「痩せたい人こそタンパク質を!」管理栄養士が声を大にして伝えたい「40代からの頑張らない食トレ」

 「痩せたい人こそタンパク質を!」管理栄養士が声を大にして伝えたい「40代からの頑張らない食トレ」
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石松佑梨
石松佑梨
2024-02-01

40代以降のダイエットで意識したいのが「筋肉量を維持する」ことです。筋肉が減ると、基礎代謝も下がるため、太りやすくなってしまいます。また、筋肉が減ると水分の巡りも悪くなるため、むくみやすくなってしまうでしょう。重要なのが、筋肉の材料となる「たんぱく質」の摂り方です。ここでは、いつ、何を、どのぐらい食べればいいのか解説します。

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40代以降のダイエットで意識したいのが「筋肉量を維持する」ことです。筋肉が減ると、基礎代謝も下がるため、太りやすくなってしまいます。重要なのが、筋肉の材料となる「たんぱく質」の摂り方です。ここでは、いつ、何を、どのぐらい食べればいいのか解説します。

たんぱく質はどのぐらい食べればいいの?

①〜③は、正しいでしょうか?

 ① 過食傾向(いつもおなかいっぱいになるまで食べている)ので、たんぱく質もしっかり摂れているはず

 ② 筋トレを頑張っているので、たんぱく質を多めに摂るように心がけている

 ③ 「納豆ご飯」だけで、朝のたんぱく質は足りている

答え

①△
一般的に、現代人はカロリーオーバーですが、たんぱく質の摂取量は不足傾向にあります。私たちの食事は、おにぎり、丼、麺、パンのように、主食中心で糖質過多になりやすい現状です。たとえ3食をおなかいっぱいになるまで食べていたとしても、たんぱく質が十分とは限りません。必要なたんぱく質量を補うためには、卵、肉、魚、大豆・乳製品などの摂取をいつも意識しておく必要があるのです。

②○
たんぱく質の必要量には個人差があります。あくまで目安ですが、1.0g/体重kg(※運動習慣のある人は「〜2.0g/体重kg」)で、自分に必要なたんぱく質量を計算してみましょう。たとえば、体重60kgの人が摂るべきたんぱく質の量を60g/日とした場合、これを3食で分けると20g/食になります。たんぱく質20gを摂るためには、鶏肉なら90g、鮭なら80g、卵Lサイズなら3個食べる必要があるのです。これらの量を一つずつ覚えるのは大変ですので「片手1杯にのるぐらいの量」をたんぱく質20gの目安としてみましょう。

③×
朝食を「納豆ご飯」だけですませている人は、残念ながらたんぱく質が足りていません。納豆ご飯のたんぱく質は約12.8g(たんぱく質量:納豆(1パック50g)9.0g+ご飯(150g)3.8g)です。これに、卵1個(たんぱく質6.5g)と、味噌汁1杯(味噌大さじ1:たんぱく質2.0g)プラスすれば、目標の20gになります。

たんぱく質はいつ食べればいいの?

①〜③は、正しいでしょうか?

 ① 朝食のたんぱく質摂取は、ダイエットにメリットがある

 ② 1日分のたんぱく質を、夕食にまとめて食べてもいい

 ③ 運動後に、プロテインドリンクを飲んでいる

答え

①○
朝のたんぱく質摂取には筋肥大を促したり、消費エネルギーを増やしたりする効果があります。ただし、忙しい朝食はたんぱく質を取り入れにくい時間帯です。そのままでも食べられる卵、豆腐、納豆、チーズ、牛乳、ヨーグルトのようなたんぱく質食材を上手に活用して、朝食でのたんぱく質確保を目指しましょう。

②× 
朝食でのたんぱく質摂取が難しいからといって、夕食でまとめて摂ることはおすすめできません。一度に消化吸収できるたんぱく質の量には、限界があるからです。また、その量は人それぞれ違います。これまで、たんぱく質をあまり摂れていなかった方は、20g/食で様子をみてみましょう。食後に胃もたれやおなかの張りを感じる方は、一回量を減らして、たんぱく質補食などで摂取回数を増やすのもおすすめです。

③○
運動後はたんぱく質の必要量が増えます。トレーニングで損傷した筋肉は、もっと強いものになろうと再合成されますが、たんぱく質が不足している状態ではできないからです。このように、忙しい朝や運動後の補食など、たんぱく質が確保しづらい時には、プロテインドリンクなども上手に活用しましょう。

どんなたんぱく質を食べればいいの?

①〜③は正しいでしょうか?

 ① たんぱく質不足には、焼肉を食べればいい

 ② 納豆やヨーグルトなどの発酵食品で、たんぱく質を補いたい

 ③ 植物性たんぱく質よりも、動物性たんぱく質の方がいい

答え

①△ 
消化酵素がリッチな若い頃は、ガッツリ塊ステーキ肉や脂の多いカルビ焼肉でも、しっかりと消化吸収し、効率的なたんぱく質摂取につなげることができました。ところが、年とともに消化力が低下すると、たんぱく質が不足するようになり、筋肉量も低下してしまうのです。そのため、40代以降のたんぱく質摂取には消化力も求められます。

②○
では、なにを食べればいいのか? 一般的には、肉類よりも魚や卵、大豆製品の方が消化しやすいです。また肉類の中であれば、脂肪分の少ない種類や部位の方が消化しやすいでしょう。その点を考慮すると、40代以降のたんぱく質摂取には「①の焼肉屋さん」よりも「焼鳥屋さん」の方がいいかもしれませんね! また納豆などの発酵食品は、とても消化のいいたんぱく質源ですので、積極的に取り入れていきたいところです。


確かに、大豆を除く植物性たんぱく質には、一部の必須アミノ酸(たんぱく質を構成するアミノ酸のうち、体内で合成できないもの)が不足しています。ただし、消化の面では、植物性食品の方が優れているものが多いでしょう。動物性と植物性のたんぱく質を組み合わせることが、相対的な栄養価アップに繋がります。

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石松佑梨

石松佑梨

サッカー日本代表選手をはじめ、世界で活躍するトップアスリートたちの専属管理栄養士として従事。のべ2万人以上に提供してきた「頑張らない食トレ」を武器に、近年は企業の健康経営や地域創生も展開する。幼い頃から「おいしい」への執着心が人一倍強く、おいしく健康に食べるための「ずるい栄養学」で、誰もがおいしく食べて健康になれる社会を目指している。著書に『過去最高のコンディションが続く 最強のパーソナルカレー』(かんき出版)がある。



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