数週間の自粛生活で1年分の骨量低下?骨粗鬆症学会認定医が教える、密度アップ習慣とは

 数週間の自粛生活で1年分の骨量低下?骨粗鬆症学会認定医が教える、密度アップ習慣とは
Adobe Stock
Moe Takahashi
Moe Takahashi
2022-11-01

コロナ禍での生活様式にも慣れ、徐々に日常を取り戻しつつある今日このごろ。リモートワークの文化が根付いたことにより、歩くことが極端に少なくなっている人も多いことでしょう。そんなコロナ禍での生活習慣が、実は、筋肉だけでなく骨も弱らせていることをご存知でしたか?

広告

コロナ禍の生活習慣がもたらす骨密度の低下

骨粗鬆症学会認定医の中山先生によると、寝たきりの状態でいると1週間で1%ほど骨密度が落ち、人によっては数週間で1年分の骨量を失うこともある、とのこと。

リモートワークで平日は家にこもりきり、という方は注意!

外出の機会が少ないコロナ禍の生活により、骨密度が低下している可能性があります。 骨密度の低下は、男性は50歳を超えてから、女性は閉経後に拍車がかかるといわれています。該当する年代の方は、特に注意が必要です。

骨密度の低下による「いつのまにか骨折」に注意!

年代によって、注意したい骨折は違います。

40代、50 代の方がおこしやすいのは、転んだ拍子に手をついておこる手首骨折。 60 代からは背骨の圧迫骨折のリスクが増え、70 代からは、寝たきりの原因ともなる大腿の付け根の骨折が増加します。

特に注意したいのは、60 代の方がおこしやすい圧迫骨折。『いつのまにか骨折』とも呼ばれる、痛みを感じない骨折が多いのが特徴です。自分では気が付きにくく、レントゲンを撮って初めて指摘される人も多いとのこと。

「いつのまにか骨折」セルフチェック!

ご自宅で簡単に「いつのまにか骨折」をチェックする方法をご紹介します。

数週間の自粛生活で1年分の骨量低下?骨粗鬆症学会認定医が教える、密度アップ習慣とは

① まっすぐ立ち、壁に背中をつけます。
② 背中が曲がり、頭部が壁につかない人は危険信号!

今日から始められる骨密度アップ習慣とは?

中山先生によると、骨を丈夫に保つポイントは3つ。

  • 適度に運動する
  • 適度に日光を浴びて皮膚に紫外線を浴びる
  • 十分なカルシウムを摂取する

これらのポイントをおさえ、骨密度をアップする生活習慣を身につけましょう!

ウォーキングで日光から効果的にビタミンDを!

ビタミンDは、日光を浴びることによって体内で生成され、カルシウムの吸収を促して骨の健康を保つ栄養素。近年の研究では、脳と筋肉の協調を高め、転倒のリスクを減らすことがわかっています。

日光を浴びながら骨を活性化するのにオススメしたいのが、ウォーキング!

歩くスピードを少し速めに、歩幅を広めに、腿を上げることを意識して歩くことがポイント。晴れの日は15分、曇り空の場合は 20~30 分を目指して歩きましょう。

皮膚でビタミンDを作るには肌に紫外線があたることが大事なので、UVケア重視で身体中を覆ってしまうのではなく、両肘まで腕を出すなど、身体の一部が紫外線にあたる状態で歩きましょう。

骨を丈夫にする「カルシウム」は吸収されにくく不足しやすい

骨を健やかに保つためには、運動に加え、食事も大切。骨を丈夫にするのに大切な栄養素といえば、カルシウムが真っ先に思い浮かびますよね。

しかし、カルシウムは吸収率が悪い栄養素だということをご存知でしたか?

吸収率が一番いいと言われている乳製品でも、含まれているカルシウム量の50%程度しか吸収されず、小魚の場合は、30%程度とさらに少なくなります。小松菜にもカルシウムが多く含まれますが、食物繊維がカルシウムの吸収を邪魔するため、吸収率は20%ほど。

数週間の自粛生活で1年分の骨量低下?骨粗鬆症学会認定医が教える、密度アップ習慣とは

厚生労働省の調査でも、日本人女性が十分な量のカルシウムを摂取できていないことがわかります。

食事での対策は「カルシウム+レモン」で骨を丈夫に!

食事から摂った栄養素を効率的に体内に吸収するためには、ひと工夫が必要。
そこでオススメしたいのが、カルシウムが含まれる食べ物に、レモンをプラスすることです!

レモンに含まれる「クエン酸」は、カルシウムのイオン化を促進して吸収しやすくする『キレート作用』を持っています。カルシウムを多く含む乳製品などにレモン果汁を追加することで、カルシウムをより効果的に摂取できます。

また、レモンには抗酸化作用のあるビタミン C も豊富に含まれています。
ビタミン Cには、コラーゲンの生成を促す働きがあります。 骨の半分はコラーゲンでできているため、骨の健康に役立つほか、肌の健康を底上げするという嬉しい効果も期待できるのです!
マスク生活で肌荒れやシミ・たるみが気になるという方は、レモンのビタミンCを積極的に摂りましょう!

教えてくれたのは… 中山 久德 (なかやま ひさのり)先生

骨粗鬆症学会認定医 そしがや大蔵クリニック 院長 国立山形大学医学部卒業後、東京大学医学部アレルギーリウマチ内科に入局。2012 年 4 月、世田谷区砧にて『そしがや大蔵クリニック』を開院。リウマチ内科医として、関節リウマチ・膠原病・骨粗鬆症の診療に従事。

広告

AUTHOR

Moe Takahashi

Moe Takahashi

ライター/PR/ダンス講師・振付師/ピラティスインストラクター。湘南暮らしとパラレルキャリアを楽しむフリーランス。3歳からバレエを始め、2014年に渡米しNYにてダンサーとして活動。リハーサル中の怪我をきっかけにGYROKINESIS®、Polestar Pilatesに出会い、指導資格を取得。その後、フィットネス企業のマーケティング・広報担当を経験し、現在に至る。趣味はキャンプと美味しいクッキー探し。



RELATED関連記事

Galleryこの記事の画像/動画一覧

数週間の自粛生活で1年分の骨量低下?骨粗鬆症学会認定医が教える、密度アップ習慣とは
数週間の自粛生活で1年分の骨量低下?骨粗鬆症学会認定医が教える、密度アップ習慣とは