【鶏むね肉】しっとりパサつかない、お肉が劇的にやわらかくなる裏技|管理栄養士が解説
食材の高騰が止まらない中、家計の味方の鶏むね肉。高たんぱく質・低脂質で、栄養価的にも優秀な食品です。ただ加熱するとパサついたり、かたくなりやすいところが、悩みどころ。今回は鶏むね肉をしっとりおいしく食べる方法をご紹介します。
高たんぱく質・低脂質な鶏むね肉
鶏もも肉の栄養価(皮付き・100gあたり)と比較すると、エネルギー量は鶏もも肉の約70%、脂質は約40%とかなり控えめなのに対し、たんぱく質は約130%。まさに高たんぱく質・低脂質な食材。これからクリスマスやお正月など、イベントで体重が増えやすい時期に特におすすめです。
また鶏むね肉はよく淡白であっさりと表現されますが、うま味が少ないわけではありません。うま味成分のイノシン酸は鶏もも肉よりも多いと言われており、味わい深い部位なのです。
鶏むね肉はなぜパサつきやすい?
栄養価的にはメリットの多い鶏むね肉ですが、加熱するとパサつきやすいのが難点。かたくなりやすいのは以下の理由です。
①水分が逃げやすいから
鶏むね肉は鶏もも肉に比べて水分量が多い部位。しかし、鶏むね肉の筋肉の膜は薄く、加熱すると水分が逃げやすいと言われています。
②脂肪が少ないから
水分が多く脂肪が少ない為、カロリーは控えめ。ただ長時間加熱をするとどうしてもパサつきやすい部位です。
②繊維がしっかりとしているから
鶏むね肉の肉質自体はやわらかいのですが、繊維がしっかりしており、加熱により繊維が収縮することで、かたさを感じやすくなります。
鶏むね肉をしっとりと仕上げる方法とは?
ではどうやったらやわらかく仕上がるのでしょうか?
①小麦粉や片栗粉をまぶす
小麦粉や片栗粉をまぶすと、それが膜となり、水分やうま味が外に出るのを防いでくれます。また舌触りがよくなったり、ソースや煮汁が絡みやすいのも嬉しいポイント。
②繊維を断ち切る
かたくなりやすい繊維を断ち切るのもひとつの手。鶏むね肉は部位によって繊維の通り方が異なります。(赤い矢印が繊維の方向)
その為繊維の方向に合わせて、3つに切り分けます。その上で繊維を断つように切ります。
③削ぎ切りにする
1切れが分厚かったり、厚みにばらつきがあると中まで火が通りのに時間がかかり、表面は加熱しすぎてパサつきやすくなります。その為、表面積が大きくなるように削ぎ切りにすると、厚みが均一になり、短時間の加熱ですむので、やわらかくジューシーな状態が保てますよ。
安価で栄養価の高い鶏むね肉。調理の方法を工夫すればとてもおいしく食べられます。ぜひ試してみてくださいね。
<参考>
日本食品標準成分表(八訂)
東京ガス 暮らし情報メディア ウチコト 賢く使い分け!【鶏ムネ肉vs鶏モモ肉】「栄養・味・食感・特徴」の違いまとめ
AUTHOR
和田 梓
管理栄養士。これまでヘルスケアIT企業にて、ダイエット・糖尿病・IBD・CKDなど、幅広い悩みに向けたレシピ開発を100件以上行う。その他、記事執筆、WEBページの企画・編集、保健指導などに従事。ハーブやスパイスを使った創作家庭料理が得意。
- SHARE:
- X(旧twitter)
- LINE
- noteで書く