米国不妊症事情「こどもが欲しい!でもできない!」ストレスが原因?

 米国不妊症事情「こどもが欲しい!でもできない!」ストレスが原因?
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生理学者でありヨガ講師でもあるロジャー・コール博士によれば、ストレス感情は交感神経系を活性化するが、これは副腎を刺激して血中にエピネフリンを放出させる原因となる。恐怖や怒りといった強い感情の多くは、実のところストレスの別名であり、体がより多くのコルチゾールを生産し、性ホルモンの方は減少させる原因となる。これらの変化のすべては「ファイト・オア・フライト(闘うか逃げるか)」反応の一部分である。この反応は体にたいして緊急の場合の行動の準備をさせるが、他方で体を治したり、食べ物を消化吸収したりするのを妨げるとともに、不妊の確率を高めるものでもある。

エピネフリンの持つ最も強力な効果は、血管を収縮させること。サクデフ医師はこの収縮作用がおそらく子宮でも生じており、それがつまり妊娠を妨げているのだと言う。これはヨガにおける「アーパナ」という考え方と一致する。これは、女性の場合、骨盤のなかに集まっているプラーナ、下向きに向かう動きのエネルギーのことだ。アーパナが自由に流れることができるようにしてあげることが、生殖にいたるための鍵となりうる。サーランバセツバンダサルバンガーサナ(支えのある橋のポーズ、ボルスターの上に仙骨をおくか、膝を曲げて行う)、ヴィパリタカラニ(壁に脚を上げるポーズ)といったヨガのポーズで、アーパナのエネルギーをやさしく刺激することができる。同時に、生殖器系の微小循環を増加させることもできる。

エレン・サルトンストールはマンハッタンに拠点をおくヨガ講師で、アイアンガーメソッドで訓練を受け、アヌサラヨガの資格を持っている。彼女は4年間、サクデフ医師のプログラムのためにヨガ講師を務めた。「骨盤と腰の関節を開くポーズを重点的に行いました」とサルトンストールは説明する。「アーパナを増加させてくれると私が感じているリストラティブポーズを使っていました。ほかにも、参加者のみなさんがリラックスできるように、きつくない逆転のポーズなどもやってもらいました」

アーパナをより自由に動けるようにしてあげることのほかにも、特定のアーサナには骨盤を柔軟にして「空間」を作り出し、腹部にある緊張を解放できるようにする作用がある。サーランババッダコナーサナ(支えのある合せきのポーズ)とシャヴァーサナ(亡骸のポーズ)は腹部と骨盤の部位に特に意識を向けることになるポーズだ。息を吸うときには、お腹が柔らかくなり、エネルギーで満たされるのをイメージするといい。息を吐くときには、妊娠を妨げているすべてのものが吐く息とともに去っていくとイメージする。

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Text by JUDITH HANSON LASATER
Translated by Miyuki Hosoya



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