汚部屋の住人だった整理収納アドバイザーakiさんが「部屋を整えると心も整う」と話す理由

 汚部屋の住人だった整理収納アドバイザーakiさんが「部屋を整えると心も整う」と話す理由
『1秒片づけ』より

片付け・収納と聞いただけで、自分には無理!と拒否反応を示す人や苦手意識を持つ人も多いもの。でも、そんな気持ちを一番理解しているのは、スッキリとした暮らしを発信している、人気インスタグラマーのakiさんかもしれません。彼女のインスタグラム「@shiroiro.home」では、白を基調とした、ミニマリストのような素敵なインテリア写真が続きます。でも、わずか5年前は、彼女は周りが引くほどの「汚部屋」の住人だったとか……。

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掃除は「基本しない」生活を送っていました

「昔から大雑把な性格で、実家にいた頃も、自分の部屋は『基本掃除はしない』という生活を送っていました。掃除する時間があったら、昼寝かバイトがしたい。掃除をする時間はもったいないと言うよりは、掃除という概念が頭になかった! という感じです。みかねた母がしてくれていたんですが、モノの場所が変わってしまうので、私とっては迷惑でしかなかったんです(笑)」と語る、akiさん。ふんわりした雰囲気からは、まったく想像できない発言です。

「なので、部屋はいつも『基本汚い』(笑)。今の夫である当時の彼氏を家に初めて招いた日も、当然掃除はしていない状態で招いているので『なにこの部屋!』ってびっくりされて(笑)。掃除や収納をするのは、夫や母にお任せ。私自身は、全然興味がありませんでした」(akiさん)

そんなakiさん、いつ掃除・収納に目覚めたのでしょうか?

辛い現実から逃げるために1年間引きこもっていたakiさんを変えたもの

「実は、3人目の子供を死産してしまって……。ショックで、1年ほど引きこもっていました。でもある夜、なぜか知らないけど『次の日に雑巾掛けをしたら、スッキリするだろうな』と思ったんです。今までそんなことしたこともなかったのに。なんでだろうと思ったけど……実際、翌日にやってみたら、気持ちがスッキリして」(akiさん)

掃除中は、悲しい現実を忘れることができ、掃除が終われば、床がキレイになっている。この出来事をきっかけに、akiさんは「掃除って良いな」と初めて思ったそうです。

「掃除が楽しいから、その範囲をどんどん広げていきました。見えるところだけじゃなくて、引き出しの中もキレイにしたくなって。せっかくやるなら自分流じゃなくて、ちゃんとやってみたいなと思って、当時女性誌に広告が載っていた『整理収納アドバイザー』の資格を取ろうと決めました。そうやって行動に移せたことで、当時はずいぶん気が紛れました」(akiさん)

その成果は、akiさんのインスタや新刊を見れば、一目瞭然。家中いたるところにakiさんならではの「使いやすい工夫」が施されており、多くの人たちのお手本として、今やフォロワー数が、26万人を超えるまでに!

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akiさん宅のダイニングとキッチン(『1秒片づけ」より)

でも、akiさんが「収納」で得たものは、整理整頓された空間だけではなかったのです。

「自分で決める」ことができるようになった

「片付けや収納を好きになる前の昔の私は自分に自信がなくて、人間関係で『どうしよう、どうしよう』と悩んだり、人に頼ることが多かったんです。あとは、"こうあるべき"といったような周りの価値観に縛られていたりしていました。例えば、部屋がぐちゃぐちゃだった頃は、『飲み会などに誘われたら予定がなければ参加すべき』と思っていました。せっかく誘ってくれたのに断るなんて人として良くない、とか思ってて、多少自分が疲れていたり負担があっても無理して参加するようなこともありました。また、同僚の愚痴を聞くことも多かったのですが、必要以上に共感してはそれに振り回されて。これもおそらく、愚痴を言われたら嫌でも共感して聞くべきって思い込んでいたのかもしれません。

