女性ホルモンに限らず、全身に関わるホルモンのコントロールやストレスの感知などは脳の視床下部で行われています。これらは生命の維持に関わる大切な役割。自律神経のコントロールもその大切な役割のひとつです。
司令塔である視床下部から卵巣に対して「女性ホルモンを出して!」という命令が出ると、通常はその命令を受けてホルモンを分泌します。しかし卵巣も年齢とともに機能が低下し、命令を受け取っても思うようにホルモンを分泌しにくくなります。それにより視床下部が「もっとホルモンを出しなさい!」とパニックを起こすことで、自律神経が乱れやすくなるとされています。更年期世代の睡眠に関する悩みはここが原因かもしれません。
そんなとき試してみてほしいのが耳ヨガです。ふだんはあまり意識することのない耳ですが、積極的に動かすことで次のような効果があげられます。
こうした効果により、睡眠の質を上げることも期待できるのです。また睡眠には内面の問題だけでなく、環境も重要になってきます。【眠りの質を下げ日中のパフォーマンスを下げる3つの生活習慣と改善のための簡単ストレッチ】の記事では、眠りを妨げやすい習慣もご紹介しているので普段の生活と照らし合わせてみてください。
① 親指と人差し指で耳の上の方をつまみ、息を吐きながら上方向に引っ張る
② 同じように耳の下の方をつまみ、息を吐きながら下方向に引っ張る
③ 今度は真ん中あたりをつまんで、息を吐きながら外側に引っ張る
④ そのまま手を離さず、内回しと外回しを5周ずつ行う
⑤ 両手の手の平で耳をふさいで、目を閉じ、自分の呼吸音に意識を向ける(親指で耳の穴をふさぎ、残りの指で目をおおって光を遮ってもOK)
睡眠に満足感が得られないと日中のパフォーマンスの低下や気分の落ち込み、イライラにもつながります。
少しでも快適に次の日を過ごすためにもセルフケアで睡眠の質を高めていきましょう!
監修医師/冨田理紗子先生
医療法人 静和会浅井病院 精神科部長救急部門担当。川崎医科大学を卒業後、日本医科大学精神神経科入局。平成23年から静和会浅井病院に非常勤、平成25年から常勤として勤務し、現在精神科部長救急部門担当。