【女性は必見】鉄だけじゃ不十分?貧血を防ぐ食事のポイントとは|管理栄養士が解説

 【女性は必見】鉄だけじゃ不十分?貧血を防ぐ食事のポイントとは|管理栄養士が解説
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「疲れやすい…」「息が切れる…」「頭が痛い…」などの不調を感じたことはありませんか。もしかするとその原因は、貧血だったかもしれません。この記事では貧血を防ぐ食事のポイントについて解説します。

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どうして貧血になると不調が起こるの?

貧血は、血液中の成分であるヘモグロビン濃度が低下した状態です。ヘモグロビンには酸素を全身に運ぶはたらきがあります。つまり、貧血になると全身が酸素不足で「酸欠状態」になり、疲れやすくなるなどの不調が起こるのです[1]。

貧血の原因はズバリ!?

貧血の原因の大多数は、鉄不足によるヘモグロビン濃度の低下です。特に月経のある女性は鉄を失う量が多いため、注意しましょう[1]。また、貧血の原因は鉄不足によるヘモグロビン濃度の低下以外に、ほかの病気によるヘモグロビン濃度の低下も考えられます。鉄不足による貧血は食事で防ぐことができますが、ほかの病気による貧血は病気の処置が急務であるため、不調が続く場合には医療機関で受診しましょう。この記事では、鉄不足による貧血を防ぐ食事のポイントについて解説します。

まずは鉄補給!貧血を防ぐ食事のポイントとは

どのくらいとればいい?

貧血を防ぐために必要な鉄の摂取量は次の表のとおりです[2]。

【一日あたりの鉄の推奨量】

年齢 男性(mg/日) 女性(mg/日)
18~49歳 7.5 6.5(月経あり10.5)
50~64歳 7.5 6.5(月経あり11)

※日本人の食事摂取基準(2020年版)

鉄を多く含む食品

食品中に含まれる鉄には、「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の二種類があります。へム鉄の方が非ヘム鉄に比べて吸収率が高いといった特徴があります。ヘム鉄を多く含む食品は、レバーや赤肉、赤身の魚など、非ヘム鉄を多く含む食品は、野菜や卵、豆乳などです[2,3]。

【一食あたりの鉄の含有量】

・ヘム鉄を多く含む食品

食品名 一食あたりの重量(g) 一食あたりの鉄(mg)
豚レバー(生) 50 6.5
鶏レバー(生) 50 4.5
牛レバー(生) 50 2.0
牛肩ロース(生) 50 1.2
かつお(生) 50 1.0
きはだまぐろ(生) 50 1.0
豚肩ロース赤肉(生) 50 0.6

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

・非ヘム鉄を多く含む食品

食品名 一食あたりの重量(g) 一食あたりの鉄(mg)
豆乳 200 2.4
小松菜(ゆで) 75 1.6
春菊(ゆで) 75 0.9
卵(生) 60 0.9
ほうれん草(ゆで) 75 0.7

※日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

それぞれ食品ごとにさまざまな栄養素が含まれているため、特定の食品に偏らず、さまざまな食品から鉄を補給することが大切です。ヘム鉄と非ヘム鉄を多く含む食品をあわせた肉野菜炒め、また汁物に小松菜やほうれん草などプラスするなど、ひと工夫で鉄補給できますよ。

鉄だけじゃ不十分!?貧血を防ぐ食事のポイントとは

ビタミンCをとる

ビタミンCをとることで、非ヘム鉄の吸収率がUPします。つまり、非ヘム鉄を多く含む食品とあわせてビタミンCを多く含む食品をとることで、効率的に鉄を吸収できるのです。ビタミンCを多く含む食品には緑黄色野菜や果物などがあります。ビタミンCは水溶性ビタミンです。つまり、下茹でや水にさらすなどといった調理の過程で水に溶けて流れで出てしまいます。そのため、生で食べる場合には、水にさらす時間を短くする、加熱する場合には、損失の少ない電子レンジ調理にすることがおすすめです[2,3]。

たんぱく質をとる

ヘモグロビンは何からできているかご存じでしょうか。主に鉄を含む「ヘム」という色素とたんぱく質からできています。つまり、鉄だけでなく、ヘモグロビンの材料であるたんぱく質も十分にとることが大切です。たんぱく質を多く含む食品には、肉、魚、卵、豆、牛乳・乳製品などがあります。さらに、鉄もたんぱく質も多く含む食品は、レバーや赤肉、赤身の魚、あさりなどです。日々の食事にプラスするとよいでしょう[1,2]。

日ごろの食事で貧血を防ごう

ポイントをおさえることで、賢く効率的に鉄不足による貧血を防ぐことができます。元気に過ごすために、ぜひ、できることから取りいれてみてください。

【参考文献】(すべて2024年7月4日閲覧)

[1] 厚生労働省, e-ヘルスネット, 貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう

[2] 厚生労働省, 日本人の食事摂取基準(2020年版)

[3] 文部科学省, 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

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なかでかおる

なかでかおる

一人でも多くの方の心身の調子を整えるため、食と心の領域で活動中。学術修士では、食行動と動機づけに関する研究を実施。栄養疫学と健康心理学を軸に、食の領域では、特定保健指導やジムでの栄養指導、コラム執筆、研究補助等、心の領域では、コーチングセッションやコラム執筆、研究補助等を行う。



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