でも収納を楽しんで進めていくうちに、いる(使ういらない(使わないを日々判断していく作業、自分で判断する・決めていくという行動が増えていき、その思考が自分の中で当たり前になりました。これが人間関係にも作用して、常に冷静に感じることもできるようになったんですね。飲み会に誘われても予定がないけど、行きたくないなと感じたらすぐ断れるようになりましたし、愚痴を吐いている人に対しては『この人、時間を無駄にしてるな』と思うように。それに振り回されていた自分も『何してるんだろう?』と、客観視できるようになったんです」(akiさん)

徐々にシンプルに生きていけるようになって、常に自分に正直に、そして嫌なことはしないというマインドが定着したakiさん。

「他人ファーストから、自分ファーストになったという感じでしょうか。そして自分と相手を切り分けて考えられるようになったので、人間関係のトラブルが激減。以前は抱え込んで悩んでいたことも、直接その人に伝えるようにしたら、時間的に解決も早いし、お互い気持ちがいいんですよね」(akiさん)

さらに、収納の効果は家族にも大きな影響を及ぼしたそうです!

夫婦関係が、より親密になった

「私の収納の基本は『使いにくい』ところを見つけて、すぐにそこを変えていくというスタイルなのですが、これ夫婦関係も同じだなって気づいたんですよね。夫とはお互い、嫌なことやムカつくことがあったらその日その瞬間に言うようにしています。そうすると、すぐ解決して、ストレスもほぼゼロになるんです。もともと喧嘩はあまりしない夫婦でしたが、今は隠し事もない、より親密な関係になれたと思います」(akiさん)

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夫との関係も以前より親密に!(『1秒片づけ」より)

そして、まだ小学生のお子様は、すでに自分のおもちゃなどを片付けることが習慣になっているそう。

「子供には、片付けというより『いる、いらない』をゲーム感覚で仕分けさせています。すでにもう、私よりもサクサク区別ができるようになりました。これは、将来彼らが人生の岐路に立った時、きっと役立つだろうという気がしています」(akiさん)

収納で家を整えたことで、メンタルや人間関係まで、好転し始めるーーそんないいこと尽くめの「収納」を始めるなら、何から手をつければいいでしょうか?  

「収納って、ハードルが高いイメージがあるみたいですね。一回手をつけると、ずっとしなくちゃいけないみたいな。けど、そうじゃないんです。掃除を基本しなかった私ができちゃってるくらいなので、みなさんでも大丈夫。絶対にできます!(笑)おすすめは、小さなスペースから始めること。例えば化粧ポーチとか化粧ボックスなど、毎日頻繁に使う場所やスペースから始めるといいと思います。時間もかからないし、整えた次の日から『使うのがラクだな~』とか、そういう良い感情が得られます。そうすると、次も!という欲が自然と出てくる。そうなると、収納=楽しいと思えるようになって、自然とどんどん進めることができると思います!」(akiさん)

*インタビュー後編では、akiさんが心と体をラクにするためにしている方法をご紹介します!

プロフィール:akiさん

整理収納アドバイザー。インスタグラムのフォロワーは26万人。夫、子供2人の4人家族。無理なく楽しく、試行錯誤しながら見つけだした、白を基本としたズボラ収納法がSNSで話題に。2冊目の著書『1秒片づけ』が2022年5月12日に発売開始(予約受付中)。

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『1秒片づけ』著者・shiroiro.home aki 1,430円(税込)/学研プラス

 

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Text by Yuki Ikeda

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ヨガジャーナルオンライン編集部

ヨガジャーナルオンライン編集部

ストレスフルな現代人に「ヨガ的な解決」を提案するライフスタイル&ニュースメディア。"心地よい"自己や他者、社会とつながることをヨガの本質と捉え、自分らしさを見つけるための心身メンテナンスなどウェルビーイングを実現するための情報を発信。



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