旬の新玉ねぎで卵かけごはんの燃焼効果がアップする?おいしい食べ方|管理栄養士のダイエット朝ごはん
ダイエット朝食の連載で最も重要に考えているのが『糖質単品の食事にならないこと』です。卵かけごはん(TKG)よりもごはんだけの方が低カロリーなのでヘルシーに思えるかもしれませんが、痩せたいのであればTKGを選びましょう。 卵は不足しがちなタンパク質やビタミンD、鉄分などを豊富に含む食材です。ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含むため、時間のない朝でも手軽に代謝アップできます。さらに、米飯は単品で食べるよりもタンパク質と一緒に食べた方が血糖値の上昇も穏やかになることがわかっています。 今月のTKGは、旬の新玉ねぎを使ったコンディショニングです。
今月のダイエットTKG『おかかたまねぎの卵かけごはん』
ダイエット朝食の連載で最も重要に考えているのが『糖質単品の食事にならないこと』です。TKGよりも米飯だけの方が低カロリーなのでヘルシーに思えるかもしれませんが、痩せたいのであればTKGを選びましょう。
卵は不足しがちなタンパク質やビタミンD、鉄分などを豊富に含む食材です。ビタミンCと食物繊維以外の栄養素をすべて含むため、時間のない朝でも手軽に代謝アップできます。さらに、米飯は単品で食べるよりもタンパク質と一緒に食べた方が血糖値の上昇も穏やかになることがわかっています。
ここでは、いつものTKGに2つの要素を加えて、ダイエット効果を高めましょう。
①やさいの具材:新玉ねぎ
年中出回っている茶色の玉ねぎは、新玉ねぎを乾燥して保存性を高めたものです。栄養価的には、玉ねぎも新玉ねぎも変わらないと言われています。
玉ねぎのにおい成分である「硫化アリル」は、糖質をエネルギーに変える際に不可欠なビタミンB1の吸収を高めたり、抗血栓作用で血液をサラサラにしたりする働きがあります。血行が良くなれば、スムーズに栄養素や酸素が運べるようになり、食べたものを燃焼しやすくなります。同時に体温も上がるため、さらなる血流改善につながります。
この硫化アリルは水に溶けやすく、熱に弱い性質を持っているため、効率的な栄養補給には、生食での摂取が適しています。新玉ねぎは収穫後に乾燥させないため、みずみずしくて甘く、生食でも美味しく食べられます。また、スライスした玉ねぎを水にさらしてしまうと硫化アリルは、水に流れ出てしまいます。新玉ねぎは水にさらさなくても辛味が少ないので、ぜひ、そのまま食べてみてください。
②トッピング:かつおぶし
環境や気圧の変化でストレスが多い春は、その発散法がダイエットの大きなカギを握っています。ストレスは自律神経を乱して暴飲暴食に走らせたり、便秘を悪化させたり、気血の巡りを悪くして代謝を下げたり… 痩せにくい体質の原因となります。ここでおすすめしたいのが「香り」によるストレス発散法です。
かつおぶしの美味しさは、アミノ酸やペプチド、有機酸、ミネラル、ヌクレオチドなどに由来する五味(旨味、 苦味、酸味、甘味、塩味)と400種類を超える香り成分によって構成されています。例えば、アミノ酸の1 種である「ヒスチジン」は苦味として味を構成するだけでなく、抗酸化作用が疲労回復に働くこともわかっています。
私はアスリートの水分補給にも「かつおだし」を推奨しています。これは疲労回復の効果だけでなく、試合中のミスなどで感情が昂り、気持ちを切り替えたい時に取り入れているものです。かつおだしの心をととのえる効能はいくつか報告されていますが、私はその中でも香りに注目しています。嗅覚は、味覚の1万倍以上の感度を持ち、その伝達経路も理性を司る部分に直結しているのだそうです。実際、かつおだしの香りがその記憶を介して副交感神経を高めてくれることもわかっています。普段、旨味に慣れ親しんできた日本人にとって、だしはより本能に近い部分にアプローチできるものなのかもしれません。
感情が昂りやすい春の時期にぜひお試しください。
頑張らない朝食で今日も燃える1日を。いってらっしゃい!
AUTHOR
石松佑梨
サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。
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