊維は胃に溜まって、食欲にブレーキをかけてくれます。 同じ朝食でも、タンパク質と食物繊維を組み合わせるだけで、止まらない食欲を抑えることができるのです。
食欲をコントロールする『タンパク質』と『食物繊維』
近年、タンパク質で食欲がコントロールできることがわかっています。つまり、米やパン、グラノーラなどの糖質単品で済ませようとすると、炭水化物ばかりが満たされてタンパク質が必要量に満たされないため、食欲は延々と続くことになります。
また、胃から脳の満腹中枢に信号が伝わるまで20分ほどの時間がかかると言われているため、食事時間は30分ぐらいかけて、ゆっくり楽しむことも重要です。この時、味方につけたいのが食物繊維です。野菜や海藻、キノコ、豆などに豊富に含まれる食物繊維は胃に溜まって、食欲にブレーキをかけてくれます。
このように同じ朝食でも、タンパク質と食物繊維を組み合わせるだけで、止まらない食欲を抑えることができるのです。
食欲をコントロールする朝食『バクダン丼』
タンパク質
1日のタンパク質摂取推奨量は18歳以上の男性で60〜65g、女性で50g(日本人の食事摂取基準2020年版)です。目安としては、運動習慣のある人は体重×1.5〜2.0g、運動習慣のない人は体重×1.0〜1.2の計算式で求められます。たとえば、タンパク質の必要量50g/日の人が、3食に分けて食物繊維を摂るのであれば16.7g/食となります。
忙しい朝でも手軽に摂取しやすいタンパク質は納豆、卵、しらす、マグロの刺身などです。
納豆はタンパク質も食物繊維も摂れる万能選手です。卵、しらす、マグロも栄養満点ですが、この中で食物繊維が摂れるのは唯一、植物性タンパク質の納豆ならではです。納豆1パック(50g)あたりのタンパク質量も8.3gと大変優秀で、冷蔵庫に常備しておきたい食品の1つです。
卵は食物繊維とビタミンC以外の栄養素が全て摂れる完全食です。納豆にはないビタミンDも豊富に含まれています。ビタミンDは骨の健康を保ったり、免疫機能を調整するだけでなく、筋肉の合成にも関与しています。卵1個(50g)のタンパク質量は6.1gです。
しらすはいわしなどの稚魚です。これだけ小さい魚ですが、骨や内臓まで丸ごと食べられるので、タンパク質はもちろん、ビタミンD、鉄、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなど… 私たちが普段不足しがちな栄養素までバランスよく摂ることができます。中でもカルシウムの含有量は4つの食品の中で断トツに多く含まれています。しらす50g(大さじ4杯程度)のタンパク質量は12.3gです。
マグロはタンパク質の他、エネルギー代謝を助けるビタミンB群や鉄が多く含まれています。マグロの刺身5切れ(約50g)のタンパク質量は、12.2gです。
これらの中から1品だけでも、複数組み合わせても美味しいバクダン丼になります。
食物繊維
食物繊維の1日摂取目標量は男性が21g、女性が18gです。6〜7g/食の食物繊維を摂るためには、野菜や海藻、きのこ、豆、芋類などを片手1杯程度摂るように心がけましょう。
朝食でも手軽に食物繊維が摂れる食品には、納豆、大根おろし、香味野菜(ネギ、シソ、ミョウガなど)、オクラ、山芋とろろ、海藻類(海苔、めかぶなど)、なめたけ、ぬか漬けなどがあります。夕食の野菜おかず(きゅうりの酢の物、ひじき煮、切り干し大根煮など)が残っていれば、それを活用するのもおすすめです。
納豆の食物繊維は1パック(50g)当たり3.4g程度ですので、納豆だけで食物繊維を補おうとすると、1食で2パック摂る必要があります。
大根おろしは食べ過ぎ傾向な方におすすめしたいトッピングです。生の大根に含まれる酵素は消化を助け、胃もたれや消化不良を解消してくれます。
ネギやシソ、ミョウガなどの香味野菜は停滞する気を巡らせることで血液の循環を良くします。胃腸を温めて発汗することで食欲不振を防ぎます。
オクラや山芋とろろ、海藻類、なめたけなどに多く含まれる水溶性食物繊維は、糖質の吸収を遅らせて血糖値の急上昇を防ぐため、ごはんとの組み合わせは適しています。ぬか漬けはきゅうりや大根、青菜、人参などを細かく刻んでトッピングします。豊富な乳酸菌は食物繊維とともに腸内環境を整えます。
いずれも私たちの栄養となり代謝を高めてくれる食材ばかりです。複雑に考えず、片手1杯分の食物繊維を取り入れてみることから始めてみましょう。もし、朝食から野菜を取り入れるハードルが高ければ、ごはんに水溶性食物繊維が豊富なもち麦をプラスして炊くのもおすすめです。
今日も頑張りすぎない食トレで、燃える一日をお過ごしください!
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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