【医師が解説】気が緩んでない?今こそ見直したい新型コロナやインフルエンザ、風邪を防ぐ生活習慣

【医師が解説】気が緩んでない?今こそ見直したい新型コロナやインフルエンザ、風邪を防ぐ生活習慣

暖かい春に向けて気が緩みがちな時期だからこそ、あらためて見直したい「風邪やインフルエンザの予防策」。対策きちんとできていますか? ウィルス感染予防&重篤化回避し、元気に過ごすための生活習慣を機能性医学などに詳しい医師、斎藤糧三先生に教えていただきました。

気道の働きを高めてウィルスを撃退しよう!

新型コロナウィルスやインフルエンザ、風邪などのウィルス性呼吸器感染症を予防するためには、体の中にウィルスの侵入させないことが大切です。

「すでに、ご存知の方も多いと思いますが、ウィルスの侵入経路は主に2つあります。まずひとつが飛沫。感染者が咳やくしゃみをして、つばなどの飛沫と一緒にウィルスを体の外に放出し、それを別の人が口や鼻から吸い込むことで、ウィルスが体の中に入ります。もうひとつが接触ですね。感染者が咳やくしゃみをおさえたり、鼻水をぬぐった手で触れた場所にウィルスがつき、それを別の人が触り、その手で口や鼻を触わってウィルスを吸い込むことで侵入します」と斎藤先生。

こうしたウィルスの侵入を防ぐには、人混みを避け、電車やバスのつり革やドアノブ、スイッチなどにはなるべく触らないこと。そして、マスクの着用や、丁寧な手洗いとうがい、アルコール消毒、空気清浄機の使用などが有効です。気が緩みがちな時期だからこそ、こうした基本的なことができているか、今一度見直してみることが大切です。

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「また、体の外と内との境界である気道の働きを高めることも、ウィルスの感染を防ぐ重要なポイントです。気道とは、鼻や口から空気を吸い込んだ空気を肺まで送る空気の通り道で、(1)粘液を分泌して、ウィルスが細胞にコンタクトできないようする。(2)繊毛というブラシのようなものを動かして異物を排出する。(3)抗菌物質ペプチドの“ディフェンシン“を分泌して感染をおこさないようにする。(4)マクロファージ(貧食細胞)が外敵と認識したウィルスを食べる、という主に4つの働きがあります。これらの働きを十分に発揮させるには、口や喉を乾燥させないことが大事。口や喉が乾燥すると喉の粘膜の働きが弱くなり、ウィルスなど体にとって有害なものを排出する力が低下してしまいます。1日1.5リットル以上の水分補給を心がけ、こまめに水分をとり、口内のうるおいをキープしましょう。」(斎藤先生)

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ウィルスは高温多湿な環境に弱いため、室内の湿度を60%以上にキープすることも感染予防につながります。その際、抗菌マイナスイオン発生器を併用すると、加湿器によるカビの害を防ぎやすくなるそう。

「そして、気道の働きを高める栄養素をしっかりとり、免疫力を高めることも、ウィルスの感染を防ぐ秘訣です。免疫細胞を活性化させるためには、たんぱく質、亜鉛、鉄、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンDを、毎日の食事で意識的にとりたいもの。中でも、とくに日本人の9割が充足していないビタミンDは気道の抗菌力を高める重要な栄養素なので、新型コロナウィルスの感染予防には必須のビタミンです。」(斎藤先生)

ウィルス感染予防&重篤化回避に必須のビタミンとは?

ビタミンDは、これまで腸からのカルシウム吸収を助け、骨を強くする栄養素として知られてきましたが、最近の研究で、体内で作られる抗生物質の抗菌ペプチドの分泌を調節する働きがあることがわかってきました。

「抗菌ペプチドの分泌の調節はウィルスの感染予防に役立ちますが、さらにインドネシアからの速報で、ビタミンDが新型コロナウィルスの重篤化に深く関係していることが明らかになりました。新型コロナウィルスに感染して入院した、インドネシア国内の400人の患者の血液データと症状の経過を解析したところ、ビタミンDの血中濃度が20ng/mlと低い患者の死亡率は99%と高く、ビタミンDの血中濃度が30 ng/mlと充足している患者の死亡率は4%未満に留まり、その差が歴然となったのです。」(斎藤先生)

下のグラフの解説としては、
*イランでの新型コロナ患者のビタミンD血中濃度の分布をみると、1日2000IUのビタミンD摂取で目指せる30ng/dl(充足域)をクリアすることで、死亡を含め重篤化リスクを軽減できる。40ng/dlを超えることで死亡率が激減し、4000IU摂取の目安の60ng/dl以上であれば50歳以下では罹患者が皆無であった。 

ビタミンD
イランの新型コロナ患者のビタミンD血中濃度と年齢の分布(赤点は死亡)

また、ビタミンDによる抗菌ペプチドの分泌の調節は、インフルエンザの予防に効果的だそう。

「日本人の子どもたちを対象にした臨床で、ワクチン接種をするよりも、ビタミンDをとったほうがインフルエンザにかかりにくいという結果が報告され、世界的に注目を集めています。このほか、ビタミンDには過剰な免疫反応を抑制し、必要な免疫反応を促す、免疫機能の調整作用もあり、春先に悩みの多い花粉症やぜんそくなどのアレルギー、自己免疫疾患の予防に関わるビタミンでもあります。」(斎藤先生)

ウィルスに負けないビタミンDの摂取方法は?

新型コロナウィルスやインフルエンザの感染を防ぐためには、1日にどのぐらいの量のビタミンDをとるといいのでしょう?

「ウィルス感染予防のために推奨されるビタミンDの摂取量の目安は、1日2000〜4000IU(成人)です。摂取方法としては、日光浴・食事・サプリメントがあります。日光浴の場合は、太陽が高く昇る夏の日中に1時間ほど、陽の光を浴びるのが効果的ですが、ビタミンD の生成には紫外線B波が必要となるため、日焼け止め剤を塗ったり、ガラス越しの日光浴ではビタミンDを作ることができません。また、夏以外の秋、冬、春は紫外線量が少なく、日光浴からビタミンDを作るのが難しいため、タンニングマシンなどを利用するのも手ですね。食事では、ビタミンDが多く含まれる紅鮭やいわし、まぐろなどの魚類を積極的にとるのが有効ですが、推奨量を摂取するには、紅鮭やいわしで1日に約300g、きくらげは約1kgを食べる必要があり、かなりの量に。食事からとるのが難しい場合は、サプリメントを上手に活用するのが、現実的かつ、効率的といえます。サプリメントは、ビタミンD補充を目的とし、1カプセルあたりのビタミンD配合量が1000IU(25ug)以上のもの。そして、GMP基準の品質管理が行われているもの選ぶとよいでしょう。」(斎藤先生)

教えてくれたのは…斎藤糧三先生

斎藤先生
斎藤糧三先生

日本機能性医学研究所所長。日本医科大学卒業後、産婦人科医に。その後、美容皮膚科治療、栄養療法、点滴療法、ホルモン療法を統合したトータルアンチエイジング理論を確立。2008年、日本機能性医学研究所を設立。2013年、一般社団法人日本ファンクショナルダイエット協会を設立、副理事長に。2017年、スーパーフードとしての牧草牛の普及を目指し、日本初の牧草牛専門精肉店「Saito Farm」をオープン。著書に『サーファーに花粉症はいない』(小学舘)など。ビタミンDのサプリメント「VD1000」の開発・販売にも携わる。

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