巷でよく聞く「ウェルビーイング」って何?私たちが日常的にできることは|臨床心理士が解説

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巷でよく聞く「ウェルビーイング」って何?私たちが日常的にできることは|臨床心理士が解説

南 舞
南 舞
2021-05-21

最近様々な場所で聞く機会が増えている【ウェルビーイング】という言葉。一体どんな概念なのでしょう?

ウェルビーイングとは?

ウェルビーイング(Well-being)とは、身体的・精神的・社会的に良好な状態にあることを意味する概念です。1948年にWHO(世界保健機関)の憲章の中に『健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。』という記載があり、この満たされた状態のことを【Well-being】と言います。ウェルビーイングは、一瞬でその場だけの幸せではなく、持続的な幸せであるという前提があります。

ウェルビーイングを作る5つの要素とは?

ウェルビーイングの概念に注目したのが、心理学者のマーティン・セリグマンです。彼はポジティブ心理学という学問を作り、ウェルビーイングの存在に注目しました。セリグマンは、ウェルビーイングを高めるために【PERMA】と呼ばれる5つの要素が必要だとしました。

Positive emotion・・・前向きな気持ち

Engagement・・・没頭できること

Relationship・・・良好な人間関係

Meaning・・・人生の意味、意義

Accomplishment・・・達成する感覚、熟練していく感覚

【PERMA】とはそれぞれの頭文字を取っています。この5つを意識して過ごすことで、ウェルビーイングが高まり、『幸せ』と感じる機会が増えていくとされています。

ウェルビーイングを高めるために、日常の中でできることは?

『ウェルビーイングを高める』と聞くと一見難しそうに思えたり、意識が高い人しかできないことのように感じるかもしれません。しかし、実は日常的にできることもたくさんあります。その一部をご紹介しますね。

 十分な休息をとる

予定が詰まっていて休む時間が取れなくなったり、睡眠不足になったりすると、心身に不調が現れ、同時にウェルビーイングも低くなっていくと言われています。お休みの日を作るようにすることや、昼寝をしてみる、週に1度でも良いので早めに布団に入る習慣を作るなど、積極的に休息をとるようにしましょう。

日常生活の中でできそうな、軽い運動をする

日常的に続けられそうな運動をすることも効果的です。『運動する』と考えるとハードルが上がってしまう人は、日常の動きに運動の要素を足してみてはどうでしょうか。例えば、自転車に乗っている時はエアロバイクに乗っているような感覚でこいでみるとか、いつもより大股で歩いてみる、カバンや買い物袋をダンベル代わりにしてみるなど、なんでも良いのです。運動する時間を作る余裕がない時も、こうした日常的にできることであれば続けられそうですよね。

ネガティブな感情を大切にする

ウェルビーイングを高めるために大切なのは、ポジティブな感情だけではありません。実はネガティブな感情もとても大事。ネガティブな感情を否定したり、感じないようにすると、逆に増幅していきます。そして、長期的に留まり、心身の不調を引き起こす原因となっていきます。ネガティブな気持ちを感じた時は、誰かに話す、書き出してみるなどして距離を置き、気持ちが落ち着いてきたら、『こんな風に思ってたんだな』『〇〇だから怒っていたんだな』など、受け止めて整理してあげると良いでしょう。

呼吸に集中する

瞑想やマインドフルネスとウェルビーイングは親和性が高いと言われていますが、いざやろうと思うと『抽象的で難しい』『どうやったらいいかわからない』そんな風に感じる人もいるのではないでしょうか?そんな時は、自分の呼吸の様子を観察してみてください。可能であれば目も閉じてみて。長時間やる必要はありません。トイレに入った時、寝る前、仕事の休憩中など、ほんのちょっとの時間で良いのです。私たちは普段、視覚や聴覚などから様々な情報が入ってきます。情報過多になると、必要以上に周囲と自分を比べてしまう、思考で頭の中がグルグルしてしまうなど、ウェルビーイングを低くしてしまう原因にもなりかねません。1日の中で静かで穏やかな時間を作れると良いですね。

ウェルビーイングは、日常的なことの積み重ねによって高めていくことができます。新しいことを取り入れなくても、自分の生活の中で出来そうなこと、そしてすでにやれていることに注目し、自分なりのやり方を見つけていきましょう。

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南 舞

南 舞

岩手県出身。多感な思春期時代に、臨床心理学の存在を知り、人の心に丁寧に寄り添っていくカウンセラーの仕事に憧れを抱く。臨床心理学、心理カウンセリングを学ぶために、大学院まで進み、「臨床心理士」資格を取得。現在は教育、企業にてカウンセラーとして活動中。ヨガとは学生時代にヨガスタジオの受付のアルバイトをしていた時に出会う。ヨガを始めたことで、身体が自由になっていく感覚に楽しさを感じたこと、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングの考え方と近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。普段のクラスでは、呼吸と身体を繋げ、人と比べず、自分らしくいれるようなヨガの時間を提供できるよう心がけている。

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