人間関係に疲れる3つの理由と4つの対処法【臨床心理士が解説】

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人間関係に疲れる3つの理由と4つの対処法【臨床心理士が解説】

佐藤セイ
佐藤セイ
2022-12-14

「いい人間関係を築きたい!」と頑張っていたのに、気づけば人間関係に疲れて嫌になっている。いつも人間関係に疲れている人は、他者との心の距離がうまくとれていないのかもしれません。今回は人間関係に疲れる理由と4つの対処法をお話しします。

人間関係に疲れる理由

人間関係に疲れるのは、他者と適度な「心の距離」を作れていないから。どういうことか具体的に見ていきましょう。

他者の評価が気になって仕方ない

他者の評価に振り回されて「人間関係なんて疲れた!」と感じる人がいます。

たとえば、行きたい場所があっても、「○○さんは行きたくないかも」と思うと言い出せず、相手の提案につい頷いてしまいます。また、いざ一緒に出掛けても「○○さんは楽しめているだろうか」と気が気ではなく、関わりを楽しむ余裕はありません。

「いっそ一人でのんびり過ごしたい!」と思う反面、一人になると「友達がいないと思われるのでは…」とやっぱり他者の目が気になってしまいます。

他者を思い通りに動かそうとしている

親切のつもりで「こうした方がいいよ」と一生懸命助言しているのに、相手が動いてくれないと、イライラして「もう疲れた!知らない!」と感じることがあります。

また、自分の疲れた様子を見ても助けてくれないなど、相手が気持ちを察してくれないときに、「ちょっとは気を遣ってよ!」「私ばっかりしんどい!」と嫌になってしまうこともあります。

人間関係の範囲が狭い

人間関係の範囲が狭いと、その関係を失わないために必死になります。

相手がほかの人とも仲良くしていると「関係が終わってしまうのでは!?」と不安に駆られて落ち込んだり、相手を過剰に責めたりしてしまいます。ルールや監視によって束縛しようとすることもあるかもしれません。一緒にいられない時間はいつも不安で疲れますが、離れることもできません。

人間関係に疲れたときの4つの対処法

人間関係に疲れたときには、他者との適度な距離感を取り戻すことが大切です。ここでは4つの対処法をご紹介します。

「本当にネガティブな評価をされているのか」をチェック

他者評価が気になる人は、「本当にネガティブな評価をされているのか」をチェックしてみましょう。

1.「嫌われるかも」と不安な行動をたくさんピックアップ

2.不安度の点数をつける

3.不安度が低い行動を選び出す

4.その行動の結果を予想してみる

5.不安度が低い行動を試してみる

6.予想と結果を比べる

たとえば、「自分の行きたい場所を言う」という行動に対して「相手が嫌な顔をしそう」と予想したとします。実際に言ってみたら「いいじゃん!」と笑顔で返されるかもしれません。

「実際はそんなにネガティブに思われていない」と分かれば、人間関係が少し楽になるでしょう。

相手の責任を引き受けすぎない

他者の代わりに決断したり、行動したり…そうやって責任を肩代わりしていると、相手は次第に「やってもらって当たり前」になります。もし失敗すれば「あなたが○○と言ったから」「あなたが〇〇してくれなかったから」と責任を押しつけるかもしれません。そうなれば、あなたはどんどん疲れてしまいます。

相談にのるのはOKですが、最終的な決断や行動は本人にしてもらうことを心がけましょう。

要望や気持ちは「言葉」で伝える

「阿吽の呼吸」に代表されるように、日本では「親密な関係になれば言葉は不要。むしろ、言葉で伝え合うのは水くさい」と思われがちです。

しかし、態度や行動で自分の要求を伝えるのは、赤ちゃんが泣くのと同じ。「お腹が空いた!」と懸命に訴えているのに、おむつをチェックされてしまうような、コミュニケーションのズレが生まれるリスクが高いのです。

せっかく「言葉」というスキルがあるのですから、他者が察する力に期待しすぎず、言葉で伝えることを心がけてみましょう。

「広く浅く」の関係をつくる

色々なコミュニティに参加し、広く浅い関係をたくさん作っておくと、1つの関係に固執せずに済みます。リアルなつながりだけでなく、SNSなどを通じたインターネット上のつながりでも構いません。

太い1本の関係にすがるよりも、たくさんの細い関係を網のように張り巡らせている方が、心が疲れたときにも救われる可能性が高まります。

おわりに

今回の記事は、あなたを過度に傷つけない「安全な相手」との関係を想定しています。

万が一、いつでもあなたを批判し、ネガティブな評価を押し付けてくるような「安全ではない相手」のせいで疲れている場合は、そもそも「その人との人間関係を維持すべきなのか」を見つめ直した方がいいかもしれません。

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佐藤セイ

佐藤セイ

公認心理師・臨床心理士。小学生の頃は「学校の先生」と「小説家」になりたかったが、中学校でスクールカウンセラーと出会い、心の世界にも興味を持つ。大学・大学院では心理学を学びながら教員免許も取得。現在はスクールカウンセラーと大学非常勤講師として働きつつ、ライター業にも勤しむ。気がつけば心理の仕事も、教える仕事も、文章を書く仕事もでき、かつての夢がおおよそ叶ったため、新たな挑戦として歯列矯正を始めた。

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