【ヨガ×医学】医師兼ヨガセラピストが考案「コロナ禍で見失った心」と繋がるヨガと呼吸法

心と再びつながるシークエンス

体のある部分に注意と意識を向けて癒しのエネルギーを呼び込む、というと抽象的に聞こえるかもしれないが、研究では、体の一部に意識を向けながら動作を行うと、その部分に著しい回復や機能向上がみられることが明らかになっている。このシークエンスではボルスターやブランケットを用意し、太陽礼拝でウォームアップしてから、精神的なイメージと身体的な動作を通じて自分と世界、そして人々との繋がりを再構築していく。―イングリッド・ヤン医学博士

1. カマトカラーサナ（ワイルドシング）

アドームカシュヴァーナーサナ（ダウンドッグ）の姿勢から、右足で地面を力強く踏んで、左脚を上げる。左の膝を曲げて、右足の外縁に体重を移しながら、体をゆっくりと左に開いて回転させる。左足を後方の地面に下ろしていき、つま先が地面についたら、左手を空に向かって伸ばし、胸の中心を引き上げる。息を吸って左手を胸にあてる。自分の鼓動を感じながら、生命の源とつながろう。ホールドして３～５回呼吸をしてから、ゆっくりとダウンドッグに戻る。反対側でも同様に行う。

2. ウールドゥヴァムカシュヴァーナーサナ（アップドッグ）

ダウンドッグからプランクポーズに移行したら、体を地面に下ろして両脚を伸ばし、つま先を後方に向ける。マットについた手のひらを胸の横に移動し、指を大きく広げる。肘を伸ばして胸を前に押し出しながら引き上げる。足の甲で地面を押して、太腿をマットから浮かせ、つま先から心臓に向かって湧き起こる、愛に満ちた力強いエネルギーを感じよう。鎖骨を左右に広げ、肩甲骨が胸の裏側で優しく支えている様子を思い浮かべよう。このまま３～５回呼吸する。

3. シャラバーサナ（バッタのポーズ）

アップドッグからうつ伏せになり、両腕を体の横に伸ばす。息を吸いながら、頭、胸、腕を床から浮かせる。肩甲骨を背骨に寄せて、胸を大きく開く。首とあごの力は抜いて、目線を前に。次の呼吸で脚全体を床から浮かせて、骨盤とお腹を地面に安定させる。指先は真っすぐ後ろに伸ばすか、背中の後ろで組む。軽やかに飛ぶ鳥のように高まる心を感じよう。３～５回呼吸をしたら、全身を地面に下ろす。

4. ヴィーラバッドラーサナⅠ（戦士のポーズⅠ）

バッタのポーズからダウンドッグに移行する。右足を両手の間に踏み出し、左足のつま先をやや外側に向ける。息を吸って右膝を90度に曲げながら、両腕を空に向かって伸ばす。両足でしっかりと地面を押しながら、胸をやや後方に倒して引き上げる。ハートのエネルギーが腕から手、指先へと伝わり、世界とつながっていく感覚を味わおう。５～10回呼吸をしたら腕を下ろし、ダウンドッグに戻る。反対側も同様に行う。

5. ヴィパリタヴィーラバッドラーサナのバリエーション（戦いをやめた戦士のポーズ）

右足を前に出して戦士のポーズⅠに戻る。左足のつま先をマットの長辺に向けて、肋骨と胴体を左側に開く。足の裏で地面を押しながら、両腕をマットと平行に左右に伸ばして戦士のポーズⅡに入る。右手のひらを上に向ける。息を吸い、左手を左腿の裏側に沿って下ろしながら、右手を空に向かって伸ばす。胸、胸郭、上背部が大きく開くのを感じよう。息を吐いて、左手をあなたの強くしなやかな戦士の胸にあてる。３～５回呼吸し、ターダーサナ（山のポーズ）に入る。反対側も同様に行う。